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円高とデフレ 小笠原誠治の経済ニュースに異議あり! Klugクルーク FX(外国為替証拠金取引)・海外投資のためのニ
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投稿者 禁煙できません 日時 2009 年 11 月 29 日 15:40:41: qz/a.O4WYeb7Y
 

円高とデフレ
2009/11/29 (日) 11:54

日曜日にアクセスして頂き、ありがとうございます。それにしても先週の為替市場は荒れましたね。一気に84円台まで記録したからです。新聞などは、円高とデフレで日本経済は大変だと書き立ててています。明日のマーケットはどうなるのでしょうか。

 さて、為替の方はちょっと置いといて‥、デフレの影響について考えて見たいのですが、最近は、デフレスパイラルという考え方に皆が染まってしまいそうな勢いです。テレビで何度もデフレスパイラルについて説明するものですから、しかも図解付きで説明するものですから、デフレスパイラルの説明を何も見ずにできるようになった人も多いのではないでしょうか。


 

 物価が下がる。
  ↓↓↓
 企業の売り上げが落ち、利益が減る。
  ↓↓↓
 賃金が下がる。
  ↓↓↓
 モノが売れなくなる。
  ↓↓↓
 物価が下がる。

 
 物価が下がると、企業の売上が落ち利益が減る、と。そうして企業の経営が苦しくなると、賃下げを行うところが増える、と。或いは、ボーナスがカットされる、と。そうして労働者の収入が減少すると、モノが売れないと、と。そして、そうなると、物価が下がると‥

 この議論、非常に分かりやすい。別に難しい数式が出てくるわけでもないし、納得がいく‥、と多くの人が思うのです。そして、この悪循環が続くと、賃金は際限なく落ちて行って、我が国の経済はとんでもないことになってしまう、と。地獄に落ちるような気になってしまうのでしょうか。

 でも、そんなこと本当に起こるのでしょうか。

 少なくても、こんな循環が起こるなどということは、経済学の教科書には出てこないのです。というよりも、こうした循環はいつかは反転するであろう、というのです。

 それにもし、こうしたスパイラルが起きるのなら、それとは反対の循環も起こり得るのか、と問いたい。


 物価が上がる。
  ↓↓↓
 企業の売り上げが増加し、利益が増加する。
  ↓↓↓
 賃金が上がる。
  ↓↓↓
 モノが益々売れるようになる。
  ↓↓↓
 物価が上がる。


 さあ、如何でしょうか。そうした循環が起こる可能性はあるのか? もし、そうした循環が起こるのであれば、物価が天井知らずに上がる一方なのですが‥。

 一瞬、そうした循環が起こりそうに思えますが、現実の世界を眺めていると、無限に物価が上がるようなことは、モノ不足の状態が起こらない限り、通常は起こらないのです。つまり、戦争中だとか戦後間もなくのような生産能力が限られているような時代や、生産能力が乏しい国でしか起こり得ないのです。

 つまり、いくら賃金が上がって購買力が増加したとしても、次第に物質欲が満たされていくからです。ですから、新たな欲望を掻き立てるような商品が登場すれば別ですが、生活必需品の売上
がどこまでも増え続けるというようなことはおこらないのです。

 であるとすれば、デフレスパイラルについても、同じようなことが言えます。幾ら賃金が下がって購買力が低下しようとも、我々人間は生きていかなければいかず、そのためには最低限度のものを購入することが必要だからです。

 それに、上に示したスパイラルの図には大きな間違いがあります。それは、物価が下がって売上が落ちると、企業の利益が減少するという考え方です。物価が上って売上が増加することにより、企業の利益が増加するという考えについても同じです。つまり、売上が減少したからといって利益が減るとは限らないし、売上が増えたからといって利益が増えるとは限らないということです。

 例えば、物価が上がることによって、企業が製品価格を引き上げ、それによって売上が伸びたとしましょう。しかし、いくら売上が伸びたとしても、原材料の仕入れ価格の伸びがそれ以上であれば、利益は落ちます。

 物価が下がる場合も同じです。いくら企業の製品価格が低下しても、それ以上に原材料の仕入れ価格が下がれば、利益は伸びるからです。それに、製品価格が下がると、通常売上数量の増加が期待できますから、さらに利益が伸びることも期待できるわけです。

 大体、企業が値下げをしてでも売ろうとするのは、少しでも売り上げを伸ばしたいから、或いは、少しでも売り上げの落ち込みを食い止めたいからです。そういう意味では、企業は必至で努力をしているということです。それにも拘わらず、デフレスパイラルに陥ることが恐いからという理由で、そうした値下げを仮に政府が禁止したとしたらどうでしょうか。その時には、益々モノは売れなってしまうでしょう。

 ということで、最近テレビでよくやっているこの手のデフレスパイラルの解説は、はなはだミスリーディングというべきなのです。

 しかし、現実には、このデフレスパイラルの呪文に多くの人がかかってしまい、物価の低下を食い止めることが何よりも必要なのだと思いがちになってしまっています。

 まあ、私も、物価が1年で5%とか10%も下がる状態であれば、そうした物価の低下を食い止めることが先決だ、と考えるのですが‥。物価が下がっているとはいえ、せいぜい2%程度ではないですか。そう考えて、物価の低下については、あまり深刻に考えない方がいいのです。

 それに、そもそもモノの価格というのは、長いスパンでみれば、生産技術の進歩によって下がることが宿命みたいなものですから。

 以前と比べて安くなったなあと思うものは‥

 バナナ、玉子、ワイン、ウィスキー、巨峰、背広、時計、テレビ、パソコン、デジカメ、プリンター、英語の教材‥

 高くなったなあと思うのは‥

 マツタケ、鯨のベーコン、医療費‥


 それにしても明日のマーケットが気になります。

 いつもアクセスして頂き、感謝しています。

以上

http://www.gci-klug.jp/ogasawara/2009/11/29/007511.php  

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コメント
 
物価が下がって、実質経済成長率は上がっていましたね。
日本は経済成長しています。
2009/11/29 16:40
この小笠原先生はいつも面白い切り口でコラムを書かれているので毎回楽しく読ませてもらっています。
(禁煙できません)
2009/11/29 16:51
物価は確実に上がります。

なぜか? それは人口、発展途上国の経済的発展などにより、石油、希少金属、穀物の需要は高まりますが、資源は有限だからです。

物価が上がりつつも景気は後退し、国民の可処分所得は減り、スタグフレーションに突入する危険性は非常に高いです。

適度なインフレが経済成長に良いといわれる理由は、インフレの経済では貨幣の価値は時とともに目減りする為、貯蓄するよりも消費、投資に回りやすくなり経済が循環する為です。

つまりインフレは実質マイナス金利政策となり、資本家から労働者への所得の再半分効果もあります。

現在米国や欧州は適度なインフレを経済政策としてとっており、米国はゼロ金利です。そんな中日本は金利は米国より高く、インフレ政策をとっていません。

この様な状態ではドルが安くなり、円が高くなるのは当然の結果であり、日本だけが世界の経済政策から取り残されている状況です。
2009/11/30 00:10

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