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日銀：新型オペを初めて実施、ターム物の一段低下を促す(Update2) 12月10日
（ブルームバーグ）：
日本銀行は10日午後、１日の臨時の金融政策決定会合で導入を決めた新型の資金供給オペを初めて実施した。３カ月物の資金を政策金利0.1％で供給するのが特徴で、ターム（期日）物金利の一段の低下を促す方針。今後３カ月程度かけて10兆円までオペの残高を積み上げる見通しだ。関係者からは、この日の市場への影響について限定的との指摘が聞かれた。
日銀は午後１時、全店分の共通担保資金供給オペ（固定金利方式）8000億円を通知。期間は資金不足日にあたる14日から2010年３月９日まで。貸付利率は0.1％。金融機関１社あたりの応札上限額は2000億円で、比例案分される。日銀は毎週8000億円のペースで実施する方針を明らかにしている。
セントラル短資の金武審祐執行役員は、「資金供給オペ全体に占める固定金利オペの割合が増えていけば、１年物ぐらいまでの金利低下を促す。日銀の共通担保100兆円の多くが国債で、人気の高いオペになるだろう。企業金融支援特別オペが終了する３月以降は10兆円を上回って実施することになるだろう」との見方を示した。
日銀の白川方明総裁は１日の会見で、新型オペについて、「量が制約となって金融機関行動が制約されない状況をしっかりと作り出すという意味で、広い意味での量的緩和だ」と述べ、需要に応じて10兆円を上回る資金を供給する考えも示している。
円高やデフレ懸念がくすぶるなか、国債の買い入れ増額やゼロ金利政策の復活を予想していた金融市場では、新型オペは「期待外れ」との評価もあった。しかし、日銀による資金供給拡大の期待もあってその後は短期金利が急低下し、円高・株安は一服している。
新型オペの効果
新型オペは、国債、社債、コマーシャルペーパー（ＣＰ）など、日銀が受け入れているすべての適格担保が使える。従来の金利競争入札で行われる共通担保オペに内容は近い。また、来年３月末まで実施される信用危機対策の企業金融支援特別オペも３カ月物の資金を0.1％で供給するが、担保が民間企業債務に限られる一方、担保の範囲内で無制限に資金を借り入れられる点が異なる。
新型オペが短期金融市場に与える効果については、同オペの実施残高も含めた全体の資金供給量を示す当座預金残高の増加ペースに左右されそうだ。３年半前の量的緩和時に匹敵する資金が供給されれば、短期金利全体が0.1％付近に収れんされてくるとの見方もある。
もっとも、４日に実施された全店共通担保オペ（８日−2010年３月４日）では、すでに最低落札金利が0.11％、平均落札金利は0.111％まで低下しており、0.1％の新型オペが与える金利効果は限定的との指摘もある。応札する金融機関が増えれば、比例案分によって各社が借り入れられる金額も少なくなる。
応札６兆円超、案分12％
午後２時15分に発表された新型オペの結果は、8000億円の通知に対して６兆5680億円の応札が集まり、8023億円が落札された。応札倍率は8.19倍。案分比率は12.2％だった。上限2000億円で応札した場合244億円が調達できたことになる。
東短リサーチの寺田寿明研究員は、「案分比率は予想をやや上回ったが、この調子で３カ月間、応札し続けても2000億−3000億円を調達できるかどうか。それほどインパクトの大きいオペではなかった」という。
その上で、寺田氏は、「新型オペが実行される14日以降、当座預金残高がどのくらい増えてくるかが効果を見極めるポイントだ」として、日銀の資金供給量全体を見極めていく姿勢を示した。今回のオペ実施に対して、短期金融市場の反応は限定的だった。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920000&sid=atx2bcIPfj9g
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