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(回答先: 突出、日本の財政悪化…IMF見通し 投稿者 gikou89 日時 2009 年 11 月 04 日 11:18:37)
http://www.business-i.jp/news/bb-page/news/200911030010a.nwc
米マサチューセッツ州スプリングフィールド市の財務担当者を4年間務めたサルバトーレ・カルバネーゼ氏は2007年、サブプライムローンが組み込まれた債務担保証券(CDO)に投資した。
その商品を販売した金融のプロの「安全な商品」という言葉を信じていたといい、「単に好利回りのマネー・マーケット・ファンド(MMF)だと思っていた。“CDO”なんて言葉を誰も使わなかったし、自分もどうせそれが何かを理解していたか定かではない」と話す。CDOを販売したメリルリンチの担当者はカルバネーゼ氏に対し、MMFに投資しているのだと説明したという。
◆情報公開が欠如
だが、もしカルバネーゼ氏をはじめとする市当局側が、税金を使って投資を行う際に証券の情報開示書類を見ると主張していたら、実際にはMMFではなくさまざまな発行体の債券やローン債権が組み込まれた証券を購入していたことがわかっていただろう。カルバネーゼ氏自身、商品のリスクについて記載された当該書類を見ることはほとんどなかったと認めている。
カルバネーゼ氏はCDOへの投資が発覚すると、税金1400万ドル(約12億5958万円)を危機に陥れたという理由で解雇され、この処分に対する不服を申し立てた。
スプリングフィールド市当局とマサチューセッツ州司法長官は、公共部門の投資について州の定める規制に違反する金融商品を販売したメリルリンチの担当者に市側がふりまわされたと主張。カルバネーゼ氏はメリルの担当者が州法に準じた取引だと保証していたと言明した。
バンク・オブ・アメリカに買収されたメリルリンチは、本件について投資資金1400万ドルを返すとともに、7月には追加で30万ドル支払うことに合意した。
ブルームバーグが10以上の州で集計したデータをみると、スプリングフィールド市のような財政の失敗は、行政当局の情報公開や説明責任の欠如から起こりうる。そしてこのような当局の失策のツケを払わされる米国民の負担額は、年60億ドル相当にのぼる。
米国勢調査局や米保健社会福祉省(HHS)によれば、当局の失敗で失われた税金はミネソタ州ミネアポリス市、フロリダ州オーランド市、ミシガン州グランドラピッズ市の住民全員の医療保険を賄うに十分な額だという。
過去1年半の間に、インディアナ州インディアナポリス市やペンシルベニア州フィラデルフィア市、フロリダ州マイアミ市、そしてカリフォルニア州オークランド市の地方公共団体は、銀行との金利スワップ契約を終わらせるために3億3100万ドルを支払った。
260億ドルの寄付を集め世界で最も資金力のある米ハーバード大学ですら、ウォール街の金融商品にしてやられた。同大学は6月30日までの会計年度内に11億ドルのスワップ契約を取り消すために4億9760億ドルを投資銀行に支払った。
米国勢調査局のデータによると、米国には8万9000余りの市、郡、学校区、その他地方公共団体が存在する。政府財務担当者協会(GFOA)のジェフ・エッサー氏は、毎年、約5000人がGFOA主催の研修に参加していると述べ、会員の教育水準や訓練、プロ意識は「格段に上がった」と主張。
◆プロ意識に問題
だがアリゾナ州モハビ郡の郡政執行官らは、財務担当者のリー・ファブリツィオ氏のプロ意識を問題視した。執行官が昨年実施した調査で、ファブリツィオ氏はゴルフざんまいでオフィスにはほとんどいないとの報告を郡職員から受けていたのだ。
08年7月に郡のマネジャーが行った報告によると、ファブリツィオ氏は職員に以前、「何もせずに給料がもらえるのはいいね」と語ったという。
ファブリツィオ氏の年俸は5万6500ドル。同氏はそんなことを言った覚えはなく、毎日オフィスにいたと弁明し、1日に昼食の2時間を使って9ホールを回ったのだと釈明した。
職員の不満吐露が調査の口火を切り、ひいては州の監査にまで発展した。8月28日の監査報告でファブリツィオ氏は競争入札の証拠がない社債購入を行い、証券会社の経歴を詳細に調べていなかったばかりか、リーマン・ブラザーズ・ホールディングスが08年9月15日に破綻(はたん)した後にもかかわらず、500万ドルのリーマン債を引き続き、原価で計上していた。
このリーマン債が購入されたのは07年後半。このとき郡の財務担当者は、運用枠の約25%に相当する5000万ドルを使って11件の社債に投資したが、11件中10件がリーマン債やベアスターンズ債などの金融債だった。
ファブリツィオ氏は「よからぬ投資だったとしても、自分にはその違いがわからなかっただろう。私は投資の専門家ではないのだから」といい、自分が雇用した代理人に投資にかかわる決定を委ねていたと語った。
郡が処罰することはなかったが、同氏は昨年、投票で除籍された。
アリゾナ州キングマン学校区の財務担当者、ワンダ・フバード氏は、リーマン債の損失で同学区内の児童7000人の予算100万ドル近くが失われたことになると指摘し、「闇で増税されているようなものだ」と非難した。(Peter Robinson、Pat Wechsler)