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米国経済が立ち直るまで続く新興国の苦労(KlugView)
2009/12/03 (木) 19:22
各種報道によると、香港金融管理局は、12月3日午後、38億7500万香港ドル規模の香港ドル売り・米ドル買いの為替介入を実施しました。11月にも9日、10日、16日、17日と相次いで香港ドル売りの介入を実施するなど、香港金融管理局は、1米ドル=7.80香港ドルのペッグ制を維持しようと頑張っています。
香港に限らず、新興国は、米ドル安の進展にいろいろと苦労をしています。たとえばブラジルは、10月に、海外からの株式・債券への投資資金を対象に2%の金融取引税を導入し、11月には、国内企業が発行した米国預託証書(ADR)の取引に1.5%の課税を決めています。ブラジルでは、米ドル安の進展を見越した投機資金が大量に流入しており、結果としてレアル高が進展しています。ブラジル当局としては、課税措置を導入することで、自国通貨高を促す資本流入を食い止めたいのでしょう。
ただ、新興国にとっては気の毒な話ですが、彼らがドル安に対抗すべく、為替介入や資本規制をしたとしても、結果として米ドル安(自国通貨高)を完全に食い止めることは難しいでしょう。米ドル安は、新興国によるものではなく、あくまで米国経済に起因するためです。いくら新興国が努力しても、米国経済に大きな変化がなければ、彼らが望む結果を得る可能性は低くなります。
米国では、いよいよクリスマス・年末商戦を迎えていますが、結果はそれなりに好調のようです。米調査会社のコムスコアによると、米国の年末商戦におけるインターネット通販の集中日の1つとされる「サイバーマンデー(今年は11月30日)」のネット通販売上高(除く旅行)は、8億8700万ドルと、1日のネット通販売上高としては過去最高だった昨年12月9日と同水準を記録しました。
しかし、売上高を顧客数と一人あたり売上高に分解すると、ネット通販顧客数は前年比6%増となる一方、1人あたりの売上高は同比1%減となっています。あくまで推測でしかありませんが、米国で低価格志向が強まった結果、同商品でも単価が低いネット通販に消費者が移動したため、数量効果でネット通販の売上高が押し上げられたと思われす。つまり、ネット通販に客を奪われた伝統的な小売業者は、代わりに売上高を落とし、クリスマス・年末の個人消費全体は、期待しているよりも伸び悩む可能性があります。
個人消費がGDPの7割超を占める以上、個人消費全体で盛り上がりに欠ければ、米国の経済成長率も伸び悩むことになります。成長率の回復が見込みにくい以上、FRBが出口戦略を実施する時期も後ずれすることになれば、運用利回りも低水準での推移を強いられ、米ドルを買い進む理由が見出せなくなります。米国経済がもたついている間、香港やブラジルだけでなく、他新興国でも米ドル安に起因したいろいろな苦労を強いられることになるのでしょう。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
サイバーマンデーって何?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
米国の年末商戦におけるインターネット通販の集中日の1つ
http://www.gci-klug.jp/klugview/2009/12/03/007573.php