★阿修羅♪ > 国家破産65 > 413.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920021&sid=aAawxOiAZSnY
【コラム】バンカーだけが求愛する「スーパー監督当局」−ライリー
10月7日(ブルームバーグ):米モルガン・スタンレーのジョン・マック最高経営責任者(CEO)が提唱した国際金融システムを監視する「スーパー監督当局」。
バンカーにとっては念願の夢の実現かもしれないが、それ以外の者にとっては悪夢に他ならない。
銀行業界が自らの側に再び監督当局を取り込む方法として最も簡単なのは、複数の監督機関を手の届かない、不可解かつ影響を受けやすい機関に合体させることだ。
業界は金融改革に向けた取り組みをめぐって、具体策を探る一方で、ペースダウンを図ったりしている。
そんな中、マックCEOは先週のブルームバーグテレビジョンとのインタビューでこの単一監督当局の設置を提唱。各国がそれぞれの取り組みを調和させようとするなら、改革がさらに遅れるのはほぼ確実で、銀行やウォール街が現状を維持するのにはプラスとなる。
多国間による国際的監督当局を設置するという解決策を取れば、プロセスをひどく政治問題化する可能性が高まりかねない。
こうなればバンカーにとってはプラスだろう。
バンカーはロビイストを大勢送り込み、選挙のための献金をばらまくからだ。
米国のピッツバーグで先月開催された20カ国・地域(G20)首脳会議(金融サミット)での駆け引きの一部を振り返ってみよう。
オバマ政権は、米連邦預金保険公社(FDIC)が表明した銀行資本の算出に関する新たなガイドラインについて以前からの懸念を一蹴した。
これは、同政権の金融規制改革案をめぐる欧州域内の合意を確実にしたかったためと思われる。
合意のコスト
その結果はこうだ。米国は2011年までに銀行の新自己資本比率規制(バーゼルII)の枠組みを各国が採用することを呼び掛けた共同声明に署名。
欧州の銀行がすでに採用しているバーゼルIIは銀行経営陣や格付け会社によって算出された銀行資産のリスクの割合に左右されるところが大きい。
言い換えれば、住宅・信用バブル期に賢明な判断というものができなかった銀行経営陣と格付け会社というこの2つのグループは、銀行の安全をめぐり一段と影響力を強めることになる。
これはすべて、国際的な合意という名の下に進められる。
各国の監督機関が金融危機の発生前にひどい仕事をしていたのは明らかだ。
例えば今週発表された米金融安定化策の監査では、米政府が救済策を受ける銀行の健全性について国民に誤解を与えるような説明をしていたことが判明した。
より大きなグローバル規模での取り組みとなれば、こうした不祥事の再発を防止できず、事態をさらに悪化させるだけかもしれない。
現状では、監督当局は有権者に対し直接の責任があるわけではない。世界的なレベルでは、有権者はさらに排除される可能性さえあり、銀行システムについての懸念を抑えたいと願う有権者の現実逃避を強めることになりかねない。
独立性の必要性
国際的な監督システムが中央銀行主導で運営されても、より良く機能するということはないだろう。
マックCEOは、米連邦準備制度理事会(FRB)や各国中銀がこの役割を担うのに適任かもしれないと提案している。だが、各国中銀、特にFRBは、信用収縮につながったリスクの監視でお粗末な対応を見せた。
表面上は独立性を保っているものの、それがあとどれだけ続くかは不透明だ。
世界的な監督当局の上に中銀を据えれば、中銀を政治的な野獣に変えるペースを速める恐れがある。
またこうした措置は、バンカーや利益よりも納税者保護に重点を置く他の銀行監督当局と中銀が交渉する際に、中銀を優位に立たせることにもなる。
国際協力が有益でないと言っているのではない。規制に向けた正しい取り組みを確実にしている国はどこにもないということだ。
実際、銀行や市場が境界線はないと気付けば、情報の共有が必須だ。
執行が鍵
だが最終的には、どのような規則もそれが執行できるかどうかにかかっている。
そして現実はというと、金融における世界的な執行機能というものはない。根底にある各国の法制度の違いを考えれば、今後もこうした機能が生まれることはないだろう。
各国は金融市場に対して共通認識を持っているわけではない。金融市場はいったい誰のためにあるのだろうか。投資家か企業か政府か、それともその組み合わせのためだろうか。
共通認識を見いだす方法はない。つまり、どういった世界的監督機関でも、欠陥のある基盤の上に設置されるということだ。
市場はグローバルだとしても、賢明な規制というものは自らの国で始めなければならない。(デービッド・ライリー)
(ライリー氏はブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。コラムの内容は同氏自身の見解です)
更新日時: 2009/10/07 17:23 JST
-------------------------------------------------------------------------------
★コメント投稿フォーム (1000字まで) よかったら一言、ここに感想などお聞かせ下さい。 コメント投稿するとすぐにこの上部に表示されます。 |