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ドバイショックではない今回のドル円下落(KlugView)
2009/11/27 (金) 13:20
昨日、本日とドル円が大きく下落しています。11月26日の為替市場では、ドル円レートが86円29銭を記録し、14年4カ月ぶりの水準まで下落しました。この日は、米国が感謝祭(休日)だったこともあり、取引が薄くなることを見越した投機的な取引が相場を大きく動かしたようです。
翌日(27日)もドル円は下落します。午前8時過ぎからドル円の下落スピードは加速し、一時84円82銭と、あっさりと85円のラインを割り込みました。その後、藤井財務相が為替介入について踏み込んだ発言をしたことから、ドルを買い戻す動きが強まり、86円を回復する水準までドル円は戻っています。
今回のドル円の動きを「ドバイショック」と称する方もいらっしゃるようです。ドバイショックとは、ドバイ政府の持ち株会社「ドバイ・ワールド」が、債権者に総額590億ドル(約5兆円)の債務の繰り延べを求めることが発表され、金融市場に影響を及ぼした、というものです。債務の大きさが巨額なだけでなく、ドバイが、中東の金融センターとして急発展してきた象徴的な場所であったことも、「ショック」と名づけられる所以なのかもしれません。
ただ、ドバイ・ワールドの件で、ドバイから出資を受けていた企業の株や、ドバイへの融資を積み上げていた銀行の株が売られたとしても、ドバイ・ワールドの影響でドル円が下落した、というのは、やや無理があるロジックかと思われます。
おそらく、ドバイ・ワールドの件とドル円の動きをリンクさせようとしている方は、ドバイ・ワールドの件で市場の不安心理が高まったと「解説」されるのかもしれません。しかし、昨年の金融危機でも、市場の不安心理は高まりましたが、金融機関はドル資金の手当てを強めたため、ドルは(一時的でしたが)上昇しました。
ドバイ・ワールドの場合も、債務繰り延べが実施されるとすれば、ドバイ・ワールドの債務がドル建てである以上、ドル資金を手当てするニーズが高まるはずです。それにもかかわらずドル円が下落したのは、ドバイ・ワールドに関連したドル需要の高まりよりも、ドバイ・ワールドの件をきっかけに、ドル安の流れが後押しされたため、と考えるべきでしょう。
米国のバランスシート調整を背景に、米国は日本と同じようなデフレ構造に入っており、米国の短期金利は、日本を下回る低水準になっています。米国の低金利は、今後も続く可能性が高く、ドルの上値を抑える展開が続くと思われます。今回のドル円の動きは大きかったですが、それを特定のニュースによる一時的なものと考えるよりも、今後も続くであろうドル安の流れが、目立った形で出てきたもの、と考えたほうが合理的な気がします。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
ドバイショックって何?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
ドバイ政府の持ち株会社「ドバイ・ワールド」が、
債権者に総額590億ドル(約5兆円)の債務の
繰り延べを求めることが発表され、
金融市場に影響を及ぼした、というもの
http://www.gci-klug.jp/klugview/2009/11/27/007501.php