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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-12003520091019
[東京 19日 ロイター]白川方明日銀総裁は19日開催された支店長会議であいさつし「日銀としては当面、景気・物価の下振れリスクを意識しつつ、わが国経済が物価安定の下での持続的成長経路に復帰していくため、中央銀行として最大限の貢献を行っていく方針だ」と述べた。
白川総裁は日本の金融環境をみるとについて「企業の資金繰りや金融機関の貸出態度については、中小企業を中心に、なお厳しいとする先が多いものの、改善の動きが続いている」と指摘した。
また、わが国金融システムについては「内外金融資本市場が概ね落ち着いて推移し、景気が持ち直しつつある中で、総じて安定性を維持している」としたものの「海外金融システムには依然脆弱性が残り、厳しい企業業績や雇用・所得環境が続くもとで信用コストが増加を続ける可能性があることなどを踏まえると、先行きについては引き続き注意が必要」と警戒感を示した。
昨年秋以降同時かつ急速に悪化した世界経済については「このところ改善の動きが見られている」と述べた。
わが国の景気については「持ち直しつつある」、先行きについても、輸出や生産が増加を続けるとみられること、公共投資も当面は増加を続けると見られることもあり「持ち直していくと考えられる」と予想した。
一方、先行きの国内民間需要については、厳しい収益環境や雇用・所得環境が続くもとで「引き続き弱めに推移する可能性が高い」と注意を促した。
消費者物価(除く生鮮食品)の前年比については、今後は、石油製品価格などの影響が薄れていくため「下落幅を縮小していくと考えられる」と予想した。
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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-12003720091019
[東京 19日 ロイター]日銀が9月16、17日に開催した金融政策決定会合で、コマーシャルペーパー(CP)や社債の買い入れをはじめとする企業金融支援措置について、多くの政策委員が、こうした時限措置は、昨年秋以降の金融市場のパニック的な状況に対応することを目的として導入したものであり、今後の取り扱いについては、金融環境の改善度合いを踏まえて適切に決定していくことが必要だと発言していたことが、19日公表の議事要旨で明らかになった。
また、CP・社債の買入額が大きく減少していることや、通常の資金供給オペのレートが低位で安定していることなどを踏まえると、異例の措置が有する追加的な効果は縮小してきているとの見方を示す委員も複数いた。
<CP市場は引き続き政策効果に行き過ぎの面>
背景にある金融環境については、厳しさを残しつつも、改善の動きが広がっているとの認識で一致。CPの発行環境については、多くの委員が、A─2格の発行スプレッドがリーマン破たん前と遜色ない水準まで低下しているほか、発行残高も昨年末以降大きく増加していることを踏まえると、下位格付先の発行環境も改善している、との見方を示した。その中である委員は、CP市場では、高格付けCPの発行レートが短国レートを下回る官民逆転現象など、引き続き、政策効果に行き過ぎの面が見られていると付け加えた。
社債市場についても、多くの委員が、下位格付先は依然として厳しい状態にあるものの、全体としては信用スプレッドの低下や発行銘柄の拡大など、改善傾向が続いているとの見方を示した。低格付けと高格付けの2極化の動きについては、何人かの委員が、リーマン破たん前に比べてBBB格の発行が減少しているのは事実だが、一方で、日本の社債市場については、元々リスク許容度の高い投資家層が薄いほか、コスト面で銀行借り入れとの差が大きく、企業の発行ニーズもさほど大きくない、と指摘。こうした議論を経て、多くの委員は、社債市場の状況を踏まえると、下位格付銘柄の発行が限定的であることをもって、金融環境に厳しさが残っていると評価することは必ずしも妥当ではない、との認識を示した。
<国内金融環境が景気下振れさせるリスクは減少>
企業の資金繰りについては、中小企業を中心に、なお厳しいとする先が多いものの、改善の動きが続いているとの見方を共有。ただ、何人かの委員は、最近の資金繰りの改善は、運転資金需要や設備資金需要の減少による部分が大きいことから、企業の資金繰りについて楽観はできない、と指摘した。
もっとも、多くの委員は、現に国内の資金調達環境は着実に改善し、日本の金融システムも総じて安定を維持していることを踏まえると、今後、日本の金融市場や金融環境の動向それ自体が起点となって、景気を下振れさせるリスクは減少してきた、と前向きな見方を示した。
<日本経済の上下のリスクバランスに幾分変化>
日本経済については、中長期的な成長期待が大きく変化しない下で、海外経済や国際金融資本市場の回復に加え、金融システム面での対策や財政・金融政策の効果もあって、本年度後半以降、日本経済は持ち直していく姿が想定される、との認識を共有した。ただし、委員は、こうした見通しについて、引き続き不確実性が大きいとの見方でも一致した。
先行きについては、在庫復元効果が次第に薄れ、内外の景気刺激策の効果も徐々に減衰していくと予想される中で、民間最終需要の自律回復に向けた動きはなお確認されていない、と慎重な見方を示す委員が複数いた一方で、何人かの委員は、最近では新興国経済の予想以上の回復という上振れ要因が生じてきており、前月との比較でみると、リスクの上下バランスは幾分変わってきているとの認識を示した。もっとも、多くの委員は、こうした状況を踏まえてもなお、国際的な金融経済情勢や企業の中長期的な成長期待の動向など、下振れリスクの方が高い状況が続いているとみておくことが適当だ、との見方を共有した。
こうした議論の中で、何人かの委員は、最近の円高傾向が、輸出をはじめ日本経済にどのような影響を与えるかについて注意してみていく必要があると警戒感を示した。
<米欧の負の相乗作用が再び強まる可能性に留意必要>
海外経済について委員らは、在庫調整の一層の進ちょくや金融・財政政策の効果を背景に、海外経済は持ち直しつつあり、今後も持ち直しを続けるとの認識を共有。ただし、多くの委員が、在庫調整が終了し、政策効果が一巡した後の海外経済の改善ペースと持続性については依然として不確実性が大きい、と慎重な見方も示した。
一方で、東アジアを中心とする新興国では、予想を上回るペースで景気が回復しており、先行き世界経済の見通しを上振れさせる要因となり得る、との認識を示す委員も何人かいた。
国際金融資本市場については、複数の委員が、米国で家計向けローンの延滞率の上昇や商業用不動産価格の大幅な下落が続いていることなどを指摘した上で、米欧においては、金融と実体経済の負の相乗作用が再び強まる可能性があることには留意が必要だとの見解を示した。
一方、ある委員は、新興国を中心にリスク資産に対する選好が戻っており、一部にかつてのような利回り追求の動きがうかがわれ始めている、と指摘。この点を含め、何人かの委員は、拡張的な財政・金融政策が、やや長い目で見ると、世界経済に新たな歪みを蓄積し、結果的に経済・金融に過度な振幅をもたらすリスクもある、と警鐘を鳴らした。