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白川日銀総裁:広い意味で量的緩和−新しい資金供給手段 (Update3) 12月1日
(ブルームバーグ):
日本銀行の白川方明総裁は1日夕の記者会見で、同日開いた臨時の金融政策決定会合で導入を決めた新しい金融供給手段について、「量が制約となって金融機関行動が制約されない状況をしっかりと作り出すという意味で、広い意味での量的緩和だ」と述べた。
白川総裁は今回の措置について「やや長めの金利の低め誘導を実現するために、10兆円という資金供給を行う」と言明。10兆円は「おおよそのめど」とした上で、「金融市場における資金需要が高まれば、それに応じて一層潤沢な資金を供給していくという方針だ」と述べ、弾力的に資金供給規模を変える考えを示した。
日銀はこれより先に開かれた臨時の決定会合で、「新しい資金供給手段の導入によって、やや長めの金利のさらなる低下を促す」ことを全員一致で決定した。具体的には政策金利の0.1%で期間3カ月の資金を10兆円程度供給する。担保は国債、社債、コマーシャルペーパーなどすべての適格担保を対象とする。
白川総裁は臨時会合を開いた理由について「経済、物価、金融情勢の基本的な判断は変わってないが、先週後半以降の動きを見ていると国際金融面での動きがあり、為替相場も円高方向に振れ、株価も下落し、全体に企業マインドに対し悪影響が及び得る動きがあった」と指摘。その中で最も強力な金融緩和効果を発揮させる上で「どういう方法が効果的であるかを考え、その結果、本日に至った」と述べた。
為替にも相応の影響
今回の措置が為替相場に与える影響については「日銀はかねてより、極めて低い金利を維持するということを十分に伝えているつもりではあるが、なおもし十分に伝わってないとすれば、そういう方針であることがあらためてより理解されれば、それは少し長い時間をかけて市場にも相応の影響を及ぼしていくと考える」と語った。
政策金利をさらに引き下げなかった理由については「日本の政策金利は0.1%で、海外の主要国と比較しても日本が一番低い」と指摘。「これ以上引き下げると、金融緩和効果が上がらなくなってしまうという意味で、実質ゼロ金利は0.1%だというのがいまやグローバルスタンダードになったなという感じがする」と述べた。
日銀当座預金残高を操作目標としたかつての量的緩和政策を復活させなかった理由については、米連邦準備制度理事会(FRB)を引き合いに出して、「当座預金にターゲットを設けて量を拡大していくという意味での量的緩和に対するFRBの評価は、経済を刺激していく上で、当座預金は結果であるという立場を明らかにしている」と指摘。経済刺激効果は少ないという従来の考えを繰り返した。
政策スタンス変更まで継続
同日の臨時会合を欠席した野田忠男審議委員については「海外出張のため本日の会合を欠席されたが、書面にてご意見を表明された。金融経済情勢の判断や、政策対応に関する野田委員のご意見は、先ほど私から申し上げたことと同趣旨だった」と語った。
新しい資金供給手段をいつまで続けるかについては「金融緩和策の一環であり、見直す時は、基本的には経済情勢を見て、金融政策運営のスタンスを変えなければいけないと判断する時」と語った。ドイツ証券の安達誠司シニアエコノミストは今回の措置について「効果がなければ、いずれ追加的な緩和政策の要請が高まると考えざるを得ない」としている。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920019&sid=aAML_GhH9Nx8