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人民銀行は中国の輸出を守るため、人民元の安定を維持している。中国の輸出が全面的に回復しない限り大きく変動することはない
http://www.asyura2.com/09/hasan66/msg/370.html
投稿者 TORA 日時 2009 年 12 月 05 日 17:04:52: GZSz.C7aK2zXo
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu205.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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人民銀行は中国の輸出を守るため、人民元の安定を維持している。
中国の輸出が全面的に回復しない限り大きく変動することはないだろう。

2009年12月5日 土曜日

◆人民元が下落、人民日報によるドル安批判論説で 12月4日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-12778920091204

[上海 4日 ロイター] 4日の上海外為市場で、人民日報がドル安を批判する論説文を批判したことで、人民元が下落している。中国人民銀行はこの日の人民元基準値を、前日とほぼ同水準に据え置いた。

 中国の共産党機関紙である人民日報は4日、米ドルの下落は他国の景気回復を損なうと指摘、「他国が自国通貨の一方的な上昇を容認すれば、すでに深刻な打撃を受けている輸出がさらに落ち込むことになる」と批判した。

 さらに「各国が(対ドルでの)為替相場の安定を維持しようとすれば、中央銀行は市場でさらにドルを買わざるを得なくなる。その結果、国内の流動性が押し上げられ、資産インフレを招くリスクが高まる」と指摘した。

 それを受け、人民元のスポット相場は1米ドル=6.8276元と、前日終値の6.8270元から若干下落している。

 あるディーラーは「人民銀行は中国の輸出を守るため、人民元の安定を維持している。そのため、中国の輸出が全面的に回復しない限り、人民元相場が大きく変動することはなさそうだ」との見方を示した。

◆人民元を切り上げても米国を救うことにはならない。 11月19日 Forbes
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20091202/198715/

今週、バラク・オバマ米大統領と国際通貨基金(IMF)のドミニク・ストロス・カーン専務理事が中国をそれぞれ訪れ、両者ともに人民幣(主要単位は「元」)の切り上げを強く求めた(執筆当時)。ここ数年で人民元の対ドル相場は20%上昇した。オバマ大統領とカーン専務理事の主張は、ノーベル経済学賞受賞者でニューヨークタイムズ紙のコラムニストであるポール・クルーグマン教授の意見と一致する。クルーグマン教授は11月15日に、中国は自国通貨を大幅に過小評価しているとするコラムを書いた。教授によれば、米国の貿易赤字を削減し世界的な景気回復を促すには、中国が人民元を切り上げる必要があるという。

 だが、近い将来に人民元を切り上げることが果たして賢明だろうか。答えはノーだ。今すぐに人民元を切り上げれば、世界の景気回復の芽を摘み取ってしまうかもしれない。中国を相手にビジネスを行う米国企業にとっては、世界経済の回復がより安定的なものとなるまで、現在の人民元相場が維持されるのが望ましい。

クルーグマン教授の主張が間違いであり、オバマ大統領が彼を無視すべき理由を以下に3つ挙げよう。

 第一の理由。ホリデーシーズンを間近に控え、Wal-MartやTargetなど米国の小売企業には、高価格商品を棚に並べるような余裕はまったくない。Costcoは現在、Coca-Cola製品の販売を中止しているが、その理由はCoca-Colaの要求する販売価格が高すぎるというものだ。値上げで消費者がソフトドリンクの購入さえためらうのだとしたら、iPhoneやDellのコンピュータやMattelの玩具(すべて中国製だ)が値上げされたらどうなるか。

 Wal-Martをひとつの国に見立てた場合、中国にとってWal-Mart は8番目の貿易相手国になると見るアナリストもいる。Wal-Martで販売される商品の約70%に中国製の部品が含まれているのだ。人民元が切り上げられれば、米国人消費者の購買力は何十億ドル単位で失われることになろう。そうそうお祭り気分でホリデーシーズンを過ごせなくなるかもしれない。

 それでなくとも失業率が10.2%に達する現在、米国人消費者はかつてないほどに支出を切り詰め、いま高価な商品を買うべきとはまったく思っていない。商品の価格が上がれば、消費支出回復の兆しも消えることになるだろう。

 第二の理由。今年7‐9月期の中国の国内総生産(GDP)成長率は8.9%に達したが、米国消費者の買い控えが続けば、中国経済が現在のような強さを維持できるという保証はない。以前私が「Three Myths About Business in China」で書いたように、中国はもはや輸出主導型経済ではないが、それでも輸出は中国経済全体の20%という大きな割合を占める。広東省のような輸出業の中心地では、すでに1万の工場が閉鎖された。現在も生き残っている工場は、多くの場合2〜3%という極めて薄い利幅でなんとか存続している。人民元のわずかな増価によっても、さらに数千の工場が閉鎖に追い込まれ、新たに数百万人の失業者が生まれる可能性がある。これは中国にとってもほかのどの国にとっても望ましいことではない。

 クルーグマン教授によると、人民元の切り上げが行われれば、中国人が購入する米国の輸出品は増加することになるという。だが米国の輸出品とはなんだろうか。いまやすべてのものが中国で製造されているのだ。米国が製造業の雇用を国内から中国に移してからもう相当の年数が経つ。人民元が切り上げられたとしても、生産拠点は労働力コストの安いベトナムなどの国に移るだけで、米国に戻ってくるわけではない。

 米国経済に構造的変革が起こらない限り、人民元の上昇が大幅な対米貿易黒字の縮小につながることはない。

 第三の理由。世界の通貨に関する最も大きな問題は、弱い人民元ではなく弱いドルにある。オバマ大統領が注力すべき問題はこれだ。これまでドルは安定した通貨と見なされてきたため、外国政府は大量のドルを保有している。中国と日本だけで保有高は3兆ドル以上に及ぶ。だがドル相場が急落するにつれ、ポートフォリオがこれ以上傷つくのを恐れる多くの国はできる限り迅速に、しかしできる限り慎重にドルを手放しつつある。あまり性急に動いてはドルの下落に拍車をかけてしまうことを承知しているからだ。

 各国が外貨保有の内訳をユーロ、豪ドル、ブラジル・レアル、日本円にシフトしつつあるため、ドル相場の下落が止まらない。一般投資家でさえこの流れに便乗しようとしている。こうした他通貨への逃避は、ドル相場が上昇基調に戻るか、あるいは少なくとも安定するまでは止まらないだろう。これは各国が米国債の購入を控える、すなわち米国経済の回復に資金を提供しないことを意味し、危険な状態と言える。

 弱いドルは米国の輸出拡大にはつながらない。米国人にとってモノの値段が上がるだけだ。外国企業は中国以外の国で生産することになるだろう。ベトナムなど労働コストの低い市場で生産すれば、中国よりもさらに安く上げることができるからだ。

 したがって中国に人民元の切り上げを求める暇があるのなら、オバマ大統領もクルーグマン教授も、米国の債務返済を進めて圧縮し、ドル相場を上昇させる方法を考えるべきだ。米国の将来にとって重要なのは、強い人民元ではなく、強いドルなのである。

(私のコメント)
1ドルが90円台に戻りましたが、90年代の時のように一方的なドル安にはアメリカもなかなか出来ない事情があるようだ。おそらく中国からの抗議などでドル安は仕掛けられない。日本と中国とで3兆ドルの外貨保有高がありますが、中国は日本のようには泣き寝入りしない。中国は大量のドル保有をアメリカに対する武器に使っているからだ。

中国は2兆ドル以上のドル資産を持っていますが、ドル安は多額の為替損をもたらす。だからドルに連動するように大量のドルを買って人民元を売っている。90年代の日本はアメリカのルービン財務長官に泣きついてドル安政策を止めてもらいましたが、中国は景気回復を損なうとアメリカを脅してドル安政策にに警告している。

現在の日本と中国とはドルに対しては共通の利害を共有している状態であり、アメリカ政府にしても一方的なドル安政策はとれない。しかしドルを高くするには金利を上げたり借金を返して財政の健全化に務めなければなりませんが、今はとてもそのような事は出来ない。超低金利と財政出動で景気を支えなければならないからだ。

中国も輸出主導経済を内需主導経済に切り替える必要がありますが、内需主導経済にするには人民元の切り上げが必要だ。しかし一気に切り替えれば輸出産業が大打撃を受ける。アメリカに輸出する為に作られたものは国内に転用が出来ないからだ。中国は20%の人民元の切り上げを実施した結果、輸出産業が大打撃を受けて1万社もの企業が倒産している。

日本の円高はドル安と裏腹の関係ですが、1ドル=360円から90円に至るまで400%もの円高になりましたが、自動車や家電産業など輸出競争力はダメージはあるものの競争力は失っていない。中国はたった20%の人民元の切り上げで輸出競争力が無くなり、ベトナムなどへの工場移転が相次ぐようになった。その違いは技術力の差であり中国は独自の付加価値の創造に失敗している。

中国は大規模な公共事業を通じて景気回復を行なっていますが、道路などの公共事業は建設業者しか利益をもたらさない。景気が良ければ不動産開発ブームで広範囲に影響が出ますが、不動産ブームも人為的に作られたものであちこちでバブルの崩壊が始まっている。

ドバイショックに見られるように、新興国バブルもドミノのように広がり始めている。90年代に始まった東欧や中国などの旧共産圏国家の市場参入は世界的な投資ブームで投資が集まった。西側からの資本や技術の流入で工場が出来て豊かになった労働者たちはマンションなどを買い始めた。しかし十数年経ってみるとあちこちに過剰投資の歪みが出てきて、リーマンショックで西側の資金も逆流が始まった。

欧米の金融機関も新興国への過剰な投資が焦げ付き始めてきた。ドバイショックは東欧諸国からギリシャやアイルランドにまで広がりつつある。やがては中国が新興国バブル崩壊のフィナーレを飾る事になるだろう。新興国のバブル崩壊で欧米の銀行は巨額の不良債権を抱える事になりますが、金融不安の火種は消しても消しても燻って長引くだろう。

アメリカと中国の密接な経済関係はフォーブスの記事に書かれている通りであり、ウォルマートに並べられている商品の多くが中国製品であり、それがアメリカが中国の人民元の安さを容認する原因ですが、人民元が高くなったらウォルマートの商品が値上がりをしてしまう。ウォルマートは、そうなればベトナムなどに工場を移転させるだろう。多少のドル安でも海外に移転した工場がアメリカに戻るわけではない。

アメリカは金融立国を経済戦略としてきた。しかしそれは正しかったのだろうか? アメリカでは優秀な人材ほど金融の世界に入って働く事が成功者としての道だった。ファンドのマネージャーともなれば年収が数億円も稼いで、豪華なコンドミニアムでリッチな生活が出来た。カネを右から左に回すだけで手数料でそれだけ稼げるのだから、製造業などバカバカしくてやっていられないだろう。

物作りなど中国にやらせて我々アメリカ人は金融で稼げばアメリカの繁栄は永久的に続くと考えたのだろう。コンピューターを駆使して金融工学で作られたプログラムで確実な投資が出来ると考えた。しかしそれが神話である事はLTCMの破綻でアメリカ人は気がつくべきだったのですが、リーマンショックまで暴走してしまった。

金融立国戦略は破綻したのであり、アメリカにはもはや物作りの産業はGMやクライスラーの破綻に見るように主だったものは無くなってしまった。金融業はいったん信用を失ってしまうと信用を取り戻す事は長い時間がかかる。いろいろな規制もかけられるようになり、以前のような巨額な報酬を貰うファンドマネージャーは伝説になるだろう。

日本としてはアメリカという巨大市場がダメになれば、新たな市場を見つけなければなりませんが、新興国もバブル崩壊で投資された資本はブラックホールのように吸い込んでしまうだろう。金融では無から有は作る事が出来ない。儲かる時は確かに儲かるが、株式投資でも100戦して99勝でも1敗が命取りになってしまう。だから私はアメリカがバブル崩壊で大きく転ぶのを予測することが出来た。

中国が人民元を切り上げられない事は中国の弱さを象徴しているものであり、中国自ら国際金融資本家たちに利用されて、儲からなくなればポイと棄てられるだろう。気がついたら日本やドイツのような物作り大国が、アメリカや中国のような国を気がつかないように植民地支配しているようになるだろう。金融で10%以上の利益を上げ続けることは不可能だが、物作りは1トン1万円の鉄を自動車に作り変えて200万円で売ることが出来る。原価が1000円もしないようなゲームマシンが2万円で売ることが出来る。


 

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コメント
 
中国人たちは中国の経済的発展そのものがバブルだったと気付くことが出来ないだろう。 中国政府の発表する経済指数、とくに粗鋼生産量の数値の水増しがきょだいで、実体とかけ離れたことを公表することなど出来る話ではあるまい。 アメリカの金融市場原理主義とグローバリズムは破綻しているし、昔の製造業中心の経済に戻すことも不可能である。 最後の一手は戦争だろうが、大規模な戦争は起こそうにも相手になってくれる国が存在しない。 核兵器も原子力潜水艦も空母機動部隊も海兵隊も、経済的にはまったく意味がなくなっている。 チャイナ・バブルが崩壊すれば、世界中が大不況に突入する他はない。 国連に代わる組織を造らなければならないとしても、誰が、どのようにして、どんな具合につくるのか。 誰も答えは持っていないのではないだろうか。 N.T
2009/12/05 17:54

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