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http://www.j-cast.com/2009/12/24056873.html
政権交代後はじめての予算編成が大詰めを迎えているが、今回ほど国債発行額が話題になったのは、小泉政権時代の「30兆円以下」以来だろう。自公政権での概算要求(2009年8月末)はシーリング(要求上限)があったので88兆円だったが、民主党政権の概算要求(10月15日)はシーリングがなかったので95兆円。話題を集めた事業仕分けではこの要求増加に対処できず、早くから国債発行額44兆円以内という方向が出されて、それによって歳出総額を抑制するつもりだった。
当時から税収37兆円程度、埋蔵金等税外収入10兆円程度、それに国債44兆円で、歳出総額は92兆円程度という目算だったが、ほぼその通りになっている。
ポジショントークに注意
この国債44兆円は、09年度の当初予算と補正予算の合計国債発行額であるが、今議論になっているのは10年度の当初予算だけであるので、民主党政権では国債発行額が大きくなるという連想が働いてしまう。そこで、市場関係者の間では国債発行増加により長期金利の上昇懸念が多い。
そこで、「国債消化難になって金利上昇」のシナリオと「国債消化はまだ可能で金利上昇はない」シナリオの2通りが出てきて、方向感がなくなっている。
ここでまず注意すべきは、市場関係者のシナリオはポジショントーク(その人がもつ債券ポジションに有利にする話)が多いということだ。筆者はかつて旧大蔵省国債課に勤務したことがある。発行当局であるので、金融機関のもつ債券ポジション(これは企業秘密)について特別な情報に接していたが、なぜか市場関係者の話はその債券ポジションと大いに関係していたことを覚えている。業者であるから当然と言えば当然であるが、その当時は政府の財務諸表が不十分な状態であったので、人によってはかなり手前味噌のことをまことしやかに話していた。その教訓もあり、今から15年ほど前、筆者は日本初の政府B/S(貸借対照表)を作成した。その後改良され10年ほど前から政府B/Sは公表され続けているので、今では信頼できるといえる。それを踏まえて、金利上昇シナリオと金利上昇なしシナリオを見比べておこう。
金利上昇の根拠は大量の国債発行だ。単純なものとして、来10年度国債発行44兆円は歳出総額92兆円のほぼ半分、国債依存度5割であるので、家計でみれば借金5割で破産状態という。国を家計にたとえるのは、家計が貯蓄主体(黒字主体)であるからミスリーディングだ。それに、例えば、日本の歳出のうちには国債整理基金への繰入が10兆円ほどある。これは来年の借金の返済のために今年の借金をさらに増やすことであり、海外ではこうした制度はない。このため、国際比較の観点でいえば、来年度の国債発行は実質34兆円、歳出総額は実質82兆円である。この国債依存度でも大きいともいえるが、こうしたフローの国債発行額の数字はかなり恣意的なものであることがわかるだろう。
資産を計算に入れると…
それでも、金利上昇論者は、ストックの国債残高が800兆円にもなり、これはGDPの160%で世界でダントツに悪いという。
これは、政府を企業にたとえてみれば(たとえとしては家計よりまとも)、債務残高の売上高比率や利益比率のようなものだろう。これは確かに一理ある。ただし、企業ならば、グロスの債務残高ではなく、資産を差し引いたネットの債務残高に着目するだろう。07年度の政府B/Sを見ると、国債等798兆円を含む負債総額は978兆円、資産総額は695兆円。資産負債差額は▲283兆円で債務超過。金利上昇論者はこれを民間業者なら倒産という。
ところが、世界でみれば政府は債務超過で当たり前。また、ネット債務残高はGDPの60%以下であり、世界の中で低いとはいえないが、それでも突出して高いわけでもない。GDP比160%との違う世界に見えるのは、日本は世界でも有数の資産を政府が持っていることを意味する。資産のほうをみれば、現預金32兆円、有価証券105兆円、貸付金190兆円、出資金58兆円などが目につく。大雑把にいえば、借金800兆円のうち、これらの金融資産が400兆円になっている。しかも、その大半は役人の天下り先である独立行政法人などのものだ。要するに、そうした組織がなくなれば、800兆円のうち半分くらいはチャラにできる。こうした借金まで国民は返済することはないから、国民の負担とは考えない。このため、国債はグロスでなくネットで考えるべきだということになる。
とはいうものの、筆者は単純に金利上昇なし論者ではない。日銀がデフレ解消に熱心でないのは、前回述べた。ということは、日銀のさじ加減で金利上昇はありえるからだ。確実なのは、日銀が本気でデフレ脱却しようとすれば金融緩和のはずで、そうなればデフレ脱却までは金利上昇はないということだ。
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++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。著書に「さらば財務省!」、「日本は財政危機ではない!」、「恐慌は日本の大チャンス」(いずれも講談社)など。
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コメント
日本国内のマスコミ報道でクリントン長官から駐米大使が呼び出しされたとの報道がありましたが、政治評論家の青山氏もその件にて辛口なコメントをしていましたが、今の米民主党の動きからみればおかしな報道だなとも感じていました。
普天間基地問題に関しては、米国からの要望もあるのかもしれませんが、大きな問題は国内の問題であり、ポッポ内閣の楽観的見方も影響があるのかもしれませんが、民主党政権に対しては余程官僚機構が毛嫌いしているという状況かもしれません。
ただ、民主党政権の支持が下落したとしても、それなら自民党というほご国民は甘くないとも感じます。
舛添元厚生労働大臣が、自民党という名前に多くの国民が毛嫌いしていると思われていると語っていましたが、本当の理由は、いまだに規制勢力支持を当てにしているからだと感じていますが。
政権交代を本当にしたいならば、今までの既得支持層をあきらめ、無党派層の支持を得ることを考えた方がいいのではないかとも感じます。そのためには、無党派の陳情を聞くことかもしれません。
もはや、非正社員労働者、中小企業経営者およびその労働者の一票がものすごい権力になりつつあるということです。
ポッポ民主党政権は、基本的には、松下トヨタ政権といってよく、今後日本市場を見捨てようとしている企業労働者政権ということです。
見捨てようとしている企業が、政府の景気対策で恩恵を受け、日本市場を見捨てなく内需拡大に期待している企業が、見捨てられているというのが現実です。
パナソニックなどは、完全に日本市場から目をそらしはじめていますが、トヨタなどは、やはりオーナーがいるために、その切り替えが難しいのかもしれません。
しかし、トヨタも完全に国内市場を見捨てる方向に向かわざる負えなくなるような気がします。
亀井大臣がしきりに予算95兆円にこだわっていますが、正直それでも来年からの険しい状況に耐えられるかと感じていますが、やはり緊縮財政の今の雰囲気を変えようとするマインド変化をねらっているのかもしえません。
財務省などの緊縮財政の態度はしかたがないとしても、政治家がそれに同調するようでは、政治主導からはずれています。
正直反小沢勢力と言われる議員は、鳩山不況に持ち込もうとしているようにも見え、人事刷新しないといけない時期に来ているのかなとも感じます。
タカジンの大阪のテレビで保守とはというテーマの番組をしていましたが、あまり政治思想に興味がないので間違っていたならば失礼にあたりますが、私の考えとしては、保守とは、今の天皇制、つまり皇室の象徴と権威を何としても守ることであり、リベラルとは、自分の権利、自由を得るために戦うという考えかなとも感じています。
よって自民党にしても民主党にしても保守であり、真のリベラルとは違うとも感じています。また、中国の高官との面談にしても官僚の反抗にあいましたが、もしこの面談がなされなかった影響というのは、果たして日本にとってプラスの方向にいったとも思えません。
いまや、食品から製造業までほとんどが中国経済依存になっており、中国を批判してばかりでいいのかとも感じます。
東京株式市場は、なかなかいい動きをしており、年末までこの状況が続き、来年にむけての明るい材料をポッポ政権はだしてもらいたいものです。
官僚にしても、景気が民主導でよくなると、必要と思われないという意識があるのか、景気回復にしても何故か消極的です。日本市場を見捨てようとする大手企業には、真剣なのですが。しかし、本当に民主党議員は官僚に嫌われているようです。
官僚に嫌われうならば、好かれようとせず反対に好かれる層を増やせばいいのですが。