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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu206.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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21世紀においては国債を大量に発行しても通貨安にならない国が
経済規模に合わせてマネーサプライを増やして行かなければならない。
2009年12月26日 土曜日
◆日銀、新たに10兆円規模の資金供給策 12月1日 朝日新聞
http://www.asahi.com/business/update/1201/TKY200912010365.html
日本銀行は1日午後、臨時の金融政策決定会合を開き、新しい資金供給手段による金融緩和の強化を決めた。10兆円を追加で供給する。急激な円高や株安を受け、政府の経済対策と歩調を合わせて景気を下支えするという。白川方明(まさあき)総裁は「広い意味で『量的緩和』と言っていい」と説明した。
◆日銀の10兆円の量的金融緩和は日本のデフレには有効か? 12月23日 藤井まり子
http://news.livedoor.com/article/detail/4518606/
(前略)
マネーが国境を越えて瞬時に動く21世紀に一国の量的金融緩和が意味するものとは?
あるいは、グリーンスパン・前アメリカFRB議長は、在任中に何をしたのか?
グリーンスパン前FRB議長は、本来、アメリカ国内の「物価と失業率」にだけ注意を払うべき「役目」しか背負っていなかったはずにも関わらず、確信犯的に、アメリカ国内のマネーサプライを増やし続けた「疑惑」が、大変強いのです。グリーンスパン前FRB議長は、一国の中央銀行の議長ならば、決して犯してはならないはずの「越権行為」を、1990年代半ばから犯し続けて、大成功した疑いが、大変濃い。その結果、グローバル規模で、10年以上もの資産(株式・不動産・資源コモディティー)インフレを巻き起こすことに、グリーンスパンは成功し過ぎてしまったのです。
グリーンスパンは、東西冷戦の終結後、一瞬にして国境を超えるようになったグローバル時代が始まるや否や、大量のマネーサプライを必要以上に増やすことで、グローバル規模での三つの資産クラス(株式・資源・不動産)を、Win?Winの関係に10年以上も保つことに、成功し過ぎてしまったのです。
この時期、日本を除けば、アメリカのみならず、中国・インド、ロシア、ブラジルでも、世界中で大金持ちが大量に出現しました。こういった現象が世界規模で如実に起きたのが、1995年から2006年夏までの世界経済だったのです。
グリーンスパン退任後、世界同時不況が起きたことは、周知のことです。グリーンスパンの後継者に、世界恐慌論の研究の第一人者であったバーナンキが指名されたことを、「偶然」「奇偶」と考えるには、あまりに無理があります。
21世紀こそは、資産インフレこそが、貨幣現象
各国中央銀行の量的金融緩和を、あるいは、12月1日の日銀の追加的量的金融緩和の発表も、手放しで喜んでいたのは、海外の投資家たちか海外の資産家たちでしょう。
日本政府が「デフレ宣言」をしても、なかなか動こうとしなかった白川日銀総裁が、「ドバイショック」をきっかけに、迅速に「10兆円の追加的なマネーサプライ供給」を宣言したことは、海外の投資家にとっては、「絶妙のタイミング」だったのでした。
マネーが一瞬にして国境を越えて行く21世紀では、日銀の10兆円のマネーサプライの追加は、ドバイ首長国連邦の関係者にとっても、ひとまずは、ほっと胸をなでおろせる「朗報」だったのです。なぜなら、実は、マネーが瞬時に国境を超える21世紀では、「インフレは貨幣現象(マネーサプライ現象)」ではなくなっているからです。21世紀では、「資産インフレこそは貨幣現象(マネーサプライ現象)」になっているからです。
まずは結論から
結論から言えば、マネーが一瞬にして国境を越えて行く21世紀の今では、一国のマネーサプライの増加は、その国の物価下落には、ほとんど「微弱」程度にしか、効果がありません。それよりも、巡り巡って、海外の資産インフレを引き起こすという「副作用」のほうが強いです。21世紀では、日銀の量的金融緩和は、実は、低所得者層あるいは若年失業者向けのデフレ対策としては、効果がはなはだ疑わしいのです。
特に、資源の少ない日本国内では、日銀の量的金融緩和は、副作用として、世界規模での資源コモディティー・バブルという「火」に、「油」を注ぐことにもなります。日本国内の若者を中心にした比較的低所得者層にとっては、今回の日銀の追加的量的金融緩和には、「資源コモディティーの値上がりによる生活必需品の価格上昇」といった「危険」が厳然と存在しているのです。
ですから、『デフレ対策、若年層の失業対策』と称して、日銀に量的金融緩和を期待している勝間和代女史、およびその大勢の支持者たちは、実は今の日銀に対して、かなり「ナンセンスな期待」「二律背反の期待」を強要していることになります。
グローバリズムがマネーの国境を消し去ってしまっている21世紀の日本では、若年層の失業率や勤労世帯の所得対策と称して、「まず、デフレを止めよう」と、日銀に量的金融緩和を期待することは、「かなり間違ったポピュリズム」であり、まったくの逆の効果(スタグフレーション)しか期待できない危険性が、かなり高いのです。
では、こういった「かなり間違ったポピュリズム」は、どこから沸いて(わいて)来るのでしょうか?
フィッシャーの「貨幣の中立命題」の亡霊が歩いている!
1911年にアービング・フィッシャーが開発した「貨幣の中立命題」というシンプルかつ旧型の数式が、既に「すっかり時代遅れの数式」になっているにも関わらず、未だに「フィッシャーの数式」が日本国内での一部の知識層の間で堅く信じられているのからなのです。これこそは、「間違ったポピュリズムの根源」です。
フィッシャーの「貨幣の中立命題」とは、「一国の経済(特に名目GDP)および物価(インフレおよびデフレ)は、その国のマネーサプライ(お金の供給量)によって、大きく影響を受ける」という内容のものでした。そして、確かに、このフィッシャーの「貨幣の中立命題」は、1980年代末までは、その国の貨幣現象を説明するには、大変有効だったのです。
古典的な「フィッシャーの中立命題」が、成り立たない時代
けれども、さまざまな実証研究では、マネーが国境を越えて自由に、しかも瞬時に世界中を動き始めた1995年からは、全く持って、この「フィッシャーの貨幣の中立命題」は成り立たなくなってしまっていることが、既に実証されています。しかも、いかなる先進国においても、成り立たなくなってしまっているのです。
これに関しては、テーラー・モデルなどの実証研究が有名です。「テラー・モデル」によれば、「1980年代までは、先進各国が、その国内で新規のマネーサプライの伸び率を1単位増やすと、その国では、国内物価上昇率が、およそ0.7単位ほど上昇し、フィッシャーの貨幣の中立命題はかなり効力を発揮していた。ところが、マネ―のグローバリゼーションが進んだ1995年以降からは、先進各国では、新規のマネーサプライの伸び率を1単位増やしても、その国の国内物価上昇率は、わずか0.13単位だけしか上昇しなくなった」とのこと。
今回の日銀の10兆円の追加的マネーサプライは、どれくらい一般物価のデフレを止められるの?
今の日本国内の「M2+CD」の合計は、日銀統計によると、2009年10月時点では、およそ782兆円。今回、白川日銀が「マネーサプライ10兆円を新規に供給」すると、「テラー・ルール」によれば、一般の物価上昇率への寄与分は、およそ「10/782(782分の10)×0.13」程度ということになります。
今回の日銀の10兆円の新規のマネーサプライは、日本国内の一般物価には、およそ0.17%程度の上昇「寄与分」しかないのです。10兆円で、たったの0.17%です!これでは、今現在の日本国内のデフレを止めるには、とてつもなく小さい金額です。この10兆円が、日本国内のデフレを止めるには、どれくらい少ないかと言えば、十分の一程度、少ないのです。
ですから、この10倍程度の「日銀あるいは財務省は、年間規模でおよそ100兆円をバラマケ」という学者の方々が、日本国内でも一部存在しています。(竹森俊平氏や高橋洋一氏などなど)。
私自身も、「構造改革は必要だけれど、今の日本で一体全体、誰が構造改革を進められるのか?今の日本国内では、かつての小泉政権の前半のような、改革を強力に進められるような政治家は、存在しないのではないか!?だったら、100兆円くらいのバラマキ(量的金融緩和)を実施して、今の日本でも、デフレをとりあえず止めたらどうか?経済学的には邪道(無茶苦茶)なのは十分承知だけど、一か八かで、確信犯的に、世界の今現在日進行中の資産インフレに「火に油」を注げばよいのではないか? マネーサプライをじゃぶじゃぶにしたら、円安も起きて、輸出型依存度の大きな企業も、とりあえず潤う。結果として、スタグフレーションが巻き起きそうになったなら、その時になってから、また考えればよいではないか?」と、時々思ってしまうのは、こういった理由からです。
なにはともあれ、1995年を境に、今や21世紀では、いかなる先進各国においても、「インフレは貨幣現象」ではなく、「資産インフレのほうこそが貨幣現象」となってしまっているのです。
(私のコメント)
日銀が12月1日に10兆円の資金供給して以来、1ドル=86円だった円が91円にまで戻しています。このように日銀の資金供給と円相場とは非常に深いつながりがあります。中国などは人民元とドルとをリンクさせていますが、中央銀行が人民元を刷ってそれでドルを買っているから外貨準備高は飛躍的に増えています。
日本が国債発行高800兆円になり大変だとマスコミが騒いでいますが、経済力が強い国ほど国債を発行させて資金供給していかないと、世界経済の発展に伴う通貨供給が追いつきません。国債を発行して中央銀行がそれを買えばそれだけ通貨は増える事になります。その発行残高が増えても円は安くなるどころか07年の120円台から80円きるまで高くなってしまった。
そのような構造を政府日銀で理解している人がどれだけいるのでしょうか? 国債発行残高が多いと言う事はそれだけ日本経済の力が強いという事であり、日本経済の力が弱まれば円が安くなり国債を買う人が少なくなり金利が上昇してきます。中央銀行が買い支えても円が安くなって輸入物価が上がるから低金利を保つ事は難しい。
このような資金供給できる国は日本とアメリカやEUぐらいで超低金利状態が続いています。中国も為替介入で資金供給しているようなものですが、人民元高を見込んだ投機資金が流入しているからだろう。ジンバブエのような国が同じような事をすればハイパーインフレになって経済が破綻します。経済が破綻しているからハイパーインフレになると言ったほうがいいでしょう。
北朝鮮も経済が破綻状態だからハイパーインフレで先日デノミを行ないました。だから為替相場を見ればその国の経済力がわかるのであり、日本は世界一の経済強国なのです。だから国債をジャンジャン発行して通貨供給をして行かなければ世界経済の発展が止まってしまいます。実際にはドル基軸通貨体制だから日本からアメリカに円が流れて、アメリカから世界に投資がされて世界経済が大発展をしてきました。
日本が40兆円ほどしか税収入が無いのに92兆円もの財政が組めるのも国債を発行しても円が安くならないほど経済力があるということです。実質的には国がそれだけ通貨を供給してる事になりインフレになってもおかしくないのでしょうが実際にはデフレが起きている。円が高くなっているから輸入物価が安くなりデフレになる。
政府のデフレ宣言で日銀も急遽10兆円を供給しましたが、ドバイショックはそれで収まった。これほどマネー流通がグローバル化したのはドル基軸通貨体制とウォール街の金融力のおかげでしょう。そして日本が世界に資金供給してきて世界的なバブル経済ができた。日本が短期金利を0,5%まで引き上げた結果がリーマンショックが起きました。だから日銀は慌てて0,1%まで下げて何とか落ち着きましたが、それほど日本の金融政策が世界に与える影響は強い。
経済が発展する為には、それに伴った資金供給が必要だ。しかしどの国でも出来る事ではなく資金供給が出来る国は日本やアメリカなどの経済大国に限られる。アメリカはリーマンショックでよたよた状態ですが、日本が金利を少しでも引き上げたらアメリカはショック死するだろう。このような世界の金融構造を分かりやすく解説してきたのは「株式日記」だけだろう。
日本の財務省やマスコミは国債残高を大変だと騒いでいますが、国債は借金ではなくそれだけマネーを供給しているという事だ。毎年30兆から40兆円も発行残高が増え続けているのだから大変なのはわかりますが、日本がそれだけマネーを供給しなければ世界の経済成長がストップしてしまう。
だから財務省が増税をして財政再建しようというのは国内経済だけを見ればそうなのですが、それだけ通貨供給してアメリカの金融機関やファンドに預けられて投資されている。日本から直接投資してもいいのでしょうがアメリカに預けた方が軍事力があるから焦げ付いた時に回収がしやすい。しかしドル安でそれだけ踏み倒されますが保険料なのだろう。
◆2006年4月、日銀はゼロ金利と量的緩和を停止します。それが、世界の金融連鎖の中で最大400兆円相当のマネーを抜くことにもつながった。 2009年1月6日 株式日記
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/3b3e9c000a72a01437613d9704488a1f
吉田繁治氏がメルマガで書いているように、日本の超金融緩和で日本からアメリカに毎年40兆円ものマネーが流れ込むようになった。その40兆円がアメリカに流れ込めば信用乗数で10倍の400兆円のマネーが流通するようになり、アメリカは空前の消費景気に沸いた。
◆金余り終焉を懸念 BRICsも急落、世界同時株安日本銀行が世界経済の動向を左右する時代が来ていた 2006年5月25日 株式日記
http://www.asyura2.com/0601/hasan46/msg/445.html
株式日記では日銀の金融緩和解除は少し早すぎるのではないかと書いてきましたが、日本経済だけを見れば日銀の決定は正しかったのかもしれませんが、インドやロシアやブラジルや中国の株価が暴落を始めてIMFやOECDといった世界機関が慌て始めている。日本銀行総裁の世界経済への視野が狭すぎるのではないかと思うのですが、いつの間にか日本の中央銀行の影響力がこんなにも大きくなってしまった。
◆(英紙)対外資産$3兆を抱えた日本は、まだまだ世界のトップ債権国だこの5年間、国際的な資産ブームの流動性の最大ソースは日銀だった 2008年1月8日株式日記
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/24dd8e029f99d482f141748a91289c22
日本銀行は2006年夏にゼロ金利を解除して0,25%ずつ二度にわたり短期金利を上げましたが、その度に世界同時株安が起きた。そして円キャリーの逆流が原因なのですが、アメリカでサブプライム問題が原因で金融に異変が起きてから円キャリーの規模が大きく縮小してしまったようだ。明らかに金融異変を警戒しているのだ。
◆ドルの孤独な下落は、世界経済の不安に直結する。すでに円は、日本人だけの円ではなく、世界の信用創造を担う通貨なのです。 2007年8月14日 株式日記
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/3193b63fbdc81444c5f5f4f9a081e74c
サブプライムが発火点となった信用不安は、世界の中央銀行が無制限の資金供給する事態にまで発展してきていますが、今月にも日銀の利上げが行われるかもしれないと言う観測が流れています。本来なら7月に利上げをすべきところを参院選のために翌月に延ばした。しかし本当に利上げをしたらどうなるのか、円キャリの逆流が巻き起こってまたしても世界同時株安を引き起こしかねない。
◆『アメリカ経済終わりの始まり』 松藤民輔(著) ゼロ金利解除が意味するもの 2006年現在、円は世界の基軸通貨になった 2007年3月9日 株式日記
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/780d2eb1bafbcf781de90a83864b8a8d
欧州中央銀行が金利を0,25%引き上げて3,75%にしましたが、ユーロが独歩高の中での利上げは日本銀行の常識では考えられない事ですが、欧州中央銀行の本当の狙いは何だろうか? 更なるアメリカからの資金流出を加速させているのだろう。
日本も二度にわたる金利の引き上げで徐々にアメリカから資金を引き揚げさせようとしているように見える。日銀と欧州中央銀行が共同歩調で金利を引き上げればアメリカも金利を引き上げる環境が出来ましたが、実はアメリカは「松藤民輔の部屋」で指摘されているように、サブプライムローンが破綻の危機にある。