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太陽電池から鉄道、教育、介護まで 日の丸“元気印企業”総まくり! 不確実性に挑む“蛮勇”が求められる時代へ
http://www.asyura2.com/09/hasan66/msg/128.html
投稿者 Orion星人 日時 2009 年 11 月 22 日 12:37:25: ccPhv3kJVUPSc
 

http://diamond.jp/series/genki/10002/?page=4

 前回は、日本企業を取り巻くメガトレンドと、それがどんなビジネス・チャンスをもたらすのかを考えてみた。メガトレンドは「人口」「環境」「グローバリゼーション」の三つ。これを受けて、今回は注目される企業を概観してみよう。注目点は、規制の変化とアライアンスである。
 まず、そのヒントを与えてくれるのが株式市場だ。株式市場は時にしてバブルを起こすが、それは将来の成長産業、有望企業に、おカネが集中して投資されるからでもある。FPアソシエイツ&コンサルティングのエグゼクティブディレクターの福田啓太氏は、長期的にみれば、バブルは将来の先行指標だという。「バブルにはそれなりの理由がある。一度、弾けるけれども、その後、現実化する」。
 日本の株式市場の時価総額上位10〜20社を、10年前と比較すると、ほとんど変化がない。残念なことに、そこに日本産業界の新陳代謝が停滞している姿が、映し出されている。これに対して、目を世界に転じれば、実にダイナミックな変化が起こっている。
 世界の株式時価総額(発行済み株式数X株価)の上位20社を見てみると、中国(香港を含む)企業の躍進が目立つ。ペトロチャイナ、中国商工銀行など6社が名を連ねている。これに対し、米国企業が後退したことも特徴である。米国企業はエクソンモービルなど、8社がランクインしているものの、2000年時点では、中国企業は1社も20位以内に入っておらず、米国は実に13社がランクインしていた。米国発の金融危機を境に、まさに様変わりの感がある。
 日本企業はといえば、残念なことに、カヤの外だ。2000年時点ではNTTドコモとNTTが20位以内に入っており、2000年代前半には常に、20位以内に踏みとどまっていたトヨタ自動車も、世界同時不況の荒波にのまれて、圏外に去った。いま日本企業が持つべきは、日本企業に対する世界の評価が急低下していることへの危機感だろう。
 もう一つの大きな特徴が、資源・エネルギー関連の企業が、20以内に7社も入っていること。前述の2社のほか、ペトロブラス(ブラジル)、BP(英国)、BHPビリトン(英国・豪州)などが、名を連ねている。これも2000年とは様変わりである。2000年では、GE、インテル、マイクロソフト、シスコシステムズ、オラクル、IBMなど、米国のIT系企業がずらり顔をそろえていた。


 株式市場が先行指標だとすれば、新興国の成長と資源・エネルギー分野が、近未来の注目ということになる。福田氏も「レバレッジ・バブルの崩壊で、米国一極集中も崩れ、ユーロ圏、アジア圏、アメリカ大陸ならブラジルというように、世界は多極化に進む。一方、バブル崩壊後に、一時、価格が急落したものの、原油価格などの商品価格は再び上昇している。したがって、地域的な多極化に対応しているか、事業領域がこの変化に沿っているかが、伸びる企業を見るポイントになる」と指摘する。
 では、日本企業はどうか。時価総額では、世界レベルの企業に置き去りにされているとはいえ、潜在力はある。まず、資源・エネルギー分野。この分野は環境問題と同義だといってよい。エネルギーは供給サイドと消費サイドに分かれる。供給サイドは再生可能エネルギーや新エネルギー技術、消費サイドは省エネルギー技術であり、日本企業は世界的な競争力を維持している。
 再生可能(代替)エネルギーの代表選手は、太陽電池だろう。かつて日本は太陽電池で、世界でトップシェアを握っていたが、いまやドイツに逆転され、韓国、中国の追い上げを受けている。
 日本が巻き返すには、政府がどのような政策をとるかが、大きなポイントになる。既存の電力会社の利害と対立するからだ。民主党が公約に盛り込んだ「再生可能エネルギーの全量買い取り制度」が実施されれば、余剰電力を電力会社に売ることが容易になる。一般家庭などにとっては、太陽電池などにかかる初期投資の回収が容易になるだろう。太陽電池の普及に弾みがつき、大量生産で価格も下がり、さらに普及が進むという可能性がある。太陽電池ではシャープ、パナソニック・三洋電機、京セラが注目企業だが、電気への変換効率が高い薄膜太陽電池の開発次第では、異業種企業の台頭もあり得る。
 エネルギーの消費サイドでは、交通機関に注目してみたい。その第1が鉄道である。19世紀が鉄道の時代なら、自動車の時代だった20世紀を経て、今世紀には再び鉄道が脚光を浴びつつある。自動車に比べて、環境負荷が小さいからだ。もちろん、鉄道網が稠密な国内ではなく、鉄道のグローバル展開である。

 これまで日本の鉄道産業は、車両を中心とするハードの輸出が中心だったが、これからは鉄道システムというソフトも含めたシステム提案力の競争となる。中核となる企業のコーディネーション力が試されるわけだ。ハードメーカーとしては、三菱重工業、川崎重工業、日立製作所、日本車両製造などが頭に浮かぶものの、三菱商事、三井物産、住友商事などの大手商社やJR東日本やJR東海などがコーディネーター役として、どう力量を発揮するかである。
 もちろん、自動車も輸送手段の中心で、あり続けるだろう。注目は言わすと知れたエコカー。モーターとエンジンを組み合わせたハイブリッド車では、トヨタ自動車、ホンダの両雄が世界をリードしている。ただし、電気自動車(EV)、さらには究極のエコカーといわれる燃料電池車では、どの国のどのメーカーが勝つかを判断するにはまだ早い。
 電気自動車では、動力機関であるモーター以上に、電池の重要性が明らかになってきた。EVの本命であるリチウムイオン電池では、トヨタとパナソニック、ホンダ、三菱自動車とGSユアサ、日産とNECグループというように、完成車メーカーと電気メーカーが連合軍を形成して、しのぎを削っている。
 生活を豊かにするという視点で見れば、消費電力が少なく、寿命も長いLED(発光ダイオード)電球が本格的に立ち上がってきた。量産メーカーでは、東芝、シャープ、パナソニック、日立、三菱電機という巨大企業同士が、バトルを繰り広げるという構図になっている。だが、基幹部品であるLEDチップを生産する日亜化学工業、豊田合成、LEDチップの製造装置メーカーである大陽日酸が、隠れた実力企業といえるだろう。
 2番目のメガトレンドであるグローバリゼーションは、新興国の人口成長、経済成長を、いかに企業の成長として取り込むかだ。新興国は経済の発展段階も違えば、貧富の差も大きい。特に、1日2ドル以下で暮らしているBOP(ボトム・オブ・ピラミッド)層の開拓に関しては、日本企業は後れを取っている。例えば、米国のヘルスケアメーカーのリーバは、インドで感染症を防ぐために、子どもたちを対象に、手を洗う習慣を教育するところから始めている。
 日本企業も、例えば、アジアで強みを持つ味の素は、味の素をビンではなく、小さく小分けしたパッケージで売っているし、フマキラーの蚊取り線香も箱売りではなく、二巻ワンセットで販売している。いずれも、所得水準に合わせた価格設定を行うためだ。

 ホンダのように2輪車で参入して4輪車へ進む手もある。低コストの製造技術を生かして、インドや東欧で先行したスズキも、自社の特性をよく理解していると言えるだろう。アパレル業界ではファーストリテイリングが中国に拠点工場を、家具業界ではニトリがインドネシアに拠点工場を有して、アジアネットワークをベースとしたSPA(製造小売)を構築している。このネットワークを武器に、アジア市場開拓に打って出ている。
 興味深いところでは、ベネッセコーポレーションや大手進学塾のナガセ、公文なども、アジアの新興国に展開を始めている。経済力が向上してくれば、お隣の韓国で見られるように、子弟によりよい生活を送らせようとして、教育熱が高まってくる。それを見越したコンテンツ産業の海外展開といっていい。このように、グローバリゼーションへの対応は、多様なアプローチがある。要は、自社の強みを突き詰めたうえで、ターゲットとする地域、顧客層に合わせたビジネスモデルをどう作り上げていくかである。
 第3の人口は、日本国内でいえば、人口の減少と少子・高齢化という年齢構成の変化にどう対応するかだ。すでに、1947年から1949年に生まれた団塊の世代が、60歳定年を迎えている。だれが見ても、医療や介護に対する需要が、今後、一層増加することは分かる。消費者としての高齢者パワーも増すだろう。大手企業では、ワタミやニチイ学館などが介護事業に進出しているものの、人口動態のメガトレンドをとらえ、業績をグングン伸ばしている企業は、まだほとんど見当たらない。
 一つには、医療、介護が公的保険でカバーされる公的分野だという背景がある。例えば、低賃金が問題となる介護分野でも、サービスの価格は介護保険で決まっているため、需要が強いにもかかわらず価格をあげることができない。福祉という公的な使命と、需要と供給を調整する市場原理をどう組み合わせていくのか。その点では、少子高齢化への対応は、まだまだ未開拓の分野といえるだろう。逆に言えば、それだけビジネスチャンスもある。
 今回の金融危機でケインズと並んで、再評価された経済学者に米国のフランク・ナイトがいる。ナイトは「不確実性」こそが、企業の利益の源泉であると喝破した。リスクは統計学的に処理したり計測できる。計測できれば、次々と参入企業が増えて、利益率は低下してしまう。だから、統計的には処理できない不確実性が、企業の利益を生むというのである。
 世界の枠組みが大きく変わりつつ今、不確実性は高まっている。だからこそいま日本企業に求められるもの。それは自らの潜在能力を見極めたうえで、不確実性に挑む“蛮勇”かもしれない。

 

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コメント
 
かつて日本人がその「不確実性に挑む蛮勇」を発揮できる状態になったのが、第二次大戦直後。
旧来の悪弊を物理的に解除できる状態にならないと、日本はその真の能力を発揮できず、しがらみや仕来りや前例に縛られたまま沈んでいく。
もしかすると今の日本に必要なのは焼け野原かもね。
2009/11/22 15:38
このところ工場火災があいつでいるようですね。↑の云う焼け野原が現実になるのかも知れない。
2009/11/23 14:26

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