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(回答先: 政府紙幣発行政策の誤解 03/5/5 投稿者 ワヤクチャ 日時 2009 年 10 月 18 日 19:46:57)
日本人が知らない 恐るべき真実 研究ノート
http://www.h3.dion.ne.jp/~b-free/siranai/c-18-1.html
■ c-18-1 政府紙幣はなぜ発行できないか
2006-07-20
前回に関連して『株式日記と経済展望』よりコラムの抜粋・引用です。
※政府紙幣については『驚くほど簡単な財政破綻回避策』で触れていますので、ご参考までに。
2003年9月14日 日曜日
◆政府紙幣の発行論議とは?
コロンビア大学のスティグリッツ教授(2001年のノーベル経済学賞受賞者)が4月16日の関税・外国為替等審議会で、「日本の政府はデフレ克服策として紙幣を増刷すべき」と提唱し、物議を醸しました。
スティグリッツ教授は、デフレ経済ではインフレ経済とは異なり、発想の転換が必要と強調し、政府が日銀とは別に紙幣を発行し、それで歳出の一部を賄えば、国債を発行せずに財政を賄えて資金供給量を増やせると説明しています。
財政規律の喪失の危険性については、世界的に中央銀行の独立性があれば経済が回復するとの証拠はなく、政府紙幣の発行量に制約を設ければ、財政規律を守ることができると指摘しています。
日本のデフレの一因に、日銀の通貨政策の間違いが指摘されます。
過去にインフレ対策しか経験せず、責任の追及を恐れる財務省や日銀の官僚には、柔軟な思考を求めることができず、デフレ経済下に適切な対応策がとれないでいるとの指摘です。
スティグリッツ教授に限らず、民間にも経済活性化への柔軟な(通貨の)発想があります。
2002年7月23日に千葉商科大学の加藤寛学長が、民主党の田中慶秋衆議院議員に述べたアイディアが有名ですが、その論旨は以下です。
〜〜〜
地方銀行が発行元になって、日銀と同じように自分の銀行の担保をつけて地域通貨を発行する。
それを県が保証する。
県は土木事業を行っていい。
どんな国でも公共事業をゼロにして生存できる国はない。
道路だって修理しなければ穴ぼこだらけになる。
必要なものは造りましょうと言わないといけない。
しかし、カネがない。
それなら、そのエコノミカルマネー(経済通貨)を使えばいい。
地域で消費経済ができる。
賃金ももらえる。
そして生活も安定する。
しかし、これは給料の一部でやる。
例えば10万円の給料なら2万円をエコ通貨でやる。
あとの8万円は普通の通貨で、と言うことだ。
2割くらいなら、その地域で使うのはあたりまえだ。
こうなると、このカネが流通し始める。
2万円のエコ通貨を普通通貨に替えたいと思ったら商品交換所で交換する。
今でも新幹線の切符などを割引で売っている。
ここで普通通貨(現金)に替える。
この仕組みができているのに、日本ではこの仕組みを使わずにいる。
そして、日銀通貨だけが唯一だと思っている。
日銀通貨がこんなに使えない通貨だということがわかっていない。
これでは日本経済がよくなるわけはない。
地域通貨と呼ぶか第2の通貨と呼ぶか分からないが、1国に2つの制度があれば1国2通貨があるのはあたりまえと、今、ユーロでは考えている。
ユーロ圏は世界のドルに対するユーロ通貨を作りたかった。
第2の通貨制度をつくった。
これを日本もつくるべきだ。
そのカネで日本経済は活力をもつ。
経済がよくなれば、当然私たちの経済もよくなる。
日本が債務国家なら問題だが、債権国家だから何の心配もいらない。
日本経済は強くなり、世界から尊敬されるようになる。
こうなれば、日本のランキングは韓国の下だ、などと言われることがなくなる。
政府紙幣でデフレを克服せよとの説がある。
初代の大蔵大臣、由利公正がこれを成功させた。
これは藩札を消し、政府紙幣に統括するために政府が行ったもので、これには西郷隆盛もビックリした。
藩札が担保となっている。
〜〜〜
さて、スティグリッツ教授の言う「政府貨幣・政府紙幣」とは何でしょうか?
政府貨幣も国家の信用で発行する貨幣ですが、その材質は政令で定めます。
ですから、ペーパー(紙)でも金属でも何でもよい訳です。
今、政府貨幣として流通しているものに100円や500円等の6種類の(金属製の)コインがあります。
こうしたコイン貨幣は独立行政法人造幣局で鋳造され、流通しています。
よく知っている1万円や5000円等の日銀券は、独立行政法人国立印刷局が製造していますが、この日銀券は「日銀」という法人が発行するものです。
現在においても、このように規模はとても小さいながら、「政府貨幣(コイン)」は立派に流通しています。
高額な「政府貨幣としての紙幣」はまだ世の中に出てはいませんが、現行法において、高額な政府紙幣を発行することは可能です。
日銀の発行する「日銀券」は、(日銀のB/S上)債務勘定に計上される性格のもので、不換紙幣として金(gold)の裏付けを持たないものです。
つまり、日銀の信用(=国の信用)を頼りに流通しています。
政府貨幣も政府の信用(=国の信用)をバックに発行されるものですが、(日銀券とは異なり)発行元の政府の債務には計上されません。
100円のコイン貨幣を例にすると、100円の額面から製造にかかる経費(10円と仮定)を引いた差額(90円)が政府(=国)の収入(=貨幣鋳造益)となるのです。
スティグリッツ教授は、政府貨幣としての政府紙幣の発行を大胆に行い、その「紙幣造幣益」をもって、減税や公共投資等の財政政策を展開すべきと提唱しています。
つまり、インフレ経済とは異なるデフレ経済の日本では、(債務を計上する性格の)日銀券とは異なり、政府(国)の債務が増えない政府紙幣を発行して、その紙幣造幣益を各種政策発動に利用した方が良いと言っています。
さらに、デフレが深刻な日本においては、相当の額の政府紙幣が発行できると考えられる点で利点があり、問題の財政規律を守る観点からは、政府紙幣の発行量に制約を設けれよく、また発行により物価の上昇率が想定値を越えるなら、その発行を抑制すれば良いのです。
日本のマネーサプライ(MS)の伸び低さは日本経済の血液としてのマネーの流通に問題があることを示しています。
巨額のマネーサプライが存在するのに、マネーが企業や個人の手元に届いていません。
銀行の不良債権がそのMSの伸びの低さの原因の一つですが、不良債権処理を急げば更にデフレを強める結果となります。
日本経済のマイナス成長を避けるためには、政府が財政政策を行う他はないのですが、財源が国債の発行では国の財政をより悪化させることになります。
誰も考えつかなかった政府紙幣の発行という政策により財源を得て財政政策を行い、MSを増やすという策も、これから時代にあっては課題となりそうです。
株式会社ゴールデンチャート社のコラムより
◆政府紙幣が無視し続けられる理由
>これだけ好都合な打ち出の小槌がなぜ無視され続けるのか。あまりにも虫が良す
>ぎるからだ。Too good to be trueというわけだ。だが冷静に経済の論理を追っ
>て行くと、戦争や破壊に頼らず赤字財政にも頼らない有効需要の生み方はこれし
>かないと分かる。政府紙幣と日銀券は等価交換が担保シートの借方に政府紙幣
>が来て、同額が貸方に日銀券発行額が来る事になる。こうして見ると日銀に国債
>直接引受けさせているのと原理的にはさほど異ならない行為だと
>いうのが見えてくる。しかし、市場性のある国債と政府紙幣は一方でやはり性格
>の異なるものである。早くこの政策を取れば取るほど、政府紙幣の投入額は小さ
>くて済むであろう。
「政府紙幣が無視し続けられる理由」は、“あまりにも虫が良すぎるから”ではない。
「政府紙幣」が、経済支配層の経済利益を脅かすものだからである。
この理解ができなければ、近代経済システムを理解することもできないだろう。
農業を含むあらゆる経済活動が、通貨をより多く稼ぐことを目的とするようになったのが近代経済システムである。
そのような経済システムを構築したのは、金融家である。
金融家は、中央銀行制度を確立することで、経済社会を貨幣経済化し、日々の経済活動が自分たちの利益に直結するようにしたのである。
貨幣流通が中央銀行の貸し出しから始まるのが近代経済の特質である。
イングランド銀行の創設まで遡らなくとも、米国で1913年に成立した連邦準備法(私的中央銀行制度の確立)をめぐるどろどろした謀略を顧みれば、その経済的権益の大きさがわかるし、それへの執着度合いもわかる。
(リンカーン大統領の暗殺も“中央銀行制度”問題が絡んでいると言われている)
“あまりにも虫が良すぎる”政府紙幣をほいほい発行されることになってしまったら、世界経済を支配している国際金融家の厖大な権益が失われることになる。
国際金融家にとっては、国民生活がどうなるかはどうでもいいことで、国民経済がどうなるかも利潤が最大化できるかどうかが判断基準である。
銀行制度を通じた全般的な「信用創造」が最大の経済権益だが、世界的なデフレ不況のなかで、厖大な保有通貨の運用先は先進諸国の国債に傾斜していくと予測している。
「政府紙幣」は、国債の発行をなくしてしまうものである。
「政府紙幣」は、世界経済支配層にとって、「近代経済システム」を根底からひっくり返してしまう“害毒”なのである。
貸し出しを通じて供給されない通貨を経済支配層が認めるというのは、私の「利潤なき経済社会」を経済支配層が認めるに近いものなのである。
日本が「政府紙幣」を発行して巧く経済を立て直せば、経済苦境に陥っている先進諸国国民がこぞって「政府紙幣」を求めるようになる。
だから、世界経済支配層は、日本政府のそのような暴挙を許す“愚”を犯しはしない。
また、米国政権からの「不良債権処理加速化」要請に抗することもできない日本政府が、そのような背景を持つ「政府紙幣」発行に踏み切ると考えるのはナイーブすぎる判断だろう。
と言うことで、政府紙幣がいくら有益であっても、実行は難しいでしょう。
今の日本の状況で、政府がアメリカ≒国際金融家の意向を無視することはできませんから。
私が民間の発意として自治体が信用を裏付ける地域通貨の発行を提案するのは、そのためです。
このような地域通貨を、主体をはっきりさせないまま、同時多発的に発行すれば、多少なりともアメリカ≒国際金融家からのプレッシャーを受けにくくなるのではなかろうかと…。
攻撃目標を不明瞭にして、なんとか誤魔化せないものかというトリッキーな戦略なのです。(^^;)
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