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レポ金利低下、年末の資金手当て進む−市場は年明け以降の調節注視 12月29日
(ブルームバーグ):
短期金融市場では足元のレポ(現金担保付債券貸借)金利が低下した。日本銀行の潤沢な資金供給をきっかけに、証券会社による年末の資金手当てが進んだためだ。一方、日銀は年明けに始まる資金供給オペの金額を再び減らしており、市場では来年も潤沢な資金供給が続くのか金融調節の動向を注視する姿勢だ。
レポ市場では年末・年初物(30日−1月4日)に資金の取り手が見つからず、運用側の希望レート0.105−0.11%が取引のないまま示された状態となっている。前日午前は0.15%前後で高止まりしていたが国債買い現先オペ4兆円や全店共通担保オペ(29日−1月8日)を受けて実質的な下限0.105%まで急低下していた。
年明けが受け渡しとなるスポットネクスト物(1月4日−5日)のレポは0.11−0.115%で資金が調達されている。日銀はスポットネクスト物の国債買い現先オペを再び2兆5000億円まで減額したが、最低落札金利は日銀が定める下限0.10%だった。
国内証券のディーラーによると、レポの0.15%付近では投資家からの資金放出がかなり出てきていた上、日銀も例年より潤沢な資金を供給したとみられている。もっとも、年末を越えて、1月後半の新しい準備預金の積み期間に入っても潤沢な供給が続くか見極めたいともいう。
レポ運用で機動性を確保
ディーラーの資金調達コストであるレポは、毎週大量に発行される国庫短期証券(TB)3カ月物の利回り水準に影響を与えることがある。日銀が追加緩和を決定した今月1日以降、レポ金利の変動幅がやや大きくなっており、TBの在庫を抱えたディーラーの利益が目減りするなどの厳しい相場環境だったという。
日銀が超低金利0.1%で3カ月物の資金を計10兆円供給する新型オペを導入し、TB利回りの低下が促される一方、投資家のTB需要は落ち込んだ。3カ月TB金利の低下に伴いレポ金利との利回り格差は過去1年で最低に近い水準まで縮小したのを背景に、投資家がレポでの資金運用を選好した。
市場関係者によると、翌日物のレポと3カ月物のTBで利回り水準にあまり差がなければ、大手銀行などの投資家はTBの購入を必要最小限に抑え、翌日物のレポ運用で機動性を確保するという。日銀が打ち出したターム物金利の低め誘導は具体性に欠け、上昇するリスクもあるためだ。
日銀の供給量に裁量
3カ月物のTB利回りは追加緩和前の0.15%台から0.12%台に3ベーシスポイント(bp)前後低下しており、日銀の目標は達成されたとの見方もある。ただ、日銀が広い意味での量的緩和の表明と、0.1%の新型オペを需要に応じて拡大する方針を示したことで、翌日物から3カ月物までの金利が0.1%付近に収れんする展開を想像した市場参加者も多かった。
国内大手銀行の資金担当者は、無担保コール翌日物とレポがいずれも0.10%付近に収れんされると、インターバンクの資金がレポ市場に流れなくなくなるため、日銀はレポの変動を許容せざるを得ないとみる。コールとレポの金利差に、銀行の資金運用のわずかな余地を残しているという。
ただ、超低金利下におけるレポの変動は、大量のTBを在庫として抱えるディーラーにとって損失リスクを大きくする。かつての量的緩和に比べて、今回の量的緩和は日銀の資金供給量に裁量の余地を残しているため銀行が安心して余剰資金をTBに振り向ける動きにはなりづらいようだ。
TB需給懸念くすぶる
今年のTB3カ月物の推移をみると、1月下旬から2月上旬にかけて利回りが急上昇した。レポ金利の上昇を受けて売りが増えたためだ。現在のTBの供給ペースは投資家の購入ペースを大きく上回っており、ディーラーの在庫は積み上がりやすい。
来年度は、政府が特別会計の剰余金を景気対策に使ったことでTBの国庫内引き受けが減少する可能性が指摘されている上、財政悪化懸念から更なる増発リスクもくすぶっている。国内証券のTBディーラーは日銀の意図に反してTBの利回り水準は上昇した方が市中消化はスムーズに進むとの見方を示す。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920009&sid=a7Hb.0QYjMsQ