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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu204.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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日銀はトンチンカンですから、市場に催促されて嫌々動くのではないかと
思います。市場へのインパクトは『サプライズがない分』だけ低くなります。
2009年11月27日 金曜日
◆ドバイ・ショックで円急騰 政府系企業の資金繰り悪化 11月27日 朝日新聞
http://www.asahi.com/business/update/1127/TKY200911270205.html
27日の東京金融市場では、円相場が対ドル、ユーロとも急騰し、それぞれ一時1ドル=84円台、1ユーロ=126円台を付けた。対ドルで95年7月以来となる円高水準を嫌気して、日経平均株価は一時、今年7月以来の9100円台まで下落し、長期金利も急低下。これまでの円高ドル安基調に加えて、アラブ首長国連邦(UAE)の不動産バブル崩壊の懸念が世界の金融市場を大きく揺さぶっている。
【ロンドン=有田哲文】UAEのドバイ首長国で、政府系企業の資金繰り問題が表面化した。欧州系銀行がドバイ向け債権を多く抱えているとの見方から円高ユーロ安が加速し、対ドルでの円高を誘う展開になっている。
欧州メディアによると、ドバイ政府が25日、政府系企業「ドバイワールド」と関連の不動産会社「ナキール」が抱える債務について、債権者に対して返済の延期を要請。ドバイワールドは590億ドル(約5兆円)の債務を抱えているとされる。
ドバイ政府の要請は、一定の期間、期限が来た融資について返済を待ってもらうもの。債務不履行(デフォルト)には至らないものの、債権者にとっては不利益になる。債権者が一斉に資金を引き揚げるような事態にならないようにした上で、リストラ案を作る。経営不振に陥った企業で行われる手法だ。ただ、ドバイワールドは政府系企業で、債権者の信用が高かっただけに、市場に広がった衝撃は大きい。
ドバイワールドは、富裕層向けのリゾート開発などを進めてきた。しかし、米国発の金融危機後に資金調達が苦しくなっていたとされる。
ドバイワールドへの貸し出しに対する懸念から、欧州の銀行株の下落に引きずられる形で、26日の欧州各国の株式相場が下落。ロンドンのFTSE100種平均株価指数は前日比3.18%下落して、5194.13となった。
ロンドンの金融機関の間では「ドバイに限らずUAE全体に対する信用が揺らぐ恐れもある」との声が出ている。
◆アラブ諸国政府保有のガルフ国際銀行、起債延期−ドバイの返済延期で 11月26日 ブルームバーグ
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=ann6UTRTYJsE
11月26日(ブルームバーグ):アラブ諸国6カ国の政府が保有するガルフ国際銀行(GIB、バーレーン)は、5年債の発行を延期した。アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国の政府系投資持ち株会社ドバイ・ワールドが25日、債務返済延期の計画を発表したことを受け、起債を見送った。
GIBによると、同行は40億ユーロ規模の中期債発行計画の最初の起債に向けて、バークレイズ・キャピタルとGIBファイナンシャル・サービシズ、HSBCホールディングス、UBSを起用していた。事情に詳しい関係者は、GIBが5億ドル相当のドル建て債をスワップレートに2.5ポイント上乗せした利回りで発行する計画だと述べていた。
590億ドルの債務を持つドバイ・ワールドの返済延期発表は世界の債券市場を揺るがせた。格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスとスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は延期がデフォルト(債務不履行)に相当する可能性を示唆し、複数の政府系企業の格付けを引き下げた。
GIBは発表文で「当行債を購入する投資家の利害を考慮して発行延期を決めた」とし、「GIBは市場をモニターし続け起債の好機を探る」と表明した。
発表によると、GIB債には60件以上の注文があり、応募は発行予定のほぼ2倍だった。湾岸協力会議(GCC)加盟国やアジア、欧州の投資家を対象に説明を行っていたという。
ドバイ・ワールドの発表を受けて新興市場国のソブリン債の保証コストが上昇。CMAデータビジョンによると、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)によるドバイ債の保証コストは26日、131ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の571bpとなった。バーレーン債のCDSスプレッドは30.5bp上昇の225bp。アブダビ債のCDSスプレッドは18.5bp上昇し155bbp。ベトナム、インドネシア、ロシア債の保証コストも上昇した。
◆新ソフトで連日シグナルが点灯【森田レポート】 11月26日
http://www.miller.co.jp/kmp00_01/visitor/report/point/index.html
鳩山政権と日銀を動かす新たな材料が出た?!
菅副総裁の『デフレ宣言』に続き、約14年ぶりに1ドル86円台の円高に!
鳩山政権は、日銀は、そして株式市場はどうなるのか?
森田流の視点でレポートします。
このパターンは2004年以降では、2008年のリーマンショックの時しかありませんでした。リーマンショックの時は11日連続でシグナルが点灯した後、数日明けて1回、更に数日明けて5回点灯した3回目が大底となっていました。
今回は17日から5日連日でシグナルが点灯しておりますので、これでは『まだ足りない』と思う方もいらっしゃると思います。
しかし、リーマンショックは80年に一度の世界恐慌であり、今回は日本国内の問題です。つまり、民主党政権と日銀に対する不信感の問題、その結果として日本経済の先行きが見えず、二番底を形成するのではないかという不安感の問題ですから、リーマンショックの時のように1ケ月間、ほとんどシグナルが点灯し続けるということはないと思います。
また、これまで『どうなれば、株式市場が上昇に転じるか』が分かりませんでしたが、ここにきまして『政府の第二次補正の規模が大きくなれば、株式市場が上昇する可能性が高い』『日銀が量的緩和を行なえば株式市場が上昇する可能性が高い』という二つのキーワードが出てきました。
ということは、このキーワードに政府か日銀が反応すれば、株式市場は上昇に転換する可能性があるということになります。
では、どちらが動くのか
(1)日銀の方が先に動くのではないか
デフレ宣言に続きまして、今度は円高進行というもう一つの『日銀が動かなければならない理由』が出てきました。米国のFRBが金融緩和を続けることが分かったことで、米国の金利は日本の金利を下回り、「米国のドルでお金を借りて、借りたドルを売って他国の通貨に換え、その国の高い金利の債券に投資する」という『ドルキャリー取引』が行なわれ始めたたことで円高が進みました。
ということは、デフレと円高のダブルパンチでは日本経済は耐えられないと思いますので、早晩、日銀は金融緩和に追い込まれると思います。
昔、グリーンスパン前FRB議長が言っていましたが、市場に催促されて中央銀行が動いた場合には、常に市場に翻弄(ほんろう)されて、中央銀行のコントロールが効かなくなるので、中央銀行総裁は『市場に先回りして動かなければならない』と言いました。
しかし、今回の日銀はトンチンカンですから、市場に催促されて嫌々動くのではないかと思います。この場合には市場へのインパクトは『サプライズがない分』だけ低くなります。(後略)
(私のコメント)
円高が昂進していますが、例によって輸出企業が騒いでいます。2007年ごろは1ドル120円台で笑いが止まらず輸出企業は最高益を出していた。しかし内部留保で貯めこんでしまって従業員や下請け企業にはコストを下げ続けて内需による景気拡大には繋がらなかった。輸出企業は円高の時ばかり「大変だ」と騒ぎまくりますが、90円台でも儲かるのに120円台だったら空前の儲けになる計算だ。
なぜ円高ドル安になっているのかは22日23日にも書いた通りなのですが、アメリカや中国が紙幣を刷り散らかして世界にばら撒いているからですが、投機筋は金を買ったり円を買ってドル安損を回避しようとする。中国もドルにリンクさせていますが、石油が年初の30ドル台から76ドルまで倍に急騰している。これでは中国もインフレをアメリカから輸入してしまう。
ドルが基軸通貨として信用が出来なくなればユーロがそれに取って代わるだろう。円もそれに加わるべきなのでしょうが、政府日銀は円の国際化に消極的だ。国際化させるには円を大量に世界にばら撒く必要がありますが、その為には日銀が円を大量に印刷しなければならない。そして円建ての米国債を発行させたりしてそれを買えば円の国際化が進む。民主党では円建ての米国債発行を主張していた。
民主党の経済対策が不透明なのは問題であり、亀井金融大臣が10兆円の補正予算を出せと言っている位で具体的なものはない。亀井大臣もTVタックルで赤字国債をもっと出せと言っていましたが、これだけ国が財政赤字なのに円が高くなるのはどうしてなのだろうか? もっと円を発行してばら撒く事を市場が要求しているのだ。
アメリカと中国が通貨の切り下げ合戦をしているのだから世界はえらい迷惑なのですが、ドバイなどの新興国もバブル崩壊の波が押し寄せている。だぶついたドルが新興国へ流れ込んでいましたが、新興国バブルも崩壊し始めているようだ。ドルもダメ、ユーロもダメ、新興国もバブル崩壊でダメとなると投資先は無くなって来る。中国も人民元の切り上げを迫られるだろうが、世界中から人民元に買い殺到すれば中国もドルを買いきれずに切り上げざるを得ない。そうなると中国もバブル崩壊だ。
ドルの超低金利は世界的なドルキャリーが起きてドルがばら撒かれますが、ドバイのような新興国破綻が続発すればドルは逆流する。それがますます新興国の破綻につながりドミノ倒しになるだろう。ドバイの状況はNHKの特番でもやっていましたが、かなり前から状況は悪くなっていた。返済も半年や一年は待てるのでしょうがそれ以上になると銀行も手を打ってくる。
90年代から始まった金融立国のビジネスモデルが次々と行き詰まってきている。最初はソ連崩壊に伴う東ヨーロッパへの投資ブームに始まり、中国へと世界の投資資金は回った。良質な労働力が豊富にあれば先進国からの資本と技術を持ち込めば急速な経済成長が望める。その中心になったのがアメリカの投資銀行でありワールドワイドな投資戦略でアメリカの金融立国を支えた。それが破綻し始めたのがリーマンショックであり、投資銀行という旗振り役がいなくなり、むしろ投資の回収に追われるようになった。
ドバイも金融立国を目指して国家建設を行なってきましたが、海と砂漠しかない所をリゾート地として開発してきた。世界から投資が集まれば計画は上手く行くが、投資が集まらなくなれば破綻する。ゴールドマンサックスはBRICsを投資の中心にしてきましたが、資金の流れは逆流し始めている。問題は投資資金が引き揚げた跡に何が残るかだ。
ブルームバーグの記事にもあるように、新興国の保証コストが急騰して投資は止まる。リーマンショック以降アメリカ政府は大胆な金融の緩和で超低金利と金融の緩和でドルを世界にばら撒いて新興国バブルの破綻を防ごうとした。しかしドバイのように金融立国を目指した所はアイスランドのように破綻する。借金が返せないからだ。
中国のような所はバブルの余熱が残っているから破綻するのはまだ先のことですが、立ち並ぶ超高層ビルを眺めるとドバイの光景によく似ている。中国はグローバル企業が資本と技術を持ち込めば世界の工場となることができた。しかし世界一の黒字大国になってくれば元の切り上げしないとバランスしなくなるが、中国が固定している為に世界のどこかに歪みが出る。ドバイから上がった火の粉はアジアにも飛んでくるだろう。
円高ドル安も日本政府はどのように動くのだろうか? しかし90年代からの教訓からすれば政府が介入すればするほど投機筋が売り浴びせてくるから放置しているのがいいのでしょうが、日銀が変に動かなければ円がだぶついてドル円相場が反転するはずだ。90年代から日銀は政府がドル買い介入しても不胎化介入で円を回収してしまったから円高になった。本来ならば政府がドル買いすれば円がだぶついて円安要因になるはずだった。
日銀白川総裁はデフレではないとがんばっているが、円高になれば輸入物価はますます安くなる。600円台のジーンズは明らかに異常なのですが白川総裁はなんとも感じていない。これからの投機マネーは安全なところを求めて動き回るようになり、ドルもダメ、ユーロもダメなら日本に帰ってくるしかないだろう。今のうちにドル債券は売り払って金などに投資しておいたほうがいいのかもしれない。