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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-11988220091016
[東京 16日 ロイター]菅直人・副総理兼国家戦略・経済財政担当相は16日夕、月例経済報告発表後の会見で、政府と日銀との間で「(景気の)方向性はほぼ一致している」と述べ、景気判断に違いはないとの認識を示した。
先行きのリスク要因に新たに金融資本市場の変動を加えたことに関連して「為替の水準が大きく変動したときには景気に影響が出る」ことを示したと述べ、円高に振れている為替動向の変動を警戒的にみていることを示唆した。
<表現変更に意図はない、持ち直し強調しすぎても誤ったメッセージ与える>
鳩山政権として初の月例経済報告で示された景気認識は、基調判断を据え置いたものの外需や景気対策にけん引された自律性の乏しさを明記し、景気全体の水準の低さを根拠に「厳しさ」を強調した内容となった。
日銀は足元景気判断を2カ月連続で上方修正しており、政府と日銀の認識のギャップが意識されている。しかし、菅経済財政担当相はこの点について「政府が考えていることと日銀総裁がおっしゃったことはほぼ方向性は一致している」と述べ、「細かい細かいニュアンスまで言えば見方があるのかもしれないが、基本的な認識は(政府・日銀の間で)変わっていない」と繰り返した。
そのうえで、全体の表現を変え、より厳しさを強調した理由について「失業率は5.7%から5.5%に数字の上では下がったが、有効求人倍率も低いまま。新卒者の雇用情勢も厳しいなかで、ややもすれば、持ち直しがあまり強調されすぎても間違ったメッセージを与える」と説明。国民目線の表現に徹したとし「何か狙って変えたとの意識はない」と繰り返した。
<為替の大きな変動は景気に影響>
一方、先行きについて月例報告は「景気持ち直し傾向が続くことが期待される」としながらも、「雇用情勢の一層の悪化や海外景気の下振れ懸念、金融資本市場の変動の影響など、景気を下押しするリスクが存在することに留意する必要がある」と指摘。景気下振れリスクとして、今回新たに「金融資本市場の変動の影響」が加わった。月例経済報告関係閣僚会議に提出された資料では「円高・株価下落の影響」とも特記しており、円高に警戒的な見方をにじませている。
円高が景気に与える影響はプラス・マイナス両面あるが、最近の円高は景気にマイナスの影響があり注視する必要があるとの認識を記したのかとの質問には「一時心配された円高も90円台になり、株価も1万円を回復している。一般的には、為替・株価が景気に与える影響は当然ある。そういう意味で下押しする懸念とした。為替の水準があまり大きく変動したときには、それなりの影響が出るのは一般的にも知られている。そういうことを含めての表現になっている」と語った。
<政府・日銀のコミュニケーション、工夫したい>
懸案の政府・日銀のコミュニケーションのあり方については「もっとオープンな形で意見交換できる場があってよいと一般論としては思う」としながらも、「ひとつのあり方と思ってもらえるのか、政府が何か日銀の独立性に圧力をかけているとみられてしまうのか。そういうことも勘案しながら、工夫していきたい」と語った。
<雇用対策、第二次補正・来年度予算でも万全期す>
政府はきょう午後、緊急雇用対策本部(本部長:鳩山首相)の初会合を開き、23日に「緊急雇用対策」を策定することを確認した。具体策は(1)貧困・困窮者支援、新卒者支援、企業の雇用維持努力への支援や中小企業支援などの「緊急的措置」、(2)介護など重点分野ごとの雇用戦略など「緊急雇用創造プログラム」──の2本柱で、第一次補正予算など既存の施策・予算の運用改善によって対応し新たな予算措置は講じないことを確認した。
本部長代行の菅副総理兼国家戦略担当相は雇用・内需につながるものにしたい」とし、第一弾の緊急雇用対策の進行をみながら、場合によっては二次補正、本予算で雇用対策に万全を期したと述べた。