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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu203.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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ドルが下落するにもかかわらず、一貫して人民元の対ドルレートを固定
させる政策は、世界経済にもっと大きな害を与えている。P・クルーグマン
2009年11月14日 土曜日
オバマ大統領の演説に立ち上がって拍手するアメリカ人聴衆と
座ったままの日本人聴衆の違いは何を意味するのだろうか?
日本人にとってはあまり感動的な演説ではなかったのだろう。
◆ノーベル経済学賞受賞者:中国の人民元政策、世界経済の脅威に 大紀元日本 10月31日
http://www.epochtimes.jp/jp/2009/10/html/d68975.html
【大紀元日本10月31日】「中国の悪いマナーが、世界経済の脅威となっている」。08年ノーベル経済学賞受賞者で、米国の国際経済専門家ポール・クルーグマン氏は22日、米紙「ニューヨーク・タイムズ」の論評コラムで、米ドルと連動する中国の人民元政策をこのように批判している。また、中国のドル建て資産の売却可能性について、影響を懸念する必要はなく、逆に米国の経済回復に大きなプラスになるという見解を示した。
クルーグマン氏は同コラムで、人民元の為替レートが人為的に低水準に保持されているという本人の以前からの主張に再び言及している。「私を含む多くの経済学者が、中国の資産購入ゲームは不動産市場のバブルを膨張させ、世界金融危機の舞台を設置した。しかし、ドルが下落するにもかかわらず、一貫して人民元の対ドルレートを固定させる政策は、世界経済にもっと大きな害を与えている」
また、中国が実質上、ドルペッグ制(自国通貨の為替レートをドルと連動させること)を実行しているため、ドル安と連動して中国製品が格安となり、世界経済の縮小により、世界に存在する限られた需要に対して、中国製品が供給されることとなり、他国の経済成長に大きな打撃を与えている。中国人民元政策により最も被害を受けるのは「貧しい国の労働者だろう」と指摘する。
さらに、16日、米国財務省が、今年上半期の為替政策報告において、中国は為替操作をしていないと認定したことについて、クルーグマン氏は失望している。
米国のシンクタンク機関、ヘリテージ財団のデレク・シザーズ研究員はクルーグマン氏のコラムについて、世界金融危機が発生してから1年間が経ち、世界経済が回復に向かっている現在、中国人民元問題による貿易摩擦問題が再び注目され始めたと指摘している。「半年前にこの様な為替レート問題が取り上げられたら、貿易摩擦が世界経済を滅ぼすと誰もが思ったことだろう」と、シザーズ氏はVOAの取材に応じて語った。
米国商務省の統計によると、2008年、米国と中国の貿易総額は4080億ドル(約37兆1280億円)に達しており、そのうち、米国の対中貿易赤字は2600億ドル(約23兆6600億円)を超えている。
一方、クルーグマン氏はコラムで、ドルの大幅な下落について、心配には値しないという見解を示している。米国政府またはウォール・ストリートの金融専門家たちが、中国が米国のドルを大量に売却するかもしれないと懸念していることに関して「つじつまが合わない」とし、中国が一部のドル建て資産を売却し、ドル安となった場合、米国の輸出産業に有利になると解説している。
メリーランド大学のピーター・カイル金融学教授は「ドル安は国内製造業に雇用機会をもたらし、またエネルギー価格高騰の中で、原油輸入量が減少し米国の従来のエネルギーへの過剰な依存を是正することにつながる。つまり、米国経済は成長の刺激を受けることとなる」とクルーグマン氏の見解を支持する。
しかし、ヘリテージ財団のデレク・シザーズ研究員はクルーグマン氏の考えを単に短期的な解決案だとし、「長期的に見て、基軸通貨とするドルの役割は米国・その他の国にとって極めて重要。ドルを人為的に下落させると却って米国経済に害を与える」と語る。またシザーズ氏は短期的に見れば、ドルの急激な変動は為替市場、商品先物市場、金(ゴールド)市場に乱高下をもたらし、インフレへの圧力が高まり、世界経済の回復を楽観する投資家の心理に打撃を与えてしまうので、米国輸出産業の競争力がいたずらに高まっても無意味ではないかと疑問を投げかけている。
◆中国の為替操作国への認定、米政権に圧力強まる 10月7日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-11830620091007
[ワシントン 6日 ロイター] 10月15日に予定されている半期に1度の主要貿易相手国の為替政策に関する報告書(為替政策報告書)の公表を控え、労働・製造業団体からオバマ米大統領に対し、選挙公約通り中国を為替操作国と認定するよう圧力が高まっている。
オバマ大統領は前年の大統領選期間中、中国を為替操作国としなかったブッシュ前大統領を繰り返し批判してきた。だが、就任後初めてとなる前回4月の報告書では、オバマ米大統領も認定を見送っている経緯がある。
オバマ政権は、中国の人民元について、依然として「過小評価されている」としながらも、中国当局は2008年6月─09年2月末に人民元相場を実質16.6%上昇させていると指摘。また中国が金融危機対策として大規模な景気対策を実施し、経済成長モデルにおける構造改革を行っているとして評価する姿勢を示している。
一方で、自国の輸出製品の競争力強化のため、中国は意図的に自国通貨を20─40%切り下げていると主張する労働・製造業団体は、オバマ政権の判断に失望している。
これに対しオバマ大統領は中国製タイヤに35%の上乗せ関税を課す緊急輸入制限(セーフガード)を発動するなど、製造業界などに一定の配慮を見せたが、米労働総同盟産別会議(AFL・CIO)の政策ディレクター、テア・リー氏は「中国との貿易不均衡の規模は非常に巨大で、個別対応では解決することはできない。根底の価格問題、つまりは通貨の問題に踏みこまなければならない」と反論している。
また全米製造業者協会(NAM)国際経済問題のバイスプレジデント、フランク・バーゴ氏は「米国が中国を為替操作国と認定しなければ、国際通貨基金(IMF)が中国を名指しする可能性は低い」として、IMFへの圧力を高める意味でも、オバマ大統領に認定に踏み切るよう求めている。
米国の法律では、為替操作国と認定した場合、財務省はIMFの枠組みの中で迅速に交渉を開始するか、もしくは対象国と2国間交渉を開始するよう義務付けられている。
中国は、為替政策報告書の中で1992年5月─1994年7月の間に5度、為替操作国として指摘されているが、その後報告書の中で名指しされた国はない。
もし米政権が中国を為替操作国と名指しすれば、イランや北朝鮮問題、地球温暖化対策や世界貿易などで今まで以上に協力関係が求められる米中関係に亀裂が生じるのは確実だ。
ピーターソン国際経済研究所の中国経済政策の専門家、ニコラス・ラーディ氏は、オバマ米大統領が中国を為替操作国と認定したら「非常に驚き」だと指摘。人民元が過小評価されていることは明白としながらも「中国の貿易黒字が縮小しているだけでなく、内需の伸びも目覚しいものがある。中国は米国が望むことを実践しており、すべては正しい方向に進んでいる」と述べ、オバマ大統領が中国を為替操作国と名指しする可能性は低いとの見方を示した。
世界経済が深刻なリセッション(景気後退)から脱却しつつある中、米政府は中国に対し、内需を拡大し、輸出への依存度を低下させるよう求めており、ラーディ氏は、前月米ピッツバーグで開催された20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)でも「中国は他国と足並みをそろえ、持続的な成長を達成するために、経済の構造改革に取り組む姿勢を明確にした」として、オバマ大統領の目指す取り組みは大きく前進したと指摘した。
一方で、為替操作が通商ルール上、不正な補助金と定義するよう、議会に対し法改正を求める動きも出ている。実際にそうなれば、米企業は商務省に対し、中国製品の不当な価格競争力を相殺するため、対抗措置として関税を課すよう求めることが可能となる。オバマ米大統領は上院議員時代、類似の法案を支持していた。
(私のコメント)
鳩山・オバマ会談が終わりましたが、日米同盟を深化させていくことで一致した。しかし日米同盟は転機を20年近く前から迎えており、深化させていくことよりも解消の方向に向かうべきである。アメリカの国力の低下は経済ばかりでなく政治外交、文化などにも現れてきている。ドルの価値の低下はその象徴ですが、中国の人民元がそれに連動している為に、他の先進国のみならず新興国の通貨もドルや人民元に対して上昇している。
まさにアメリカと中国は抱き合い心中状態ですが、アメリカと中国の勝手な行動は温室効果ガスの排出量削減交渉にも加わらないなどにも現れています。アメリカ人と中国人は非常に独善的であり自分勝手であり、他国に対して上から目線で高圧的な態度で要求を突きつけてくる。それに対して臆病な日本人は右往左往するのが常だ。
アメリカ人と中国人は遠慮なく物ごとを言い合うから仲良くなりやすいですが、衝突もしやすい。言いたい事もじっと我慢して争いごとを避けるといった日本人は国際会議でも影が薄く存在感が無い。しかし何か発言すれば大きな影響を与えるから発言を遠慮しているのであり、発言力がないと言う意味ではない。沖縄の普天間基地の問題も当面はたいした問題ではないにもかかわらずアメリカ政府は大騒ぎしている。
アメリカは日本が自立の道を歩むのではないかと疑念を持ち始めたからでしょうが、今まではこのような動きをしたことが無かった。民主党は308議席を持った本格的な非自民政権であり、アメリカ離れを模索するのは当然なのですが、自民党政権の日本しか知らないアメリカ人にとっては、このような動きは新鮮でもあり脅威でもある。アメリカは日本への覇権を失えばアジアの橋頭堡を失いハワイからケープタウンまでの制海権が失われる。
だからこそアメリカは日本の自由な発言に対して目に見えない圧力を加えて国際会議における沈黙を強いてきた。日本の首相が靖国神社に100円玉を入れただけでも中国は大騒ぎをするし、普天間基地を嘉手納に移設したいと言っただけでアメリカ政府が大騒ぎをする。どっちみち海兵隊主力はグアムに移転するのだから嘉手納でもかまわないはずだ。
午前中にオバマ大統領の演説がありましたが、日本人聴衆の反応が鈍い。英語がわからないという事もありますが、もともと日本人は政治や経済や外交などにはあまり興味は無いのだ。鳩山総理の初の国会施政方針演説よりも酒井法子の裁判報道がトップニュースになる国だ。ブログにしても政治経済に発言するブログは本当に少なく、エンタメ系のブログやペットの写真などのブログがランキングのほとんどを占めている。
オバマ大統領の演説が終わっても真っ先に立ち上がって拍手をしているのはアメリカ人であり、日本人聴衆はボーっと座ったままだ。日本の首相の演説に聴衆が立ち上がって拍手するような光景はあまり見ない。国会議員も大勢いたが国会では野次は飛ばしても立ち上がってエールを送る事はあまり無い。これでは演説の名手のオバマ大統領でも会場は盛り上がらない。
日本がアメリカ離れを模索しているのに、アメリカは日米同盟がアジア外交の基軸だとしている。今まではそうだった。アメリカは中国をステークホルダーとして利害を共有するわけだから、それが出来るのは日本がアメリカ側に付いている時だけだ。日本が中国と利害を共有するのはドル安問題でも同じだ。日本と中国がドルを買い支えないとアメリカの財政が破綻する。だからアメリカは日中が連携を取らないように裏で仕掛けをしている。
アメリカのドル安に対して中国も人民元を連動させている。明らかに中国は為替操作国なのですがアメリカ政府はその認定をためらっている。円とユーロが値上がりしている状況では新興国の通貨も値上がりをしている。アメリカもゼロ金利だからドルキャリーがそうさせているのですが、中国だけは為替操作でドルに連動している。為替投機で人民元への投資をすれば中国政府が買ってくれるのだからヘッジファンドにしてもおいしい話だ。
中国はアメリカばかりでなく世界と貿易摩擦を起こしているわけですが、新興国も音を上げている。為替操作で格安の中国製品が世界に溢れているからですが、アメリカは中国に対して何も言えないようだ。ポール・クルーグマン教授もアメリカ政府の態度を批判していますが、アメリカ政府は中国の報復を恐れて何も言えないのだ。
90年代の日本も現在の中国と同じ立場にあったわけですが、橋元首相は米国債の売却を仄めかしたが、輸出がアメリカに頼っている以上はそんな事が出来るはずも無く、アメリカは円高を仕掛けてきた。当時と今との違いは当時は円の独歩高だったわけですが、今はユーロが登場してドル売りユーロ買いが起きている。だから円は90円を切りそうで切らない。
アメリカは中国に対しても内需の拡大と構造改革を要求していますが、中国も日本と同じ問題に直面する事になるだろう。外貨のドルを貯めこむ事は自分で自分の首を絞めることであり、外貨の増大はより為替投機を招いて人民元への買いが集まる。いずれは中国も元の切り上げに踏み切らざるを得なくなるだろう。しかし通貨の切り上げに対して中国は耐えられるのだろうか。他の新興国と輸出製品がダブルのであり、だからブラジルなどが中国の為替政策を非難している。
◆発展途上国、中国の為替政策に苦情 11月14日 ニューヨークタイムズ ロイター 今日の覚書
http://blog.goo.ne.jp/kitaryunosuke
新興経済は、自国通貨の急激な上昇が輸出による経済回復への道のりを邪魔しており苦しんでいるが、遂に中国人民元安への一斉抗議に出た。人民元への通貨は通常富裕国から出るものだ。しかし、先週のG20会議では、気候変動やIMF改造では中国の味方の発展途上国も、抗議を始めそうな気配があった。
ブラジル財務相曰く、G20で固定為替相場と変動為替相場のレート格差を指摘したい。しかし、よりあからさまな批判も大した違いは生まないかもしれない。米国その他欧米主要国は、今年、中国への公的圧力を緩和。主要国が、外的圧力をかけると中国政府は一層我を張るようになる、と考えたことも原因の一部だ。
中国財務相はブラジルその他の不服を一蹴にした。それどころか、他の主要経済は世界経済の不安定化を避けるために、自国通貨の価値を維持しなければならない、と指摘。「全ての国は財政政策と経済成長の持続性を注意すべき。また、インフレを含むリスクへのタイミングの良い、効率的な対策を実施すべき」と財務相は述べたそうだ。
世界経済の回復が堅調ならば、中国も来年は人民元の値上がりも許すかもしれない、と言うアナリストもいるが、それもこれも中国政府が現在の回復基調が本物であり、単なる在庫調整や緊急対策の結果ではない、と確信すればの話である。
輸出業者が中国の競合にシェアを奪われている、と警告するブラジルは、先進国は何年も前から、元ドル為替レートが低過ぎる、人民元はより自由に変動すべき、と言ってきたと述べた。殆どの新興経済の通貨は今年値上がりしたが、それというのも、金融市場に巨額の資金が流入し、商品価格が上昇したからである。ブラジル・レアルや南アフリカ・ラントといった一部通貨は、ドルに対して30%も値上がりした。また、多くの中央銀行はほぼ毎日のように、為替市場に介入しなければならなくなっている。
中国は固定相場制をとっており、そのような問題には見舞われていない。実は、3年間人民元の値上がりを認めた後、中国は2008年中旬に輸出業者を支援するために、事実上ペッグ制を復活させたのである。
ロシア財務相はG20での中国批判には及ばなかったが、人民元安批判の中で「為替レートを操作して一部の企業を過保護にする」のは間違いだと述べた。「中国の為替政策についてそのような激しい議論が行われている。中国は為替レートを操作し続けている。正しい為替レートは、客観的な要因に決定されるものであって、中央銀行の行動によって決められるものではない」
しかし、恐らく最も強力な圧力をかけたのは、南朝鮮、台湾、インドネシアといった、輸出依存症アジア経済である。これらの国々の中央銀行は日々、通貨の値上がり対策に奔走している。インドネシア財務相によれば、アジア諸国は人民元について心配している。インドネシア・ルピアは今年に入り、対ドルで16%ほど値上がりした。「中国が変化の必要性を分かるような形で話し合わなければならない」と同財務相は言った。
オバマ大統領は、来週の北京訪問の折に、中国政府当局者に人民元問題を取り上げる計画だと言っている。「様々な問題とともに通貨問題を取り上げる。米中は、両国が利益を得る貿易を奨励する、広範な政策に至るだろうと確信している」とオバマ氏は月曜日のインタビューで述べた。これまでのところ、オバマ氏は中国を通貨操作国とレッテル付けろ、との圧力に抵抗している。
(私のコメント)
オバマ大統領の訪中の主な議題は人民元の切り上げの問題になるだろう。中国は政治的な譲歩としてある程度の元の切り上げに応ずるかもしれない。しかしそれ以上の見返りを要求するはずだ。このように中国はアメリカと対等に交渉する事ができるが日本はこのような対等の交渉が出来ない。日本はアメリカに思いやり予算まで付けて米軍基地を提供しているのに、アメリカに対等に交渉が出来ないのは国民の自立への覚悟が出来ていないからだ。