★阿修羅♪ > 国家破産65 > 948.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
企業の國家性と株式資本  重要産業協議會 事務局長 帆足 計 昭和19年5月4日 【日本證券新聞第一号から抜粋】
http://www.asyura2.com/09/hasan65/msg/948.html
投稿者 hou 日時 2009 年 11 月 16 日 20:51:14: HWYlsG4gs5FRk
 

■帆足 計【ほあし・けい】


--------------------------------------------------------------------------------
【肩書き】経済同友会代表幹事
--------------------------------------------------------------------------------
【生年月日】1905年
--------------------------------------------------------------------------------
【没年月日】1989年
--------------------------------------------------------------------------------
【学歴】東京帝国大学(現・東京大学)経済学部
--------------------------------------------------------------------------------
【経歴】
東京帝国大学(現・東京大学)経済学部を卒業。戦前は経済団体に属し、戦時下重要産業協議会事務局長に就任し、「財界の脚本家」などと言われる。敗戦後、経済同友会の創立に加わり、1946(S21)年4月諸井貫一、郷司浩平と共に経済同友会代表幹事に就任(1947(S22)年3月まで)。その後、左派社会党に入り衆議院議員となり当選7回。1952年にソ連を訪問し、同時に北京入りして日中貿易協定を結ぶ、というように独自の活躍をした人物である。


発行所: 日本証券取引所
住所:東京都日本橋區兜町一ノ六
料金:金一圓(送料共)
 六か月・六圓

 
企業の國家性と株式資本  重要産業協議會 事務局長 帆足 計 昭和19年5月4日
 【日本證券新聞第一号に掲載】

現代の戦争は、単なる武力戦ではなくして、同時に生産戦でもある、苛烈を極めたる
戦局の現状を思ふとき、生産戦を担当する者は国家に負ふところの責任はいよいよ重大なることが痛感される。

生産の国家的意義がこのように重大となるにつれて、企業の国家的性格を明瞭にすべきことがその経営の全面に亘って、強く要請されている。

元来、企業の公的性格は、自由資本主義経済下においても全く無視されているわけではなかった。

企業形態の個人組織から会社の組織への転換自体が、欧州においては『産業騎士道』として我が国においては『士魂商才』『算盤と論語』といった強い責任制度と信用組織の上に立つ高度の倫理感によって推進されたのである。

かくて社会組織が発展するとその公共的社会的役割を重視しこれを規制する『商法』が成立した、しかし戦争はかかる公共的性格の更に一段の飛躍、完璧化を要請してやまない。

政府はかかる企業の国家性を明確にし、これを法制化するために、先に経理統制令、また、各種営業法を立法し、さらに今般は重要軍需生産企業に対して軍需会社法を制定した、これら一連の法的処置を通して、企業のあり方と将来への展望はいよいよ明確に
なったものといえる。(あとすこしで終戦ですwww)

現在生産企業の中核は、周知のように株式組織を中核とする民営企業である、この民営企業の特色は、統率の一元化、自主的企業の経理に立脚せる責任の明確性、ならびに溢れるごとき創意工夫の活用というような諸点である。
(そして金持ち優遇と格差の拡大、恐らく日本は、この時期が一番格差があったはずです、今と似たり寄ったりです。)

企業はいうまでもなく資本、経営、技術、労務等を一体化した総合的有機体である。

従ってその中のいづれの要因を軽視しても企業の健全な発展は望めない。

企業経営の重要な機動力の一つたる資本の関係においては最近国家資本の役割が極めて
大きなものとなっていきたが、なほかつこれを並んで国家資本動員の最も有効な形態であることろの株式資本の意義は依然として決定的である。
この意味において、資本を通じて生産拡充に貢献する具体的なルートとして、證券投資、証券取引市場の機能は戦時統制経済下においても、極めて重大でありその運営の骨格化は
国の経済運営上、極めて重要な意義をもつものである。
(1936年 昭和11年ケインズ『雇用・利子および貨幣の一般理論』を発表。この文を書いていた時は意識してたのかな? )

一部には、企業に対する国家管理の強化等の事実を通じて、株式会社の時代は終わった
と説くものがあるが、これは極めて皮相な機械的見解である。
国民資本の動態としての株式資本の過去において果した役割が大きいものであった。

と同時に、今後においても、伸びんとするわが産業にとって、依然として大きな役割を演すべきことは勿論のことであり、その動員機関としての證券取引所の使命のいよいよ大なることもまた疑いなき事実である。


 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
時代は発展しながら繰り返す。良いものを引用したと思います。時代背景は全く異なっていますが、ケインズ理論の一端が窺える気がします。敗戦至近の資料としては、一級品ですね〜!
2009/11/17 09:48

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。