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筋違いな反応を示した米国の株式市場(KlugView)
2009/11/17 (火) 15:34
11月16日のダウ工業株30種平均は、前週末比136.49ドル高い1万0406ドル96セント、S&P500種株価指数は、15.82ポイント高の1109.30と、それぞれ昨年(2008年)10月2日以来(約1年1カ月ぶり)の高値で終えました。業種別S&P500種株価指数(全10業種)をみると、エネルギーや素材を中心に、全業種で上昇しています。
米国株が好調だったのは、10月の小売売上高が予想を上回る伸びを示しただけでなく、米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長の講演内容が好感されたためと思われます。バーナンキ議長は、講演にて、FRBが政策金利を異例に低い水準に長期間据え置く(低金利の長期化)公算が大きいと繰り返し述べました。
一般に、低金利の状態が続けば、企業の資金調達コストが低下するため、企業収益が押し上げられる期待が高まります。また低金利によって、消費者の借り入れコストも低下しますので、個人消費や住宅投資が拡大する期待も高まります。こうしたロジックが、米国株の上昇に寄与したと思われます。
しかし、バーナンキ議長が低金利の長期化を示唆したのは、米国がデフレのリスクに直面しているためと思われます。仮に低金利によって個人消費や住宅消費の拡大が見込まれるのであれば、物価安定に責任を持つFRBのトップとして、低金利によるインフレリスクに言及するはずです。小売売上高は予想外の伸びを示したかもしれませんが、失業率が10%を越え、労働時間も低下している状況を考えると、低金利が続いたとしても、米国のインフレ圧力が簡単に高まるとは思えません。
米国経済が、低金利の長期化を必要とするほどデフレリスクが高いのであれば、米国企業の収益性は悪化すると考えるのが自然です。FRBの考えが常に正しいわけではありませんが、株式市場がFRBの見方を信頼しているのであれば、米国株の上昇は、バーナンキ議長の真意を取り違えていることになります。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
11月16日のダウ工業株30種平均は、
いつ以来の高値を記録した?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
2008年10月2日以来
http://www.gci-klug.jp/klugview/2009/11/17/007386.php