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(回答先: 【一筆多論】井伊重之 3月雇用危機に備えよ 投稿者 gikou89 日時 2009 年 11 月 02 日 01:57:24)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091101-00000507-san-pol
八ツ場(やんば)ダムのPRセンター「やんば館」。建設反対闘争の歴史や住民の苦渋の決断の末に着工に至った経緯などを、多くの人に知ってもらおうと平成11年4月に建設された。総工費約2億円。1階に展示フロア、2階に会議室を備えている。
施設にはこんな文言が掲げられている。「ダムが完成すると、今立っているここは水没します」
建設から10年で訪れた客は約27万人。1日平均73人。地元には「無駄な箱物の象徴。大金を投じたのになぜ水没させるのか」という声がある。
八ツ場ダムの総事業費は当初、2110億円だった。それが、16年に4600億円へと増額修正された。立ち退き補償費が当初予定の3・5倍。鉄道や道路の付け替え工事費も倍増。すでに3210億円が投入済み…。
多くの無駄やそれに群がる人がいたのも事実だ。
◇
国や県の生活補償案が、地元に示され始めた昭和55年以降、ダム予定地では異様な光景が広がり始めた。
水没予定地の山林が次々と伐採され、プレハブ小屋が建ち始めたのだ。土地を取得したのはほとんどが群馬県以外の人。東京都内の不動産会社などの名前があった。買収された総面積は約10万平方メートル、甲子園球場の2・5倍になるという。
3・3平方メートル(1坪)で1500円ほどの山林地を3倍ほどの値段で買い取り、4万5千円ほどで転売する。小屋を建てることで「宅地」として高い補償金で買い取ってもらう算段だったとみられている。
総事業費4600億円に対し、八ツ場ダムの本体工事関連費は620億円しかない。立正大経済学部の藤岡明房教授(公共経済学)は、「総事業費に占める本体工事費の割合は、異例なほど低い」と指摘する。
藤岡教授の指摘では、公務員も、ダム事業費を膨らませてきた一因だ。「簡単に総事業費が増額されたことに象徴されるように、役所には費用や時間の感覚が希薄。計画ができて半世紀。ここまで長期化してきたことが事業費をふくらませてきた」と藤岡教授。地元からも「現場で働く職員の人件費が、一番の無駄遣いだ」という声すら上がっている。
◇
住民との交渉など地元対応を行っている「八ツ場ダム工事事務所」には、約90人の職員のほか非常勤の短期契約職員、やんば館にも常時2人が勤務する。みな税金から給料が出ている。昨年までは、事務所には公用の所長車があった。
八ツ場ダムをストップさせる市民連絡会の嶋津暉之代表は「役人がいい思いをするために、八ツ場ダムが存在する意味がある。国交省職員の天下り先企業へのダム関連事業の委託もある」と指摘する。
そんな点では、ダム建設中止を訴える住民も、中止撤回を訴える住民も認識は同じだ。
10月19日に6都県知事が群馬県長野原町を訪れて行われた住民との意見交換会。地元、川原湯温泉旅館組合の豊田明美組合長は中止撤回を求める一方で、こう求めた。「無駄遣いをなくすことは大賛成。削れるところは削って、ダム建設を速やかに進めてほしい」
マニフェストに沿って、全国143ダムに行われる建設見直し作業。公共事業に群がる人たちにまでメスが入る予兆はない。