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【コラム】ゴールドマンCEO殿、ボーナス資金はこう使え−ポーリー 10月16日(ブルームバーグ):
ゴールドマン・サックス・グループのロイド・ブランクフェイン最高経営責任者(CEO)は困っている。
ゴールドマンは15日、今年のボーナスのために9月までで167億ドル(約1兆5200億円)を積み立てたことを明らかにした。従業員1人当たり52万7192ドルだ。このペースでいけば年末には201億ドルという高水準だった2007年にも並びそうだ。
ブランクフェインCEOは、ゴールドマンの高報酬が、同社を含む金融機関を救済するための金を出さされた米国の納税者やボーナス中心のウォール街の報酬システムに批判的な向きから白い目で見られることは認識している。同CEOを困惑から救うため、ボーナス用の200億ドルの別の使い方を考えてあげよう。
@ この金を使って従業員全員の来年の給与を引き上げ、
ボーナス支払いには終止符を打つ。
A 大恐慌以来で最悪の金融危機からウォール街を救った
米国民に金を分配する。
B 配当を増やす。
C 商業銀行を買う。
D @からCの全部。
夢のようだと思われるかもしれないが、まあ最後まで聞いてほしい。
元凶
報酬のほぼ60%がボーナスというウォール街のシステムは、ウォール街が信用危機の元凶、米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローンで法外なリスクを取った原因だった。ゴールドマンの従業員全員の10年の給与を合計で200億ドル引き上げ、その代わりボーナスを無しにしてはどうだろう。50億ドルだけを最後のボーナスとして支払って150億ドルを来年の給与にしてもいい。
あるいは選択肢のAを選んで、この金を米内国歳入庁(IRS)に渡してもいい。IRSはこれを減税の原資にすればいい。200億ドルを米国の全国民3億800万人で分け合えば1人当たり約65ドルだ。大金ではないが、靴下と下着くらいは買える。
ゴールドマンは救済される必要はなかったと主張しているが、米政府から注入を受けた100億ドルは何かに使ったはずだ。危機が和らぎ始めた後に公的資金は返済したが、資産家ウォーレン・バフェット氏に売った優先株50億ドルに加えて普通株の公募増資で計100億ドルを調達したし、債務について政府の保証も受けた。要するに、ブランクフェインCEOは米国民に借りがある。
株主
ゴールドマンは株主に報いてもいいころだ。これは選択肢のBだ。同社の配当は現在、年約7億ドル。配当性向は1%にも満たない。ゴールドマン株主にとって、トータルリターン(総投資収益率)は今年9月30日までの5年間で年15.6%なので悪くはない。しかし、株価は2年前の235ドル前後から下落し昨日15日は188.63ドルで終了した。期末配当という昔ながらの文化を復活させ、利益のもっと大きな部分を会社の持ち主に分配してはどうか。
選択肢Cが浮上したのは、ゴールドマンが危機のさなかに商業銀行に転身したからだ。その方がリスクが低そうに投資家に見えると期待したのだろう。商業銀行を買収してこの事業の基盤を広げれば本当にリスクを下げることができる。巨額の預金が投資銀行事業の後ろ盾になるからだ。個人的には、大き過ぎる銀行がさらに大きくなるのには反対だが、これはもう言っても無駄だろう。
もちろん、これらは決して現実にならない。ブランクフェインCEOは巨額の利益とゴールドマンでのボーナス制度の長い歴史を理由に、巨額ボーナス支払いを正当化するだろう。
自由の身
2009年7−9月(第3四半期)のゴールドマンの利益は31億9000万ドル(1株当たり5.25ドル)。金融市場での大きな賭けを続けた結果だ。米財務省に100億ドルを返済したおかげで、ゴールドマンは同業のシティグループやバンク・オブ・アメリカ(BOA)が今も縛られている政府のくびきから解放された。
報酬システムはゴールドマン以外のウォール街全体で変わるかもしれない。だが、ゴールドマンでは変わらない。(デービッド・ポーリー)
(デービッド・ポーリー氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920008&sid=a1PNQ7Nr5ILI