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ドル安を示しているに過ぎない金価格の上昇(KlugView)
2009/11/13 (金) 14:47
すでにご存知の方も多いと思いますが、ここ数日、金価格の上昇が続いています。11月11日の金先物価格(NYマーカンタイル取引所)は、終値で前日比12.10ドル高の1オンス1,114.60ドルと史上最高値を更新しています。
金価格が上昇する背景として、ドル安が指摘されています。米国では失業率が10.2%を記録するなど景気先行き不安が高いほか、ゼロ金利政策・量的緩和政策の長期化が避けられないとの見方が強まり、ドルの下落が続いています。金の価値が一定であれば、ドル安に伴い、ドル建ての金価格が上昇する、ということになります。
ただ、仮にドル安によってドル建ての金価格が上昇したのであれば、円建てやユーロ建ての金価格は変わらないはずです。しかし実際には、円建ての金価格も上昇しています。日本で金先物取引をしている東京工業品取引所では、11月12日に1グラム3,247円(清算値)と年初来高値を記録しています。
ドル建てだけでなく、円建てでも金価格が上昇していることから、金に対する需要の高まりを指摘する声もあります。11月2日、インド準備銀行(中央銀行)は、IMF(国際通貨基金)から200トンの金を購入したことが判明しています。また今年に入り、中国が金保有量を600トンから1,054トン、ロシアが495トンから568トンに増やしています。
たしかに金需要が高まり、金価格がどの通貨建てでも上昇傾向にあるのは事実でしょう。しかし、ドル建てに比べれば他通貨建ての上昇ペースは緩やかです。また、物価上昇の影響を加味した実質ベースで金価格をみると、1980年代につけた1オンス875ドルは、現在の2,200ドルに相当します。つまり実質ベースで見れば、現在の金価格は、実質ベースの史上最高値の半値程度といえます。
そもそも、新興国が金保有高を進めているのは、ドル安によってドル建て資産が目減りすることを懸念したためといわれています。金需要の高まりも、ドル安によるものとすれば、金価格の上昇の主因はドル安といえます。
日本に住む我々とすれば、ドル安による金価格の上昇が、上昇ペースが緩やかとはいえ、円建ての金価格にも波及していることを懸念すべきと思います。言い換えれば、現在のドル円レートは、ドル安の流れを反映しきれていないともいえます。日本経済の脆弱性を考えれば、ドル安・円安のシナリオも十分ありえますが、ドル安の流れがドル円にも波及すれば、ドル円はさらに下落する展開となります。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
11月2日、インド準備銀行(中央銀行)は、
IMF(国際通貨基金)から何トンの金を購入したことが判明した?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
200トン
http://www.gci-klug.jp/klugview/2009/11/13/007354.php