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(回答先: 為替こうみる:ヘッジファンドはIMFと日銀リポートで日本売り=草野GF 草野氏 投稿者 gikou89 日時 2009 年 11 月 10 日 01:47:34)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091109-00000032-zdn_mkt-bus_all
今週はオバマ米大統領が日本に来る。今回は前回の初顔合わせほど和やかな雰囲気にはなるまい。米軍の普天間基地移転問題の結論に達することは米国も期待してはいないだろうが、ずるずると結論を先延ばしすることに対してはしっかりと釘を刺してくるだろう。
安全保障問題や外交問題では、民主党のドタバタぶりが目立つ。政権の座についたことがない政党だから、これまでの経緯やら何やら初めて見たり聞いたりすることも多いのだろうと思う。知らなかったことも含めて官僚から説明を聞いているうちに、なるほどと納得しかかることもあるだろうし、あるいは官僚側が民主党のマニフェストと現実的な政策が矛盾しないような「こじつけ」をひねり出すということもあるように見える。
●マニフェストからの方向転換が稚拙
不幸なことに、安全保障の問題では原理論的な議論が幅をきかせている。そもそも米軍基地などいらないのだから、普天間基地の県内移設などは論外、即刻廃止あるいは国外移設をすべきだというような議論である。こういった論者とは、中国の軍事拡張路線の脅威にどう対応するのかというような現実的な話は通じにくい。軍事力も軍事力を行使するのも絶対的な悪であるからだ。
民主党は、もちろんそれほどの原理論者ではないけれども、野党であるときには対米追従をキーワードに、イラクへの自衛隊派遣、インド洋での給油活動、ソマリア沖の海賊対策での自衛艦派遣と何でも反対してきた。普天間も同じである。そして民主党は、対米追従の代わりに国連中心主義をキーワードとして持ち出してくる。これはこれで問題はあると思うが、ひとまず置いておく。
しかしいったん政権の座についたとき、国際的な約束事はそう簡単に反故(ほご)したり、見直したりできるものではない。問題は、それまでの主張と現実的な政策との整合性をどう取るのかということである。その意味で鳩山政権の失敗は、マニフェストからの方向転換がいかにも稚拙であるということだ。
普天間問題に関して言えば、北澤防衛大臣の「辺野古移設は必ずしも国外、県外移設をめざすマニフェストに反していない」という発言やら、岡田外務大臣の「嘉手納統合もひとつの案」といった発言は、いったい何のために言ったのだろうか。それぞれの大臣が思いつきで発言したのならそれこそ論外。いろいろな案があっていいなどとのんびりした発言をする鳩山総理の気がしれない。なぜならそうした発言で、米国側は対応を考えてくるからである。意味もないバラバラ発言であるということになれば、今度はアドバルーンを上げて相手の行動を読もうとしても、相手はまともに反応しなくなる。
●鳩山政権は「アマチュア集団」
米国側にとって、外交で右往左往する鳩山政権は「アマチュア集団」に見えるかもしれない。そう見られてしまうと、鳩山首相がかかげる「東アジア共同体」についても、米国の理解や協力は得にくくなるだろう。アマチュアがこのようなことを言い出せば、老獪(ろうかい)な中国外交に絡め取られて、要するに東アジアに中国が覇権を持つ経済共同体ができるだけ、ということにもなりかねないからである。北アメリカ、欧州、東アジアという経済圏が成立し、ブロック経済になって相互に反発しあえば、その結果は世界経済危機の再来でしかない。
米国側が外交アマチュアの鳩山政権に対して、どのくらい寛容と忍耐をもって接するのか。その答えはおそらくオバマ大統領が離日するころにははっきりするだろう。
外交問題などよりも緊急の課題をたくさん抱えている日本。経済の落ち込みをどう防ぐのか、将来的な展望をどう切り開くのか、GDP(国内総生産)の2倍にも達しそうな公的債務をどう軽減していくのか。こんなときには、外交でできるだけ波風を立てないのが得策であるはずだ。しかしすでに波風を立ててしまったのが普天間基地問題(もともと総選挙で県外移設を唱えて沖縄で勝ったときに決まっていたのかもしれないが)。これをどう処理するのか。率直さが売りの鳩山政権だが、それだけで国民の支持を得続けることはできないのである。【藤田正美】