★阿修羅♪ > 国家破産66 > 225.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu204.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
--------------------------------------------------------------------------------
同時多発新興国バブル崩壊が始まった。アイスランド、ドバイ、そして
アジアに飛び火して、ベトナムの外貨準備は165億ドルしか残っていません。
2009年11月28日 土曜日
◆宮崎正弘の国際ニュース・早読み 11月28日
http://www.melma.com/backnumber_45206_4686025/
「ドバイ・ショック」ーー砂漠の楼閣は蜃気楼だった
リーマン・ショックから一年、そして次は「上海ショック」?
世界的規模の株安はドバイが引き金となった。
予想された通りである。あの砂漠の「楽園」は海を埋め立てて巨大なリゾート開発。世界最高級七つ星ホテル。豪邸が林立し、世界の巨富が集中し、享楽の中心地にして、奢侈品も流れ込み、もちろんマフィアも高級売春婦のなだれ込み、インド、パキスタン、フィリピンから労働者が押し寄せた。
林立する摩天楼は中東産油国の巨額の資金を当て込んで、欧米、そして日本、韓国のデベロッパーが受注し、覇を競い、そして破局を迎えた。
邦銀の債権は1000億円程度、ゼネコンの未回収資金は数百億円と見積もられる。
ドバイ・ショックによる世界同時株安は、香港が最悪の影響をうけて株価下落、日本も例に漏れず、くわえて鳩山政権の経済無策は次の暴落(おそらく日経平均は8500円あたりまで一度下落するだろう)を呼び込みそうである。不気味な円高、前にも報じたように、来年後半に一ドル=70円に向かうとチャートが示唆している。
さて筆者はあることを思いだした。
四半世紀前、いやひょっとしたら30年以上前かも知れない。台湾の友人だった特許弁理士Aさんと、日曜日だったので、日月譚へ登って湖畔の宿にとまった。台中の顧客Bさんが一緒だった。Bさんは、事業があたり、多少は裕福、付近の茶畑農家を案内してくれた。
台湾名物ウーロン茶の最高級品を、その生産農家の茶室で振る舞ってくれるというのである。
そのウーロン茶は農林大臣賞を受けたかのシロモノで、100グラム二万円。一口飲んで酔った気分になる。ほんのりとした味ではなく、口の中でぼわって独特の香りが拡がり、うっとりとなる。Aさんなど、酒に酔ったように酩酊している。
そういう贅沢を楽しめるようになった余裕のBさんは得意顔だった。
▲投機がピークを打って衰滅に向かうとき
二年前に雲南省名物のプアール茶が中国で一大ブームを引き起こした。それまでにもプアール茶の最高級品は100グラム=百万円という、とてつもないシロモノがあり、それは江沢民に献上された。
皇帝に献上する伝統があればこそ、こうした豪勢豪華なものを造る。庶民とは無縁の世界が拡がる。
プアール茶ブームはお茶をたしなむのではなく、中国でははじめから投機だった。
付近の茶畑が猛烈な投機資金で買い占められ、プアール茶の価格は天井知らずの高値を連日更新し、そしてある日、破局を迎えて多くの茶畑は無惨にも潰えた。
オランダのチューリップ投機を彷彿させる出来事だった。
ドバイの不動産ブームと暴落は、おなじ投機のパターンである。
そして同様な投機行為を国をあげて展開しているところがある。
この国では権力者と悪徳デベロッパーが組んで土地を取得し(住民は軍隊を使って立ち退かせる)、高層ビルは手抜き工事、棟上げ前に宣伝し投機家に売り払い、その箱ものは結局のところ投機目的だから実際の住民がいないまま、コンクリートが腐植し、或いは倒壊し、いずれ廃屋となる。
この国は銀行に命じてGDPの25%前後ものカネを市中にばらまき、株と不動産と、プアール茶と怪しげなアートと骨董品のブームが現れ、これらの価格は天文学的に高騰し、それが世界不況のなかで回復エンジンの役割をはたしていると豪語している。
次にくるのは?
◆なぜ4兆人民元の景気刺激策のような人工的な需要創造に依存し続けることはできないか? 11月26日 外国株ひろば
http://blog.livedoor.jp/hiroset/archives/51313678.html
ベトナムが11月25日にドンを5.2%切り下げて1ドル=17961ドンとしました。同時に1%の利上げをして金利を8%としました。なぜベトナムはドンの切り下げに踏み切ったのでしょうか?
それは人民元が原因です。
中国の人民元は米ドルにリンクされています。このところドル安が続いているわけですから、これはとりもなおさず人民元安になっていたことを意味します。このため韓国やベトナムなど、中国と輸出で競争している国々はとても苦しい戦いを強いられてきました。
実際、ベトナムが今回ドンを切り下げたのは10月の貿易収支が赤字の19億ドルと去年の5月のレベルに達し、投資家が不安になり、お金を自国にリパトリエーションしようとしたことから引き起こされたのです。外貨準備は165億ドルしか残っていません。
自国の通貨を切り下げると輸入品の価格が上昇するので普通インフレになります。折からベトナムでは食品を中心にインフレ懸念が出ていました。11月の消費者物価指数は4.35%増加しました。そこで今回、ドンの切り下げとともに1%の利上げが発表されたのです。
もう一つ悪いことにベトナムは去年の金融危機以降、中国を真似て積極的な景気刺激策をしてきました。
ベトナム政府は高金利で借り入れをしてしまった企業を助けるために金利補助金制度により低利の貸し出しを実施しました。これは去年、物価が沈静化したとき企業の金利負担だけが高止まりしていたので資金繰り困難に陥るところが出たからです。
この低利借換えを促進する融資は政府系金融機関経由で貸し出されました。加えてベトナム政府はGDPの8.3%に上る景気刺激予算を組みました。これは中国、マレーシアに次いで大きい予算です。
さて、ベトナムの積極的な融資は不動産市場にお金が向かってしまい、不動産バブルを誘発しました。今回、利上げに踏み切るひとつの理由はバブル潰しです。ベトナムの場合GDPの8.3%でバブルが起きてしまったのですが、中国の場合、GDPの12%の景気刺激予算を組んであります。すると心配になるのは、中国の不動産バブルもコントロールがきかなくなるのではないか?ということです。
中国の銀行監督当局はこのことをとても心配しています。銀行監督当局は5大銀行に長期資本計画の提出を求めました。また増資計画案の提出を要求しました。なぜなら今、増資しておかないと後で焦付きが増えた時、困るからです。この一連の指示の中で銀行監督当局は過小資本の銀行については@新規ビジネスの許可をしない、A海外進出を許さない、B新規支店出店の制限、Cその他業務拡張を制限するなどの方針を打ち出しました。
これは何を意味するかというと、中国の銀行融資は先ず相次ぐ大型増資で体力をつけてからしか融資は増やせないことを意味します。若し大型増資をしない場合は融資自体をぐっと絞り込む必要があります。これはどっちにしても株式市場にとってはマイナスです。
さて、金融危機以降、アメリカや中国は財政出動や緩和的な金融政策によって不況に立ち向かってきました。(後略)
(私のコメント)
当ブログは「株式日記」と言う名前の通り経済ブログなのですが、大きな経済ネタは年中あるわけではなく、大きな動きが無い時は政治ネタや外交ネタを書いていますが、久しぶりにドバイショックは大きな経済ネタになりそうだ。なぜならドバイショックは新興国バブル崩壊が本格的に始まった事を意味するからだ。
「外国株ひろば」のブログにも書かれているように、ベトナムが外貨危機に陥って通貨ドンの切り下げとインフレがより激しくなり始めている。中国の人民元がドルとリンクしている為にドルが安くなれば元も安くなり、同じようなものを輸出しているベトナムなどが競争に負けてしまう。その為に貿易赤字が酷くなって外貨準備が底をついてきた。
人民元が安くなれば他のアジア諸国の通貨も切り下げられて、石油が70ドル近くにまで暴騰しているのだから不況下の物価高でベトナムのみならず他のアジア諸国も経済状況が厳しくなり始めている。アメリカが超低金利政策でドルキャリートレードが起きて世界的に株価などが持ち直していましたが、ドバイショックが株価を直撃している。
リーマンショックに始まる金融恐慌は政府の梃入れである程度は先送りが出来ても、しばらくするとまたぶり返す。90年代からの日本のバブル崩壊も、景気対策が打たれるたびに一時的に持ち直しても再び銀行の不良債権が頭をもたげてきて再発する。しかし銀行の不良債権を強引に処理しようとすれば銀行が参ってしまう。
2000年代は世界的なバブル景気に沸いていましたが日本だけがカヤの外だった。日本人はバブル崩壊の恐ろしさを身に浸みて知っているから世界のバブル景気に乗れなかったのだ。ドバイもまさに超高層ビルが林立して、世界から投機マネーが集まってバブル景気に沸いていましたが、日本からの投資は少なかった。だからドバイがヤバイとなっても日本だけが無傷で円高になっている。
日本の銀行は不良債権の処理に追われていたから、世界のバブル景気に乗れなかったのですが、それがリーマンショックでもキズが軽かった原因だ。アメリカやヨーロッパの金融機関は新興国に積極的に投資をして莫大な金融収益を上げてきた。ファンドマネージャーなども数億円の年収の人も珍しくは無く、ウォール街やシティが中心になって世界が回っていたような感があった。
しかしリーマンショックによって、CDSなどのデリバティブの金融商品の欠陥が明らかになるにつれて、欧米の金融機関は多額の不良債権を抱える事になり、FRBなどの中央銀行が大胆な金融緩和に乗り出している。日本のバブル崩壊が長引いたのは多額の不良債権を銀行が処理しきれずにいたのですが、FRBは銀行の持っているCDSなどを積極的に買って銀行を救済している。
「株式日記」では銀行の不良債権を簿価で100兆円で買い取れと主張してきたのですが、FRBはまさにその事を行っている。しかしその事はFRBが不良債権を抱え持つことになり、それがドル不安をより大きくしていく元になるだろう。それとは反対に日本は円高で苦しんでいるのだから日銀は大胆に金融緩和すべきなのですが白川総裁は慎重だ。
日本の銀行がそうであったように、欧米の銀行も不良債権を抱える事で投資に慎重になってしまうことであり、ヘッジファンドなども資金が集まらなくなれば動きも鈍くならざるを得ない。リーマンショック前は投資銀行やファンドが資金を集めては新興国に積極的に投資をして莫大な利益を稼いで来た。しかしドバイショックなどでも欧米の金融機関は大きな不良債権を抱え込む事だろう。
結果的に日本の銀行は大きく動く事が出来なかった事で傷も浅くて済む事だろう。それに対して欧米の金融機関は増える一方の不良債権で、金融不安が断続的に起こるようになる。FRBはドルをばら撒いて一時しのぎは出来ますが、麻薬のようなものでありインフレを招いて不況と金利高で企業は窒息死をする。
新興国のバブル崩壊は始まったばかりであり、欧米の銀行を追い込んで行く事になるだろう。その度に中央銀行が不良債権を買い取って粉飾決算も認めれば急場は凌げますが、通貨不安が起きて国全体が危機に陥っていくようになる。日本のバブル崩壊は、日本だけが悪くて世界は好景気だったから輸出産業が長引く日本の不況を支えることが出来た。しかしリーマンショック以降の不況は世界中が不況になるから救いようがない。