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欧米型コアCPIは過去最大に並ぶ下落、日本は「複合デフレ」(ロイター)
2009年 11月 27日 18:38 JST
[東京 27日 ロイター] 10月の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合、コアCPI)は前年比でマイナス幅を縮小させたが、より実勢を把握できるとしてエコノミストが注目する欧米型コアCPIが過去最大に並ぶ下落率になるなど、デフレ圧力は根強い。
政府がデフレ宣言をするなか、円高要因も加わった「複合デフレ」的な状況が生まれており、物価の先行きを見る上で、金融システムにどのような影響が出るかもポイントとなっている。
<幅広い品目に広がる需要の弱さ、欧米型コアにデフレ圧力>
10月の消費者物価は食料(酒類を除く)およびエネルギーを除く総合(いわゆる欧米型コアCPI)が前年比1.1%低下と、2001年5月に並ぶ過去最大の下落率となった。原油や商品市況などの影響を受けるコアCPIでは、物価の実勢を把握しづらいとして、需要の弱さからくる物価下落を把握するために、いわゆる欧米型コアの動きを注目するエコノミストが多い。
需要の弱さに起因する物価下落は、財・サービスともに幅広い品目でみられている。総務省統計局によると、前年に比べて下落したのは10月は323品目となり、9月の293品目から増加。上昇したのは10月は152品目で、9月の180品目から減少した。
ニッセイ基礎研究所・主任研究員の斎藤太郎氏は「下落品目数の割合が6割を超えるのは2004年1月以来で、物価下落の動きがより広がりを見せている」と指摘する。
エネルギー動向の影響を受けづらいとされる住居や家具・家事用品でも下げ幅が拡大している。クレディ・スイス証券・チーフエコノミストの白川浩道氏は「需要不足を反映した値下げ競争が厳しく、その影響はサービス価格や民営家賃などの資産価格にまで及んでいる」と言及する。
<円高の影響で、物価さらに下振れるリスク>
みずほ証券・チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏は「ベースラインの物価動向は引き続き下向き」として、政府がデフレ宣言を行ったのは当然の動きだと分析。人口減などの構造要因や200円割れ弁当、700円割れジーンズといった身近な衣食面でのデフレに加え、円高要因もあり「足元で見られているのは複合デフレだ」と指摘する。
クレディ・スイス証券の白川氏は、基本的に賃金下落がデフレの元凶との見方を示した上で「大幅な円高となれば、物価がさらに下振れるリスクがある」とみる。消費者が節約志向を強める中で、円高が進み輸入コストが下がれば、食品や衣料品などは一段の値下げとなる可能性がある。輸出企業の業績悪化が賃金や雇用に波及するなど、賃金デフレを相乗効果的にあおる恐れもある。
為替について、みずほ証券の上野氏は「抜本的なドル安トレンドの転換は難しい」として、ドル安/円高が長引く可能性があるとみている。
<金融システムに注目、場合によってはデフレスパイラルも>
デフレは一般的に家計にとってはモノやサービスの価格低下により実質購買力を高め、消費にとってはプラスに効く。実際、自動車販売は補助金効果で増加、家電製品もエコポントで好調な販売が続く。
しかし政府のデフレ宣言は、こうした消費者の購買意欲に水を浴びせる可能性がある。消費者の物価予想を押し下げ、消費を手控えることも考えられるほか、小売業者の価格競争が一段と過熱し、消耗戦を招くこともありえる。
日銀は、デフレスパイラルに陥るリスクはないとの見方を示すが、エコノミストからは、仮に金融システムに深刻な影響があった場合は、デフレスパイラルに陥る可能性が出てくる、との指摘もある。クレディ・スイス証券の白川氏は、一般物価に加え不動産価格も下落していることに触れ「景気悪化によって、日本国内の金融システムが再び悪化するかが今後のポイントだ」との見方を示している。
http://jp.reuters.com/article/economicNews/idJPJAPAN-12666520091127