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http://www.asahi-net.or.jp/~VB7Y-TD/211031.htm
3449.米経済政策に矛盾?
米国はドル基軸通貨制度維持と人民元とドルのリンク制のために経
済政策に矛盾を生じている。 Fより
米国経済は7〜9月年率GDP3.5%成長になり、米景気の底入れを裏
付けたが、個人消費の前期比年率3.4%増が大きな要因であった。
この個人消費の伸びは、米政府が8月下旬まで実施した低燃費車へ
の買い替え支援で押し上げたものである。
このため、9月の米個人消費0.5%減で、政府支援が切れると元に戻
ることが確認されて、30日のNY株は急反落して、前日に上げた140
ドルを帳消しにした240ドルの大幅な反落となっている。自動車など
の耐久消費財の9月消費が前月の6.1%増から7.0%減に落ち込んだ。
10月の米消費者信頼感指数も前月の53.4から5.7ポイント低下して、
雇用情勢の改善の遅れなどから、消費者心理に再び陰りが出てきた
ことが分かる。米ローマーCEA委員長は「米失業率は2010年末ま
で弱含む」と語り「失業率低下には2.5%以上の経済成長が必要」と
も指摘して、当分失業は増えると言う。
そして、9月の新築一戸建て住宅販売件数は前月と比べ3.6%減った
。このように米国の景気は、底に達したがV字回復はなく、底に着
いたままの状態が続くことになる。
このため、中小企業金融を行う経営危機に陥っている米ノンバンク
大手CITグループは早ければ11月1日にも連邦破産法11条(日本の民
事再生法に相当)の適用を申請する見通しである。また、23日まで
に米地域金融機関の破綻件数が17年ぶりに100件を突破した。
オバマ米政権は景気対策を拡大する方向に動き始めた。失業率上昇
や民需低迷など実体経済は依然厳しく、来年の中間選挙をにらみ家
庭や中小企業向けの施策の継続や一部拡充案が浮上している。だが
、政権内では財政赤字の拡大を懸念する声もある。
この一環として、米下院民主党は、医療保険制度改革として、新た
な公的保険の創設を盛り込み、現在80%台半ばの国民の保険加入率
を96%に引き上げるで10年でコスト81兆円という案を提出している。
このように財政赤字は拡大する方向にある。この財源は米国債の発
行になるが、この米国債の買い手は限られている。FRBは、購入
枠上限に到達して長期国債買い切りを終了した。ということは、買
い手は主に中国しかないことになる。米国債の購入希望者が少なく
なると、長期金利が上昇して、金融引き締めが起こり、景気刺激効
果をなくす。また、人民元がドルとリンクしているので、ドル下落
でも中国製品は価格上昇を起こさないことになる。
中国製品を米国は輸入され続けて、国内産業を圧迫することになる。
このため、米商務省は中国の鉄鋼2製品をダンピングと仮決定して
輸入を抑えること政策に出た。タイヤに続いてダンピング制裁関税
を設けることでしか中国製品を抑えることが出来ない。
これに対して、中国側も米国製自動車に対して反ダンピング(不当
廉売)調査を実施している。このように米中間貿易戦争が起こって
いる。米国債購入と人民元レート維持がリンクしていることによっ
て、価格的に輸入品のガードできずに、米国内産業の雇用が失われ
るという矛盾が生じている。
もう1つ、ルービニ教授は、ドル札の大量供給が「巨大な」資産バ
ブルの形成につながっており、新たな金融危機を引き起こすリスク
があると「すべてのキャリー取引の源がある。みんなが同じゲーム
をしており、このゲームは危険になりつつある」とし、FRBは利
上げを実施し、国債購入などの刺激策を解消する必要があると述べ
ている。これと景気対策による米国債発行の間にも矛盾が生じてい
る。
このような背景からフレッド・バーグステンは、「基軸通貨として
のドルはもはやアメリカの国益に合致しない」と述べることになる
のだ。
そのドル基軸通貨制度は石油とリンクしていることから来ているが
、サウジアラビア国営のサウジアラムコが、米国向けの原油販売価
格を決める基準として米国産標準油種(WTI)を使うのを止め、来年
1月から英アーガス社の指標に切り替えると発表した。これはWTIの
意味が無くなることになる。世界の石油価格はドルリンクしている
米国が決めていたが、これで米国の石油に関する力も無くなる事に
なる前兆でもあると見える。
早く、アジア諸国は共同して米ドル基軸通貨体制から離脱する動き
を明確にして、中国の人民元や日本の円を中心とした体制を作るこ
とである。米国の覇権が崩壊する前に、次の世界体制をアジアが作
ることであると見る。その中核は日中韓の3国である。
さあ、どうなりますか??