★阿修羅♪ > 国家破産66 > 631.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu206.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
--------------------------------------------------------------------------------
強い人民元と米ドルが固定相場を維持すれば、米ドルの価値もまた
固定される。90円台を回復したおかげで日本の輸出産業も中国様様。
2009年12月29日 火曜日
◆温家宝首相、「人民元の切り上げには絶対に応じない」−中国 12月28日 サーチナ
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=1228&f=business_1228_008.shtml
中国共産党の温家宝首相は27日、新華社通信のインタビューを受け、人民元の切り上げに対して「絶対に応じない」と述べた。中国政府の公式サイトが伝えた。
インタビューでは新華社通信の記者から、温家宝首相に対して「金融危機以来、自国の貿易を保護しようとする動きが各国の間で見られ、とくに一部の国は中国に対して人民元の切り上げを要求しているが、こうした難局に中国はどのように対応するのか」という問いが寄せられた。
これに対し、温家宝首相は、中国の輸出型産業に対する圧力は非常に大きなものがあると語り、第一に産業構造を転換し、輸出品の質とグレードを高めることで、輸出総額を維持していくと述べた。
続けて温家宝首相は、「人民元の切り上げ圧力はますます大きくなっている」と語りながらも、金融危機によって主要通貨の相場が下落し続けるなかで、人民元が安定していることは国際社会に貢献するものだと指摘した。
また、人民元の切り上げについて、温家宝首相は、「われわれは絶対に応じない」と語り、具体的な国名は出さなかったものの、「外国はわれわれに人民元の切り上げを要求する一方で、さまざまな手段をもって自国の貿易だけを保護しようとしている。その本質は中国の発展を阻害するものであり、2010年の対外経済政策の重要な課題となる」とした。
そのほか、温家宝首相は「政府は一部都市で高騰する不動産価格を非常に懸念している」と語り、不動産への投機的投資を抑制するための措置を打ち出すとした。
これに対し、中国のネット上では「中国政府ならできると信じている」、「温家宝首相がいればどのような困難でも乗り切ることができよう」、「国家の政策は素晴らしいが、それを執行する地方政府がどうしようもない」などとするコメントが寄せられている。(編集担当:畠山栄)
◆温家宝の野望(中国の大いなる戦略) 12月29日 江草乗の言いたい放題
http://www.enpitu.ne.jp/usr4/41506/diary.html
今、世界で一番経済発展してる国である中国の通貨である人民元が強くなるのは当然である。そこで当然起きてくるのがその人民元を切り上げしようとする動きだ。これはかつて円の対ドルレートが360円で固定されていたのが、変動相場制になったとたんにどんどん円高になったことを考えればいい。もしも人民元の対ドルレートが上昇すれば、中国の輸出産業は大打撃を受けるだろう。中国はなんとかそれを避けたいのである。今はまだ時期尚早と見てるのだろう。
だから温家宝首相が「人民元の切り上げには絶対に応じられない!」と発言するのも当然である。しかし、この発言によってもう一つの為替相場の動きが起きることに気付いてるだろうか。つまり、米ドルと人民元の交換レートの固定は、米ドルの下支えになるということである。世界一強い人民元と米ドルが固定相場を維持すれば、米ドルの価値もまた固定されるということなのだ。円に対して瞬間的に84円まで下げた米ドルは今91円台半ばである。おそらくこの水準をしばらく維持し続けるだろう。ドルが90円台を回復したおかげで日本の輸出産業も一息つき、それが最近の株式市場の上昇につながっているわけだ。どうせこれも一時的なもの、いわゆる「だまし上げ」に過ぎないとオレは思っているのだが。
中国は世界最大の米国債保有国である。ドルの下落はそのまま中国の持つ資産の目減りにつながる。だから中国としてはまだドルの価値を維持したいし、人民元を安いままに固定することで自国の輸出産業を守りたいのわけだ。しかし、いつか中国は保有する米国債を売ってくるだろう。価値を維持したいのはその時に少しでも高値で売るためだ。あるいはもう売り抜けは開始されてるのかも知れない。いずれアメリカ政府がデフォルトを宣言して紙切れになる米国債を、中国はできるだけ高値で売り抜けておきたい。だから今は固定相場がいいということなのだ。今のドル相場は人民元の価値によって支えられてるのである。
中国にはいずれ新幹線網が広がるだろう。時速350qでの営業運転がはじまったがあの広い国土を高速鉄道が将来縦横無尽に結ぶようになるのは確実である。高速道路も全土を覆って広がるだろうし、クルマもすでに世界でもっとも売れている。中国の内需拡大が本格的になって自国経済が自立的な成長モデルとして確立されたとき、つまり輸出に依存する必要がなくなった時、中国はあっさりとアメリカを切り捨てるだろう。その日にはもう米国債は売却後かも知れない。そうなれば人民元の対ドルレートを固定している必要はない。どんどん人民元を切り上げて、世界から安く資源を輸入し、富をかき集めることを目指すだろう。そのときすでにアフリカの豊かな資源の権益はほとんど中国に奪われてるだろうし、人民解放軍は世界一強大な軍隊になってるだろうし、アメリカとロシアの核軍縮なんて中国にはどこ吹く風だろう。
外国人参政権なんて馬鹿なことを導入しようとしてる民主党政権の中には、中国の手先が入り込んでるのかも知れない。チベットやウイグル自治区にどんどん漢民族が流入して住み着き、中国化をはかるように、日本の過疎の村もいつのまにか中国の植民地のようになっていくだろう。政治家が全く危機感を持ってないことに驚くのだが、今から100年も経てば中国語が英語に代わって世界の共通言語の地位を獲得していてもおかしくないと思うのである。
人民元が米ドルとの固定レートをやめたときがドルの終焉である。おそらくドルは円に対しても暴落して30円くらいになるだろう。ドルの価値が下がって何も輸入できなくなくなり、ひどいインフレが起きたアメリカは世界最貧国に成り下がり、おそらく米国債のデフォルトを宣言するだろう。日本政府がそのときにうまく立ち回ってる保証はない。とうかむしろ絶望的である。日本がその時に生き残る唯一の方法は、中国の属国化かも知れない。それが何十年先なのか、もう目の前に来てるのかオレにはわからない。しかし近い将来確実にそうなるような気がするのだ。
サブプライムショックでアメリカを支えた金融業が崩壊しなければ、中国の覇権なんてはるか未来のことだっただろう。敵失につけこんで中国は一気に自国の発言力を高めたのである。日本の株式市場は為替相場の影響をモロに受けて世界一下がったわけだが、政府はなんら有効な株価対策ができなかった。そのために世界の投資家は日本から資金を引き揚げてしまった。いつのまにか上海市場の規模は東証を超えてしまった。これも必然的な流れである。国益の拡大に血眼になってる権力者たちと、政権交代できただけで安堵してる田舎政治家とはプレーヤーの格が違うのだ。
日本が生き残る唯一の道は中国の属国にされることなのだろうか。経済成長した中国がその富を日本で浪費や散財してくれることを願い、そのおこぼれに預かることでしか喰えなくなるのだろうか。子どもの頃、いつか国境なんてものがなくなって世界は一つの世界連邦になるということを思い描いたことがあった。それはもしかしたら実現するかも知れない。形は違うが、世界中が中国に飲み込まれるという形でだ。
(私のコメント)
90年代は日本がドルを一手に買い支えていましたが、現代では中国がドルを買い支えて人民元を固定レートにしている。円は一時84円台まで急騰しましたが91円台にまで落ちてきました。高くなった円を売ってドルや人民元を買っている人もいるのでしょうが、中国がドルを買ってドルの価値を高めている為だろう。だから80円台まで円が急騰しても90円台に戻す動きが続いている。
ドルの基軸通貨体制が揺らぎ始めて、その代わりに円やユーロや人民元が買われるようになって基軸通貨の多極化が始まっている。だから90年代の時のようにドルが安くなっても円の独歩高になる事は無くなってきた。特に最近は中国がドルを一手に買い支えてくれるおかげで円ドル相場も91円台にまで円安になってきました。まさに日本の輸出産業にとっては中国様様でしょう。
為替はこれ以外にも日米の金利差などが広がった事や日銀の10兆円の金融緩和などが重なっています。しかし政府日銀がドル買い介入しなくても中国がドルを買ってくれるのだから大助かりでしょう。中国が買ってくれているうちにドルを売りぬけるチャンスなのですが、ユーロや人民元などに分散しておけばリスクは少なく出来る。
しかし時間が経てば人民元に対する切り上げ圧力は強まるばかりであり、今年に入っての中国の外貨準備高は急増している。投機的な資金も流入してくるから中国が元売りドル買い介入もいつまでも続けられるわけは無く、いつかは人民元の切り上げが行なわれるだろう。続ければ続けるほどドル資産の残高が増えてドルの暴落が起きればそれだけ損失額が大きくなるからだ。
アメリカは金融危機を乗り切るために大量の資金供給を続けているし、中国もドルの買い支えのために人民元を大量に供給してドルを買い、公共事業などで国家予算をばら撒いている。ドルを買い支えればそれだけ人民元が市場に出回るからインフレになる。それに対して日銀が金利は下げても量的な供給は絞ってきたからデフレになってしまった。ドバイショックで日銀は10兆円ほど金融緩和しましたが100兆円規模で行なわないとデフレは治らないだろう。
人民元の固定相場は一種の輸出補助金であり、中国製品の輸出競争力がそれだけ強くなる。だから他の東南アジア各国も人民元に引きずられる形でドル買い介入している。だからアメリカの緊急の経済対策が効果を上げて金融も安定してきましたが、株などは空売りの買戻しでリーマンショック前の水準にまで上げている。
日本のバブル崩壊の時もアメリカのように素早く資金注入して不良債権を買って銀行を救っていれば長引く不況は無かっただろう。しかし当時はバブルに踊った銀行は潰せという市場原理主義がまかり通ってしまって金融庁は銀行に対して厳格査定を行なった。外資の銀行株売り叩きもあったからダメージは大きくなってしまった。
中国の温家宝首相は人民元の切り上げに対して「絶対に応じない」と述べましたが、切り上げが出来ない事情があるのだろう。切り上げが出来るようになる為には産業構造を転換し、輸出品の質とグレードを高めていかなければなりません。しかし20%ほどの切り上げで中国製品の競争力は大きく失われてしまって工場の倒産が相次いでしまった。
為替介入は一種の輸出補助金だから、補助金に頼った産業構造になってしまうと改善がなかなか進まなくなる。それに対して日本は1ドル=360円から90円にまで4倍もの切り上げでも輸出競争力は落ちてはいない。中国の経済発展は日本を追い越して世界第二位になりますが、規模は大きくなっても質の向上が伴っていないようだ。
日本は日銀がマネーサプライを絞っているから株も不動産も上がらずに低迷が続いている。80年代に起きた事は資産インフレであり物価の上昇はそれほどでもなかった。銀行が過剰な融資を続けて資産インフレを起こしたのですが、ドル買いに伴うインフレも含まれていた。
中国の人民元の固定相場を長いこと続けていれば歪みもそれだけ溜まる事になり、切り上げた時のダメージも大きくなるだろう。産業構造の高度化も進まず高付加価値化も進まない。中国は外国資本と技術を取り入れて人件費の安さで競争力をつけて世界の工場とまで言われるようになった。インドやブラジルなども同じように外国資本技術を積極的に入れて高度成長が続いてきた。
先進国がこれ以上の市場の拡大が望めない以上は新興国の市場を開拓して行かなければグローバル企業の成長は望めない。自動車の市場もアメリカよりも中国の方が大きくなり日本企業もアメリカよりも新興国向けの輸出が割合を大きくしている。中国市場を輸出市場として伸ばすには人民元の切り上げがアメリカや日本やEUにとって必要だ。
しかし中国は今年になって輸出が低迷して元の切り上げどころではなく元の切り下げ論まで出てきている。それだけ中国の輸出競争力がついていない事を証明するものですが、中国がさらに経済成長を続けるにはさらに外国から技術導入が不可欠なのだろう。それだけ自立的な経済発展が取れていない。
中国が輸出依存経済から内需主導の経済になるには元の切り上げが必要だ。しかし都市部と農村部の格差が広がっており、政治的混乱の火種も大きくなってきた。高度成長が続いている時はうまくまとまっていてもバブルが崩壊してくると今までの不満が一気に爆発するだろう。いずれにしても日本経済はアメリカ離れが進み中国を相手にする割合が増えてくる。