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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-12013220091019?sp=true
[東京 19日 ロイター]日銀は19日、各支店からの景気報告をとりまとめた「地域経済報告(さくらリポート)」を発表した。足元の景気について「引き続き地域差は残るものの、全体としては持ち直しの動きがみられる」と総括。
前回報告(7月)の「悪化ペースが鈍化しており、下げ止まりつつあるものの、引き続き厳しい状況にある」から判断を引き上げた。総括判断の上方修正は2回連続。
地域別では、前回7月に続き、全国9地域すべてが景気判断を引き上げた。2回連続で全地域が判断を上方修正するのは初めて。
白川方明総裁は冒頭のあいさつで、日本経済について「持ち直しつつある」と指摘、先行きについても「持ち直していく」との見通しを示した。
<生産・輸出の判断引き上げ>
需要項目別では、公共投資は「増加している」、設備投資は「厳しい収益状況などを背景に、大幅に減少している」、個人消費は「一部で政策効果がみられるものの、厳しい雇用・所得環境が続く中で、弱い地合いが続いている」、住宅投資は「減少している」で、いずれも前回判断をほぼ据え置いた。
一方、輸出・生産については「内外の在庫調整の進ちょくなどから、持ち直している」との見方を示し、前回の「内外の在庫調整の進ちょくなどを背景に、低水準ながら持ち直しに転じつつある」から判断を一歩進めた。
<経済は変曲点にあり企業心理に影響>
早川英男・大阪支店長(理事)は、支店長会議後の記者会見で、関西地区の経済について「生産水準は上がっていて、(短観の)DIも改善したので、良くなっていることは間違いないが、企業経営者の表情は必ずしも素直に明るくなっている感じはしない」と指摘。その理由について「この間までは、稼働率が5割まで落ちたのが7─8割まで戻ってきたという気分だったが、(経済が)変曲点を迎え、まだ7─8割だという方がだんだん心理的に効いてきてしまう局面にある」と説明した。
企業金融に関しては「半年前くらいに皆が心配していたのに比べると、意外に落ち着いているとの印象がある」と述べ、「とりあえず、緊急保証でつないでいるが、そのうちに資金が尽きて、夏以降バタバタといくのではないかと言っていたわけだが、バタバタといっている感じはしない」との見方を示した。
<来年4月以降の展望開けず>
日本経済の先行きでは、不透明感がぬぐえないとする見解が相次いだ。前田純一名古屋支店長は、自動車の生産について「伸び率が鈍化してくる可能性は高いと思うが、おそらく年度内は基本的に結構忙しい状態が続くのではないか」と目先の明るさを指摘した。同時にその先については「政策支援効果が一巡することが予想される」などとして「足元はいいが、来年度以降の展望はまだ十分持ち得ていなく、結果的に自律的な景気回復パスに乗ったとは言えない状況が続いている」と慎重な見方を示した。
一方、早川大阪支店長は「輸出産業を中心に海外生産へのシフトが加速しそうな雰囲気がする」と予。その理由として、1)円高の影響、2)新興国のボリュームゾーンを狙った生産コスト削減、3)雇用の確保、4)二酸化炭素(CO2)削減目標による国内生産コストの上昇──の4点を挙げた。その上で「生産レベルが上がってきている割に、設備投資への転嫁が見られない」ことに懸念を示した。
<企業は為替介入求めていない>
円高に対して介入を求める声があるかどうかについて、早川大阪支店長が「かつてのように日本だけ調子が悪ければそういう議論も出てくるが、世界中が厳しい中でどこかの国が意図的に通貨に手を出すような議論をすれば、保護主義と(として)跳ね返ってくるのは(企業も)当然わかっている」と述べ、そうした意見は出ていないと説明した。