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ウォルマートデフレか? 公契約インフレか? それが問題だ。
http://blog.livedoor.jp/usretail/archives/51321394.html
ウォルマートが12日発表した第3四半期(8月〜10月期)決算は、在庫圧縮によるコストコントロールが貢献し増益となった。
総売上高(サムズ・クラブの会員費含む)は前年同期比1.1%増の991.4億ドルだった。為替変動を調整した場合は、3.8%増の1,012.8億ドルとなる。純利益は32.5億ドルで、前年同期の31.4億ドルから3.5%増と、予想を上回った。また、既存店・売上高前年同期比では、国内ウォルマート(スーパーセンター、ディスカウントストア)の既存店(ガソリン含まず)は0.5%減と、5〜7月期に続き前年を割り込んだ。客数は順調に伸びたが、食品などで価格下落が進んだことで目減りした形だ。サムズ・クラブの既存店は0.1%減となっている。
ウォルマートは第4四半期の既存店・売上高前年同期比を、横ばい〜1%減のレンジとの見通しを発表している。
ウォルマート第3四半期(8月〜10月期)
総売上・前年同期比:1.1%増
純利益・前年同期比:3.5%増
既存店・売上高前年同期比:0.4%減(国内)
⇒ こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。ウォルマートは11日、感謝祭日(11月第4木曜日:26日)にもオープンし、店を閉めないでそのまま翌日早朝のブラックフライデー・セールを行うことを発表しました。これは昨年のブラックフライデーセール時に、スタッフが殺到するお客に踏まれ圧死するという事件が起こったことによる対処ということです。昨年以上に今年は安売りを求めて行列ができると思われますから、事前に対策をとっておかないと、事故が起きた場合、最悪のPRを招くことになりますから。今のウォルマートにとって広告以上にどのようにニュースに取り上げられるかが大きな課題です。
⇒一部のクライアントにもお話していますが、ウォルマートのPR部門はこれまで「コストセンター」の位置づけでしたが、前CEOのリースコット氏の時代から「プロフィット(利益)センター」に位置づけを変えています。ABC局のネットワークニュースは先週、ミシガン州のブルーベリー業者が5歳の女の子など児童を違法に働かせている実態を明らかにしていました。ウォルマートなどにも卸している業者でしたので、ウォルマートはこの業者との取引をすぐに中止し、調査を行うとともに担当者がテレビインタビューに応じていました。ウォルマート関連のニュースを見て感じるのは、ウォルマート側の反応の速さというか「手際の良さ」です。ニュース等を相当、注意してみていることがわかります。が、PRは問題が表面化する前に手を打たなければなりませんので、まだ微調整が必要でしょう。
⇒ところで、クリスマスを前に新刊書籍10作品10ドルやら人気映画DVDの先行予約10ドルなど、安売り合戦が激しさを増しています。で、今度は、ターゲットがブラックフライデーセールにブルーレイディスク(BD)の安売りを仕掛けているということが漏れてきています。『グッドフェローズ(Goodfellas)』やスタンリー・キューブリック監督の映画『2001年宇宙の旅』、ウィル・スミス主演『アイ・アム・レジェンド(I AM LEGEND)』等の人気映画や新作映画BDがブラックフライデーに9ドルになるということです。たぶんウォルマートもターゲットを意識した価格になりますから、BDの激安合戦が必至でしょう。ちなみに10ドル以下の価格戦争となった『ハリー・ポッターと謎のプリンス』のBDも、ウォルマートやベストバイ、アマゾン・コム等で16〜17ドルと値下げされています。
09年4月3日 - 【ウォルマート】、プロジェクト・インパクトとは?(スライドショーの画像あり)
09年6月27日 - 【マイヤー】、アイテム数圧縮トレンドの中、小型スーパーセンターをテスト
⇒さて、今回の業績発表で顕著に目立つ点は、在庫を4.1%も圧縮しているところです。これは広々として店内を提供するためのプロジェクト・インパクト戦略の結果ともいえます。仕入先を絞ったことでしょうか、粗利益率が前年の24.6%から25.2%に0.6%も拡大しています。ただし課題もあります。リテールフォーワード社の調査によると、ウォルマートへ買い物を行く機会が昨年より増えたと答えた人が14%に上るのに対して、買い物頻度が減ったと回答したお客は24%になっています。どうやらトレードダウンしてくる新規のお客(収入でみればミドル層)が増えている反面、既存の顧客(低所得者層)が、これまで購入していた商品がなくなったことで、買い物に行かなくなっているのではと推測しています。これはプロジェクト・インパクト(PI)が失敗だったいうのではなく、微調整の必要性を表していると思います。
PRにしてもPIにしてもまだまだ微調整が必要なのです。