★阿修羅♪ > 国家破産65 > 658.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
コモディティとBRICs各国が抱える内部事情
http://www.asyura2.com/09/hasan65/msg/658.html
投稿者 gikou89 日時 2009 年 10 月 22 日 11:24:54: xbuVR8gI6Txyk
 

(回答先: 米国、ドル安にならなければ新たな危機=コノリー・グローバル 投稿者 gikou89 日時 2009 年 10 月 22 日 11:20:33)

http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=1022&f=business_1022_053.shtml

「新興国の成長が世界経済を牽引し、世界経済は高い成長を続けるというバラ色のシナリオは、サブプライム問題やリーマン・ショックを契機としたバブルの崩壊で色褪せてしまった」と、光陽ファイナンシャルトレードのストラテジスト、二本柳直人氏は語る。今後のコモディティ市場と新興国の関係は、現実を踏まえて冷静に見ていく必要があるとする。

  BRICsに代表される新興国の経済成長は、サブプライム問題やリーマン・ショックによって、足元ではいくぶん減速気味に推移しているものの、成長への歩み自体は着実に進んでいる。BRICsについて言えば、そう遠くない将来に世界の新たな消費支出の重要な源となり、2039年までには、先進国(G6:米国、日本、英国、ドイツ、フランス、イタリア)を上回る可能性があり、2050年には世界の経済大国ベスト5のうち、3国がBRICsで占められる(中国、インド、ブラジル)という有名な予測もある。

  もっとも、こうしたプラス面についてはよく喧伝されるものの、ネガティブ材料については遠ざけられるケースも多い。BRICs各国は、経済成長を実現していくうえで障害となる固有の問題を抱えているので、今回はあえてそうした面に焦点を当ててみたい。

  中国は、経済成長によって国民が豊かになる前に高齢化が進み、近い将来深刻な問題を引き起こす可能性がある点に注意が必要だ。80年代に実施された「一人っ子政策」は、子供の減少をもたらしたが、最近では都市部を中心に所得水準が上昇したことで子供一人あたりの教育費が増加し、結果として子供の数が少なくなるという事態が生じている。

  このため、中国における老年人口の増加スピードは凄まじく、今世紀中に人口の約3分の1にあたる4億人以上が60歳以上となって米国の総人口を追い抜くとの予測がある。また上海市では、すでに人口の20%以上を60歳以上が占めており、この比率は2030年に40%に達するとみられている。中国の経済成長をつかさどる原動力として常に13億を超える人口が挙げられるが、これは諸刃の剣になると考える。中国は、経済発展が十分になされる前に高齢化社会が到来するため、億単位にのぼる高齢者をどうやって食べさせていくかという極めてやっかいな問題に直面するからだ。

  インドでは、今なお根強く残る「カースト制度」が成長の足かせになる懸念がある。高貴な階層に属する人たちほどタブーとされる食べ物が多く、完全な菜食主義をとる人々もいる。今後、経済的に豊かになる人が増えるにつれて、上位のカーストと同じ生活・行動スタイルをとることで社会的な成功者としての地位を得ようとする動きが強まると予想される。そうなると、経済的に豊かになっても、いわゆる欧米的なライフスタイルに移行しない可能性が出てくるわけで、“経済成長イコールコモディティ需要の増大”にはストレートにつながらないことも考えられるのである。

  ロシアは、今回の金融危機によって改めて経済の脆弱性が意識されることとなった。以前からロシアは「Oil&Gas」と揶揄されていたが、原油や天然ガス相場の急落によって経済が本当にガタガタとなってしまったのである。また原油を送るためのパイプやさまざまなシステムは、旧ソ連時代からほとんど更新投資がなされていないため、原油相場が堅調に推移したとしても今度はボトルネックの問題に直面する公算が大きいと考えられる。

  また男性の平均寿命が59歳と非常に短いことも、今後の経済成長にとって阻害要因になる可能性が高い。旧ソ連の崩壊に伴う経済的な混乱の影響で、職を失い生活に困窮した男性がアルコールに対する依存度を高めたことなどが要因として挙げられており、国の雇用・福祉政策による支援などが重要になってこよう。

  ブラジルは、BRICsのなかで最も潜在的な成長力が高い国と思われる。だが、新興国の経済成長に不可欠な海外からの投資を阻害するような要因を抱えている点が問題だ。とりわけ、ブラジルに進出する外国企業にとっては“ブラジルコスト”の存在が大きなネックとなっている。

  “ブラジルコスト”とは、税金や人件費の高さ、年間200万件を超えるといわれる労使間訴訟、行政手続きの煩雑さなど、海外企業がブラジルで事業活動を展開するうえでのさまざまな負担の総称である。左派のルーラ現政権は、社会福祉の充実や最低賃金の引き上げなどによって低所得者層の生活水準を向上させるねらいを有しており、企業活動の障害となるこれらコストの改善は遅々として進んでいないのが現状である。また、オーストラリアと同様に、コモディティ輸出において中国に対する依存度が高くなっていることは、プラスとマイナスの両面があるので注意が必要となってこよう。

  上述のように、中国、インド、ロシア、ブラジルの各国はBRICsという言葉で一括りできないほど、それぞれの内実が異なっている。しかし各国ともに、当面は高成長を維持することが見込まれるため、コモディティに対しては相場を押し上げる要因になることは間違いないだろう。ただし、人口の多さや豊富な資源などを背景に、足元の高成長がそのまま続いていくと単純に考えることに対するリスクには気を付けるべきだろう。(おわり)(取材・文責:サーチナ・メディア事業部)
 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。