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【経済コラム】利回り低下の米国債は「バブル候補」になれず−Cボーム----(ブルームバーグ)
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投稿者 ミスター第二分類 日時 2009 年 10 月 19 日 10:04:56: syFUAx3Wc1pTw
 


http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920021&sid=aJULbc6oaaZg

【経済コラム】利回り低下の米国債は「バブル候補」になれず−Cボーム----(ブルームバーグ)

10月13日(ブルームバーグ):バブルの目撃情報が日に日に増えている。政策金利がゼロ付近にあるのだから、そうした状況を理解するのは難しいことではない。資金調達コストが安価であれば、信用が過剰に創造され、次第に財・サービス面でのインフレやある種のバブルの醸成につながる。


  こうした目撃情報が現実なのか幻想か、的を射たものなのかどうかは別問題だ。

現時点で、バブル候補として挙がっているものには、商品と株式、債券が含まれる。商品は、ドル安が実物資産への需要を後押ししている。株式相場は急速に回復しており、企業はその水準を裏付けられるほどの業績を挙げられない可能性がある。債券については、私が想像するに、利回りが極めて低水準にあるからだと思う。

極めて低水準の利回り(価格は高水準)は、バブルとは正反対のものだ。国債相場はバブルの時代精神を映してはいない。他のすべてが下落するとの懸念によって国債相場は上昇している。


  典型的な資産バブルに照らして、国債相場について検証してみよう。


1.楽観論

バブルは信用によってあおられる可能性があるが、バブルが続くのは資産クラスや米経済、将来に関する楽観的意識が圧倒的に強いからだ。この意識の尺度で見た場合、債券はどの辺に位置付けられるか。極めて下の方だ。

誰も、将来の見通しが明るいからといって、利回り3.3%の10年物米国債を買ってはいない。実際、投資家が債券を買う理由は次のようなものだ。

−胸中には明るい見通しを抱いているものの、株と商品の動向が不確実のため、債券を買って将来の価値を確保する。−連邦準備制度理事会(FRB)の膨れ上がったバランスシートは将来のインフレリスクをはらんでいるが、借り入れ解消の流れは短期的にはデフレを意味する。−信用リスクは依然として懸念材料だ。−銀行は評価損や貸し倒れに十分対応しておらず、今また商業用不動産部門がかつての住宅用不動産と同様の問題に直面している。−投資によってどの程度のリターンがあるかより、リターンがあることが重要だ。

  つまり、楽観的だからではなく、悲観的だから国債を購入しているのだ。


2.価格は下がらないという信仰

最近の住宅バブルは、信仰は理屈に勝るという完ぺきな例だ。2005年の住宅価格の急騰について、当時のグリーンスパンFRB議長は「フロス」、つまり小さな泡の粒であり、バブルではないと説明した。

誰がグリーンスパン氏に異論を唱えられたであろうか。住宅価格は、世界恐慌以来一度も全米レベルで下落したことはなかった。投機的な投資家が住宅市場に大いに歓迎されるような状態だった。住宅価格は大幅に上昇した。バブルだとする警告するには、なぜ今回だけが違うのかという理屈を探し出さなければならなかった。

国債は、常に価格が上昇してきたわけではない。米国債がバブルであれば、それは投資家が大きな利益を期待できない唯一の領域に違いない。実際には正反対だ。国債投資家は次の大きな流れは相場下落(利回り上昇)であると承知している。そのタイミングがいつになるのか確信が持てないだけだ。

10年債利回りは金融危機後のレンジである2−4%で取引されており、一時4%付近に上昇したものの、5月以降は低下傾向にある。これは健全な兆候ではない。インフレ期待がじわじわ高まるなかで、名目利回りが低下しているのは実質金利が低下しているためだ。

確かに、株式相場が3月の安値を試せば、10年債利回りは2%に戻るかもしれない。相場が適正であることを論じるのではなく、今回の上昇相場に乗った誰もが最初の「上げ疲れ」の兆候が見られたら逃げ出すことを考えるだろう。


3.新時代

1990年代後半にインターネットやハイテク関連企業に投資した人々が大げさに宣伝したのは単なる新時代ではなかった。「ニューエコノミー」の新時代だった。インターネットに関連した技術革新は、国境を越えた労働生産性の成長機会をもたらした。

  企業業績はニューエコノミーにとって問題ではない。金利上昇も問題でない。新興のハイテク企業は無尽蔵のベンチャーキャピタルへのアクセスが可能だった。金利は問題ではなかった。誰でも借りられた。

常にすべての人をだませるというわけではないが、十分に魔法をかけることができれば、バブルは膨張し続けることが可能だ。


弱気相場

米短期国債の利回りは昨年12月には実質ベースでマイナスの領域だった可能性があるが、中・長期債の利回りについてはゼロに向かって下落するという新時代が語られることはない。

長期債利回りが15%を超えていた1981年に始まった強気相場は、利回り低下以外には行き場がなったのだ。デフレよりもインフレ懸念がはるかに多く聞かれるのは、金融当局が過度に紙幣を印刷している時には無理もない。

さて、国債相場は下落の可能性が極めて高く、上昇余地は限られている。これがバブルだとしたら、弱気相場とはいったいどんなものか想像してみるといい。(キャロリン・ボーム)

(キャロリン・ボーム氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニスト。このコラムで示された見解は同氏自身のものです)

更新日時: 2009/10/15 15:58 JST
 

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