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「強いドル」を共有できなかった藤井・ガイトナー会談(KlugView)
2009/11/11 (水) 09:26
藤井財務相は、11月10日の夜、来日中のガイトナー米財務長官と会談しました。13日のオバマ米大統領の訪日を前に、経済政策面での日米協調を確認することが目的だったようです。
報道によると、会談では、藤井財務相が、日本経済を外需依存から内需主導に転換する方針を表明し、「今はいろいろあるが、ドル経済が基本だ」と述べ、日本として「強いドル」を支持する考えを強調したそうです。一方、ガイトナー長官は、日本の内需主導への転換を歓迎するとともに、米国が過剰消費体質を見直し、貯蓄率の向上に取り組む姿勢を示したといわれています。
会談終了後、藤井財務相は記者団に「経済についてはガイトナー氏と完全に一致している」と述べ、為替相場については、「ドル経済は基本であり、ガイトナー氏が強いドルを求めることは多としている」と述べたそうです。藤井財務相のコメントを素直に受け取れば、米国のドル高政策は続いている、と考えたくなります。
しかし、報道によると、ガイトナー長官は、藤井財務相の「強いドル支持」発言に対して、「うなずいた」だけであり、米国がドル高政策を望んでいる、と言明したわけではないそうです。この点については、日本経済新聞も解説面で指摘しており、見出しにて「ドル安対応に温度差」と指摘しています。
ガイトナー長官が言明したことが、米国の過剰消費体質の見直しと貯蓄率向上への取り組みであるならば、米国の経常赤字は縮小し、米国の資金需要も以前に比べ低下します。ドル高政策は、経常赤字をファイナンスすべく、米国への資金流入を続けるための施策ですが、資金需要が低下すれば、無理にドル高政策を続ける必要はなくなります。つまり、ガイトナー長官は、明言しないまでも、ドル高政策の必要性を示していません。
むしろ、今の米国にとっては、ドル高よりもドル安の方がメリットは大きくなっています。ドル安になれば、米国の輸出拡大し、米製造業の雇用拡大も期待できます。また、ドル安はドル建てでみた対外資産を拡大させるため、対外資産を多く保有する大手金融機関のバランスシート改善効果も期待できます。
ガイトナー長官が、日本の内需主導への転換を歓迎したように、今の米国は、ドル高政策で資金を集めることよりも、他国の需要拡大を取り込むことに興味を向けています。そんな米国に日本にとって都合が良い「強いドル」や「ドル高政策」の維持を求めても、米国が真面目に取り組むことはないのでしょう。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
11月10日に藤井財務相と会談した米国要人は誰?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
ガイトナー財務長官
http://www.gci-klug.jp/klugview/2009/11/11/007322.php