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エコナビ2009:住信・中央三井統合発表 巨大化に活路求め【毎日JP】
http://mainichi.jp/select/biz/news/20091107ddm008020022000c.html
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◇11年4月、総資産で信託首位に
住友信託銀行と中央三井トラスト・ホールディングス(HD)は6日、東京都内で共同会見し、11年4月に経営統合すると発表した。総資産は計36・2兆円(連結ベース、6月末)で、信託銀行では三菱UFJ信託銀行(22兆円、3月末)を抜いて首位に浮上。大手銀行グループ全体でも、りそなHDに次ぐ5位となる。金融危機で経営環境が悪化する中、統合による業務効率化で収益力を高める。
11年4月に住友信託が中央三井との株式交換で、持ち株会社「三井住友トラスト・ホールディングス」(仮称)を設立。住友信託、中央三井信託、中央三井アセット信託を傘下に収める。12年4月に3行が合併し、「三井住友信託銀行」(同)に改称する。持ち株会社の社長は中央三井、合併行の社長は住友信託から出す予定。持ち株会社、合併行とも、取締役は両グループ半数ずつで構成する。本店は、住友信託などが東京・丸の内に建設中の新ビルに置く。
両行統合の背中を押したのは、昨年秋以降の世界的な金融危機だ。中央三井の09年3月期連結決算は、保有株の下落などで大幅な赤字に転落。一方の住友信託は、消費者金融アイフルへの融資などの拡大路線が裏目に出て不良債権が増加し、本業である信託業務への回帰を迫られていた。生き残るためにたどり着いたのが、互いに「いずれは一緒になる」とみていた両行の統合だった。
信託銀行は、年金運用や投資信託管理など、多額のシステム投資を求められる「装置産業」(信託銀幹部)。統合すれば大幅な投資額抑制につながる。重複する29店舗の統廃合や管理部門のコスト削減も見込め、収益力は改善する。6日会見した住友信託の常陰(つねかげ)均社長はコスト削減効果について「システム面など少なからずある」と強調。市場関係者からも「運用資産が大きいため、人員やシステムコストの削減の余地も大きい」(クレディ・スイス証券の伊奈伸一氏)と前向きな評価が多い。
一方、両行は「(貸し出しなどの)銀行業務と資産運用・管理、不動産業務を融合させる」との将来像を掲げたものの「統合の意義は、規模の経済以外にないのでは」(BNPパリバ証券の中空麻奈氏)と厳しい声もある。さらに中央三井に投入されている公的資金約2000億円について田辺和夫・中央三井社長は「統合前に返せなければ、統合後の銀行として返す」と説明した。【山本明彦、清水憲司】
◇自由度重視、メガ傘下回避
両行の統合は、本格交渉を始めて3カ月足らずで合意にこぎつける「スピード交渉」で決まった。背景には、メガバンクで唯一、信託銀行を持たない三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)の動きがある。
両行は04〜05年にも統合を模索したが、主導権争いで決裂。だが、その後も田辺社長は住友信託の森田豊前社長と定期会合を設け、接触を続けていた。後継の常陰社長とも関係を維持。金融危機による業績悪化で公的資金の返済が遅れ、政府が筆頭株主となった8月になると、統合に向けた動きは加速した。
SMFGも早くから両行に秋波を送ってきた。特に、公的資金の返済問題を抱える中央三井には積極攻勢をかけていたといい、中央三井幹部は「金融庁なども巻き込んだ動きは『圧力』とも感じられた」と明かす。
しかし、メガバンク傘下に入れば、法人向け貸し出し業務の縮小を迫られるなど、経営の自由度を奪われかねない。常陰社長は会見で「(メガバンクの)傘下に入ったところは、業務が(財産管理や不動産業務などに)限定される」と説明。田辺社長もSMFGとの統合について「今のところ全く考えていない」と断言する。
一方、「信託専業として独立を維持するには、圧倒的なシェアが必要」との声も強く、SMFGを巻き込んだ新たな再編の芽は否定できない。【小倉祥徳】
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毎日新聞 2009年11月7日 東京朝刊