★阿修羅♪ > 国家破産66 > 640.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
「格差」の戦後史―階級社会 日本の履歴書 [著]橋本健二
http://www.asyura2.com/09/hasan66/msg/640.html
投稿者 gikou89 日時 2009 年 12 月 31 日 03:51:40: xbuVR8gI6Txyk
 

(回答先: 【鳩山首相記者会見】「実行力なければ絵に描いた餅 投稿者 gikou89 日時 2009 年 12 月 31 日 03:49:25)

http://book.asahi.com/review/TKY200912220204.html

■背後に階級構造という社会の骨格

 ずしんと重いテーマを軽やかな文体で書ききった格差問題に関する今年一番の収穫である。

 階級の社会科学的研究にとって、教育機会の不平等や階級所属の親から子への“相続”は古典的テーマにほかならない。ここ10年ほどの橘木俊詔、佐藤俊樹らの議論では、近年の日本は所得の格差と出身による機会の格差がともに拡大しているという結論だった。本書はそれらを下敷きに、現代日本の格差問題を、戦後日本の歴史的文脈に位置づけることを目的としている。社会調査データや官庁統計を使って多面的な実証分析が行われ、加えて、漫画や映画などを引いて時代のリアリティーを肌で感じさせてくれる。

 著者の分析によれば、第2次世界大戦をはさんで大幅に縮小した日本社会の格差は、1950年代の経済復興とともに拡大しはじめ、60年代、高度経済成長の幕開けによって縮小に転じた。一億総中流時代である。しかし80年代から再び格差拡大の時代に突入し、2000年代は非正規雇用が急速に拡大した新しい階級社会の形成期として描かれている。非正規労働者は、その極端な低賃金、家族形成と次世代を再生産することの困難さにおいて、労働者階級以下の存在――すなわちアンダークラスだと著者はいう。現代日本のアンダークラスは、約800万人、全就業人口の12.8%を占める。92年の384万人(6%)から急増を見た。もはや彼らは例外的少数者ではなく、日本の階級構造の主要な構成要素となった。

 どんな時代のどの社会でも格差はあった。格差の大きさは経済状況や政策により変化するけれども、格差の背後には階級構造があり、それはゆっくりとしか変化しない。現代の格差拡大を「小泉改革」のような短期的要因によるものと理解するのは完全な誤りであり、階級構造という社会の骨格を認識せねばならないと著者は主張する。

 教養書を装っているが、膨大なデータを現代階級論に依拠して新たに読み解いた、純然たる専門書である。だが読者はそのことに尻込みする必要はない。平易で明晰(めいせき)だからである。

    ◇

 はしもと・けんじ 59年生まれ。武蔵大学教授(社会学)。『階級社会』など。
 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. かたかた法師 2009年12月31日 16:40:40: luKBfbn9Cu8Ho
レビューを読んでの私的所見である。

社会学学者として「階級構造が社会の骨格として常に存在するものである」との認識との事であるが、
本来、社会構造もほとんどが集団または権力者による意図的または無意識的種々の作用が元になり「社会化」した結果であると考えるのが構造発生上の基本と考える。
したがって、まず構造ありきでは様々なデーターを解析したとしても、それは構造の揺らぎのみの分析しか生まない。できれば階級構造生成消滅過程も研究の対象にしてもらいたい。
例えば、奴隷を有していたとはいえ自由人を生み出した古代ギリシャの例があるのではなかろうか。
また、自由な助け合いの制度であった隣組が支配者に有利に改悪され相互監視の役割を付与され、それと連動して、上意下達の職階等が機能するようにつくられていく過程もある。

階級構造を容認せず政治的作用を含む「社会化」のベースから論じなければ「小泉・竹中改革」の本質を読み違えてしまう恐れがある。


02. 2009年12月31日 18:52:27
なるほどな。
派遣は人以下だから、非人てことだな。
あるいはただの家畜か。
たしかに蓄群は管理とexploitationの対象だから、臓器売買や残余部分肉の販売が法改正で自由化されれば、さらに無駄無く人材が活用できるようになるな。
金持ち、笑いが止まんねえなw

  拍手はせず、拍手一覧を見る

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。