★阿修羅♪ > 国家破産66 > 338.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
国際金融界が現在、懸念の目で見ている国は、アイルランド、ギリシャ、バルト3国、ウクライナ、ルーマニア、ブルガリアである。
http://www.asyura2.com/09/hasan66/msg/338.html
投稿者 TORA 日時 2009 年 12 月 03 日 15:29:12: GZSz.C7aK2zXo
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu205.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
--------------------------------------------------------------------------------
国際金融界が現在、懸念の目で見ている国は、アイルランド、ギリシャ、
バルト3国、ウクライナ、パキスタン、ルーマニア、ブルガリアである。

2009年12月3日 木曜日

◆金を砂漠にばら撒いていた国際金融界 11月30日 徳川家広
http://d.hatena.ne.jp/tokugawaiehiro/20091130/1259547103

週末の間、海外の論調はドバイ危機に関する暗鬱な想像を強めていったようだ。だが、実はドバイの隣国アブ・ダビは、世界の原油埋蔵量の1割を抱え、その国富ファンドの資産総額も9000億ドルと、ドバイ・ワールドの負債総額の実に15倍にものぼる超巨額である。しかも、ドバイとアブ・ダビは、首長が近い親戚なのである。最後には救済に駆けつけることだろう。まあ、そのタイミングは問題なのだろうが。

ドバイ・ショックの副作用として重要なのが、かつて魅力的だった新興国投資案件の多くが、見直されつつあるということだろうか。国際金融界が現在、懸念の目で見ている国々として名前が挙がっているのは、アイルランド、ギリシャ、バルト3国、ウクライナ、パキスタン、ルーマニア、ブルガリアといったところである。このうち、アイルランドとギリシャは、先進国に分類されているが、EUに長年加盟していたおかげで、お情けで先進国扱いされていただけというのが実情だから、これら二国も新興国危機の一部ということになるのだろう。

ところで、いざドバイの融資返済が滞りはじめたおかげで、リーマン・ショックにいたる世界同時バブル時代の国際金融界の向う見ずさ下限が、あらためて強調される結果となった。ドバイは原則的に金利つきの金銭貸借を認めないイスラム教の国なので、たとえば借金返済のために資産を売却する(Debt-Equity Swap)がスムーズに行かない、などという事が起きかねないことが、今になって問題になっているのだ。

また、債権の優先順位では、サウジでもクウェートでも、自国民優先主義がとられているようで、ドバイも状況は似たり寄ったりだろうから、外国銀行がいざとなるとババをつかまされる可能性も高い。このへん、本当なら金を貸す時に調べておくべきだと思うのだが、欧米銀行の皆さん、ドバイがどこまでも伸びるという、典型的なバブル・シナリオに乗っかって、ほいほいと貸し込んでいたのだろう。

こおかでバブル時代の無茶のせいで苦しくなった金融機関のために、アメリカやヨーロッパの政府がドバイに圧力をかけられるかというと、アメリカは借金漬け、ヨーロッパは迫力不足で、ちと心もとない。だいたい、ドバイの今日の危機の一因は、目の前の巨大市場イランが、経済制裁で国際経済とのつながりを断ち切られていることにあるのだ。その制裁を発動しているアメリカとEUが圧力をかけても、ドバイ側の目には大義を欠いているようにしか見えないのではないだろうか。

いや、イランという市場を封鎖して借金返済を困難にし、ドバイを追い詰めようとする欧米は、まさにキリストが蹴散らし、マホメットが非難する高利貸しの行動様式そのままではないか。これは、感情的にもつれる可能性も、なきにもしもあらず、である。

それから、今さらこんなことを書くのは後知恵めいていて嫌なのだが、そもそもドバイが国際金融センターになるというビジョンが、私にとってはわかりにくかった。スイスは独、仏、伊に取り囲まれていて、それら諸国の金持ちたちが自国の動乱を恐れて資金を預けておく場所として発達した。ロンドンが国際金融センターであり続けているのは、植民地帝国時代から培ってきた巨大な発展途上国人脈のおかげである。シンガポールの場合はインドネシアという治安の悪い国で暮らす華僑などの金持ちたちの貯金箱だし、香港には(少なくともかつては)中国という巨大な後背地が控えていたのである。

つまり、金融センターは、貯蓄/資本過剰な地域と貯蓄/資本不足の地域を結びつけることで成り立つべきものなのだが(スイスの場合は、周辺諸国における政治的安定という、一種の資本がそれぞれ異なったリズムで増減を繰り返していた時代があったと考えるとわかりやすい)、ドバイの場合、その肝心の点に問題があったように思えてならない。

ドバイは伝統的に、インドの密貿易商にとっての、中東への窓口だったから、まあ歴史的な連想から成り立たなくはないのだろうが、現在のインドはイスラム勢力を猜疑心のこもった目で見ており、外国の資金を得るには、むしろシンガポールか、イスラエルとの仲の良さを利用して国際ユダヤ・マネーに頼りたいところだろう。

いっぽう、ドバイにとって巨大市場であり、貯蓄してくれる裏金の供給源としてのイランは、国際経済から切断されているということは、すでに述べた。そうなると、ドバイは行き場のないオイルマネーが滞留するだけの場所ということになってしまう。金融センターになろうにも、貸し付ける先がないのだ。バブルになるのも当然なのである。(後略)


◆ドバイからアメリカへ? 12月1日 徳川家広
http://d.hatena.ne.jp/tokugawaiehiro/20091201/1259630077

(前略)とはいえ、ちっぽけなドバイでこれだけの危機となると、海外への波及も相当なものである。欧州銀行が向う見ずにドバイ・ワールドに貸し付けた巨額資金は、けっきょくドバイ国内のあほな建設プロジェクトだけでは吸収できなかったようで、アメリカに相当な額が流れていたようである。

2007年に、ドバイ・ワールドはニューヨークのマンダリン・オリエンタルを3.8億ドルを出して購入。

2008年、リーマン・ショック前夜、フレディ・マックとファニー・マエの経営危機が顕在化した後になって、フォンテンブロー・マイアミ・ビーチ・ホテルの所有権50%を、3.7億ドルで買収。ちなみに、マイアミのフォンテンブロー・ホテルというのは、1960年頃にサム・ジアンカーナとサント・トラフィカンテの二人のマフィアの巨頭が、CIA主導のカストロ暗殺計画の本部にしたこともあるという「名門」だ。

ドバイ・ワールドは、このほかにもアメリカ西部時間の今日開業予定の、ラス・ベガスの「シティ・センター・カジノ・リゾート」のオーナーでもあるが、開業にこぎつけるまでに投じた資金は、全部で54億ドルになるという。

高級ホテルにカジノ・リゾートと、まるきりかつての日本のバブル紳士と同じというのが微笑ましい。けっきょく、巨額資金を安全に投入できそうで、流動性も高い物件となると、アメリカの商業不動産ということになるのだろう。だが、そのアメリカ商業不動産こそが「次なるサブプライム」と噂される不良資産の大海なのだ。アメリカ各地で零細銀行がばたばた潰れていく大きな理由が、商業不動産の不振なのである。ドバイの危機がアメリカの高級商業不動産物件の投げ売りに繋がれば、本当に「第二のサブプライム危機」になってしまうだろう。ところがオバマ政権は、住宅ローンの融資条件を緩和しようと住宅ローン業者に圧力をかけるという、すでに起きてしまった危機の後始末で手いっぱいである。ドバイから商業不動産経由アメリカへ。この危機の波及経路は、まだ世間の耳目をあまり集めていないだけに、危険千万だと言えよう。


(私のコメント)
世界的なマネーのだぶつきが新興国への投資ブームの火付け役になりましたが、欧米の金融機関が90年代から世界の新興国へ積極的に投資を始めた。アジアや中国への投資はアジアや中国の高度成長を支えてきた。勤勉で労賃の安い労働者がたくさんいるから、資本と技術を投入してアメリカが買えば高度成長するのは当たり前だろう。

このモデルの始まりは日本であり、日本はアメリカから技術や資本を導入して高度成長してきた。日本の高度成長が終われば次は台湾、韓国、香港、シンガポールといったニーズ諸国に広がり、さらにアセアン諸国に広がった。90年代になって冷戦の崩壊で東ヨーロッパや中国などの旧共産圏国家にも投資の波が押し寄せた。

ドバイショックの次はどこかという噂が飛びかっていますが、東ヨーロッパ諸国が危ないらしい。冷戦の崩壊で西側から東欧にどっと投資の波が押し寄せてEUの拡大と共に投資ラッシュが続いてきた。同じユーロが使えるのだから為替リスクも無く地理的にも近いので当然だろう。同じ時期に中国への投資ラッシュも続いてきましたが、両者とも曲がり角に来ているようだ。

欧米の金融機関がリーマンショックで一斉に投資資金を引き揚げているから、新興国がドバイショックを起こすのは当然だ。1997年のアジア金融危機と構造がよく似ていますが、規模が世界的規模に広がっている。FRBが超低金利と金融緩和でマネーを市場に供給して金融パニックは一時的に抑えましたが、不動産などに投資したマネーを回収するのは新しい買い手が現れない限り難しい。

ドバイショックの次は東欧や中国、ベトナムといった旧共産圏諸国になるのだろうか? 先日もベルリンの壁崩壊20周年がありましたが、旧東ドイツですら旧西ドイツとの統合が上手く行っていないのは、共産主義教育で育ってきた労働者の質が近代工業になかなか馴染めないようだ。旧共産圏の優等生だった東ドイツですらそうだったのだから東欧全体も西欧に追いつくのは容易でないだろう。

中国にしても東欧と同じ問題を抱えており、中国の人民元が切り上げられないのは、経済の付加価値をなかなか高くしていく事ができないからだ。日本のように品質を向上させて円高にも絶えられるような競争力のある商品を造ることが東欧も中国も出来ない。東ドイツ製のトラバントという車はドイツの名誉を傷つけるものであり、中国製の車も安い以外に商品価値が無い。

ドバイの次はウクライナからルーマニア、ブルガリア、バルト三国へと広がっていくのだろうか? 先進国のギリシャやアイルランドも危なそうだ。つまりEU経済もこれからひと波乱ありそうだ。ユーロが売られたのも足元に大きな問題を抱えているからだ。欧米の銀行は東欧に莫大な投資をしてきた。主に不動産投資で東欧には億万長者が続出しました。

ドイツも日本と同じように金詰りなのですが、同じユーロでもイタリアやスペインとは金利が2%も違うからカネはドイツから流出してしまう。東欧や南欧は債券を発行して資金を集めてマンションを建設して不動産ブームになった。それだけインフラの建設が遅れていたからですが、債券の償還期日が近づいてきてそれが償還できない可能性が出てきた。


◆ドイツと25カ国の不機嫌な仲間達 3月24日 静かなる細き声
http://seisai-kan.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-72f1.html

そのため、西欧から東欧に大量のお金が流れ込みました。東欧に金を持っていくだけで儲けが出たからです。企業は大量に社債を発行し(10年間で3兆ユーロから6兆ユーロまで倍増したと思います)、東欧に投資をしまくりました。東欧はバブルになりました。

 しかし、いつまでもそれは続かず、東欧のバブルは崩壊しました。東欧が実際に生み出せる富を越える金が流れ込んだからです。現在ユーロ圏の企業は大量の不良債権を抱えています。その総額はGDPの20%くらい、2兆ユーロくらいになるはずです。

 ユーロ圏の企業はこれから発行しまくった社債の償還をしなければなりません。しかし銀行には追い貸しをする能力がありません。多分年2,000億ユーロくらい金が足りなくなると思います。GDP2%分です。銀行が貸してくれなければ、企業は給与を減らしたり、資産を処分してそのお金を工面しなければなりません。結果としてデフレスパイラルに陥るでしょう。

 それを避けるためには、ECBがユーロを刷って金融緩和をして銀行にお金を貸し出すか、欧州各国が財政出動して企業にお金を渡さなければなりませんが、ECBの規則によってそれが両方ともできない状態になっています。

 更にもっと怖いことが起きています。経済が比較的健全なドイツと、イタリア・スペイン・ギリシャ・アイルランドなどバブルが崩壊した国の間で、国債の運用利率が2%くらい離れ始めました。乃ち同じユーロ圏の中でインフレ率の乖離が始まったのです。イタリアやアイルランドあたりがなし崩し的に、財政規律の取り決めを破って財政出動をしているからです。

 するとどうなるかというと、ドイツ人は金をイタリアやスペインに持っていくようになります。イタリアやスペインは不景気なのに、お金をドイツ人のために稼がなければならなくなります。ドイツでは不景気なのに、ますます金が足りなくなってデフレとなります。これはデフレ状態の時に日本銀行がせっせと金融緩和をしたのに、その金を日本人がアジアや米国に移動させてしまい国内に余り出回らなかったのと同じ現象です。

 推測ですが、ドイツは金が流出してますます不景気となる、そのかわり金融機関はダメ欧州諸国からの上がりで潤う、逆にダメ欧州諸国はドイツからもらったお金で仕事はできるけれど、果実は全てドイツの金融機関に吸い上げられるという、余り嬉しくない事態が生じるでしょう。ドイツは金融的に欧州諸国に君臨します。語弊はありますが、第四帝国とでも言うべきものができるのではないでしょうか。しかしドイツでは失業率がますます上がり、ダメ欧州諸国もそのうちドイツから搾取されていることに感づくでしょうから、両方とも庶民が不幸になります。

 それもこれも、欧州のインテリどもが古典的な経済学に凝り固まっているからこのような事態となるのです。デフレ不況の時には財政出動を拡大してもインフレ率は上昇しません。欧州全体で財政規律を一時的に緩めて、政府が需要を作り出すべきです。

 こんな時に金融規制の緩和などを欧州議会はやろうとしますが、そんなことをしてもドイツ金融による欧州の支配を進めるだけでしょう。あるいはそれが目的なのかもしれませんが・・・ドイツ金融によって欧州の経済を支配する。そしてドイツの金融機関をECBを始めとする欧州官僚が管理する。それによって実質的な欧州政府を作ってしまう。そういうシナリオなのかもしれません。EU議会には欧州官僚を管理する能力はありません。EU議会というのは欧州官僚から与えられた課題を審議することしかできません。EUには欧州官僚をチェックする機構がありません。EUには欧州官僚という新しい貴族が誕生するのかもしれません。

(私のコメント)
ドイツとダメ欧州との関係は、日本とダメアメリカの関係に似ている。日本とドイツは資金流出によるデフレになりますが、ダメアメリカは日本からの資金流入がないとやって行けない。日本もドイツのように円を国際通貨にして円で貸し付ければダメアメリカを金融で支配できるようになるだろう。しかし日本はドルでダメアメリカにカネを貸しているから踏み倒されて泣きを見るだろう。

日本とドイツのデフレは次の世界覇権国が日本とEUである事を予見させるものだ。EUは二重構造の国でありドイツとダメ欧州との二重国家だ。ならば鳩山首相の東アジア共同体で日本とダメアジアの二重国家を作ったらどうだろう。もちろん通貨は円にすれば為替リスクは無くなる。

もちろんドイツはフランスやベネルクス三国を仲間にしているから孤立する事はない。日本もアメリカを仲間にして中国やアセアン諸国を市場にすればいい。中国やアセアンが借金を踏み倒そうとすればアメリカという用心棒に取り立てさせればいい。それくらいの大戦略を構想できる政治家が日本にはいない。


 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。