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ニュースと独断---【中南米各国の仮想通貨「スクレ」導入】は世界通貨の創造への第一段階か?】
http://www.asyura2.com/09/hasan65/msg/613.html
投稿者 ミスター第二分類 日時 2009 年 10 月 19 日 21:25:22: syFUAx3Wc1pTw
 

中南米各国の仮想通貨「スクレ」導入】は世界通貨の創造への第一段階か?


 いろいろ書こうと思っていたところに面白いニュースが入って来たので、解説を試みました。
 まずは以下の記事をお読みください。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091019-00000936-yom-bus_all

【中南米の反米左派各国、仮想通貨「スクレ」導入】----(読売新聞)

                       10月19日19時19分配信 読売新聞


【リオデジャネイロ=小寺以作】ベネズエラやキューバなど中南米・カリブの反米左派政権の国々が、2010年から相互の貿易決済に仮想通貨「スクレ」を導入することを決めた。

ドル基軸体制に揺さぶりをかけるとともに、域内貿易を活発化させて米国への経済依存度を抑える狙いがある。

 スクレを導入するのは、エクアドル、ボリビア、ニカラグア、カリブ諸国など反米左派の経済協力協定「ボリバル代替統合構想」(ALBA)に加盟する9か国。
 16〜17日にボリビアで開かれた首脳会議で合意し、ベネズエラのチャベス大統領は、「ドルの独裁から自由になるための重要な一歩だ」と強調した。

 当初は各国の通貨を一定比率で組み合わせた仮想通貨を中央銀行間の決済に使い、将来はユーロのような流通貨幣を目指すという。

 ただ、貿易決済に新通貨が導入されても、直ちにドルや米経済依存から脱却できる見通しは低い。

 ベネズエラとキューバは自国通貨の為替レートをドルと固定し、エクアドルは国内でドルを流通させている。

 加盟国の多くは米国が最大の貿易相手でもあり、ボリビアのホセ・リベロ輸出業組合会長は「スクレを使う機会は限られる」、キロガ元大統領も「実現性はない」と浸透に懐疑的だ。

 むしろ各国の現時点での主眼は、新通貨計画を打ち出すことで反米各国の結束をアピールし、米国を政治的にけん制する意味合いが大きいと見られている。
 一方で、南米ではアルゼンチンとブラジルが昨年から、二国間貿易を自国通貨で決済できるシステムを導入しており、実際の経済取引で緩やかな脱ドルの兆しも見られる。

                                 最終更新:10月19日19時19分
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[コメント]
 結論から言えば、最終的にドルの呪縛から離脱する事はできません。
 「仮想通貨」を通うとしていますが、SDRも仮想通貨と言う点では同じです。仮想と聞くと実態が無い怪しげなものとのイメージがありますが、現代の通貨はすべて仮想のもので。実際の違いは印刷された紙があるかどうか位の違いしかありません。
 仮想通貨のメリットは各通貨の価値(インフレ率や使用価値)や裏づけとなる金(ゴールド)などの実物資産の価格が変動したとしても、その構成比率や通貨の構成を変更する事で、価値の変化を最小限に止める事が簡単な点です。

 SDR等の合成通貨を使う位なら金や外国通貨をその割合で保有すれば同じではないか良いと言う意見があります。しかし、金や新興国通貨などの市場規模が小さく、流動性の低い実物資産や通貨の保有高をマーケットを通じて継続的に調整する事など、うまく行く筈がありません。

 それは数学で言うところの不定の関係です。「金の価格は通貨で決まり」、「通貨の価値は金で決まる」ような関係は数学で言うところの不定の関係で、それ自体が市場の混乱を招く原因となります。

 つまり結局のところ、流動性と決済性を保持した「準備通貨」として最も現実的な手段は合成通貨しかありません。
 
さて、報道内容を検証します。ポイントは以下の部分です。

>>・・・各国の通貨を一定比率で組み合わせた仮想通貨を中央銀行間の決済に使い、
>>・・・将来はユーロのような流通貨幣を目指す・・・
>>・・・貿易決済に新通貨が導入されても、直ちにドルや米経済依存から脱却できる見通しは低い。

 ドルや米経済依存から脱却できない事なんざ、当事国はよ〜く知っている筈です。そんなに中南米諸国はバカじゃありませんよ。(少なくとも、そこらのネトウヨよりはよほど賢い)
 では、なぜ導入するのか、現時点では謎ですが、想像する事はできます。世界通貨への参加の為です。

 過去の投稿で何度もSDRが本命だと書いてきましたが、SDRの構成通貨に入れるかどうかで、その国の経済的な立場は大幅に変わります。しかし、構成通貨に入れない場合には相当なデメリットが予想されます。

 国力を付けたと言え、新興国の通貨はまだまだ弱い。ロシアや中国でさえIMFから難癖をつけられ、問題ありとされている。よしんば、中南米の国が単独で、SDRの構成通貨になる事など、夢・・・・・

 では、どうするか・・・・連合です。近未来に予想されるSDRをベースにした世界通貨への参加が単独で無理なら、連合する事で、採用されるだけの経済力の強化が可能になる。
 採用されなくとも、政治体制と経済的な繋がりが強い国の間の決済システムに仮想通貨が導入され、事実上為替レートが準固定となる事でヘッジ・ファンド等の投機筋の攻撃から経済を防衛する事が可能になる。

 東アジア共同体等の夢を追いかけるのも結構ですが、共通通貨の創造は難しくとも、多国間で合成通貨が創造できるようになれば、大きな改善になる事を書いておきます。
 中国が無くても、韓国、インド、ベトナムなどの諸国と合成通貨を創造できれば、中国、アメリカとの関係で大きなアドバンテージになると見ているのですが・・・


ちなみに以上の前提条件を踏まえた上で報道を検証すると、以下の部分の謎が解けると思います。

>>・・・ベネズエラとキューバは自国通貨の為替レートをドルと固定し、エクアドルは国内でドルを流通・・・

>>・・・加盟国の多くは米国が最大の貿易相手でもあり・・・
>>・・・南米ではアルゼンチンとブラジルが昨年から、二国間貿易を自国通貨で
>>決済できるシステムを導入しており、実際の経済取引で緩やかな脱ドルの兆しも見られる。

 恐らく当面の目的は米ドルとの交換レートを有利にする為のものでしょう。
 そして最終目的はSDRが創造された時に無視されないための実績を確保する事でしょう。


[最後に余分な一言]
 合成通貨はまがい物だと言う方もいますが、EUが政治、経済的に完全統合されていない現在の状況てば、ユーロの実態は合成通貨そのものだと思うのですが・・・・。
 

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コメント
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語感が通貨っぽくて良いですね。「スクレ」。
2009/10/20 19:12

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