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2009年10月09日 11:34 am JST
【好調ユニクロと日本製ブランドの力】---(ロイター)
ユニクロを出店するファーストリテーリングは、2010年8月期に連結営業利益が前年比10.5%増の1200億円と2期連続の過去最高益更新を見込んでいる。
低価格とファッション性を両立させた商品群で、国内ユニクロ事業が好調を持続すると見込んでいることが好決算の要因だが、この先のビジネス拡大は、アジアが握っているようだ。
柳井正会長兼社長は8日の決算発表時の会見で、アジアを最大の成長機会と位置づけ「本格的な利益貢献が始まる」と述べた。同社は2010年春には上海に世界最大規模のグローバル旗艦店をオープンさせる。
中国本土や香港などから日本国内への旅行客の中には、東京でユニクロに行き、大量に購入して帰国するパターンがはやっているという。縫製は中国で行われている製品が多いのに、どうしてそんなに人気なのか。その秘密は、ユニクロブランドが中国で高付加価値として浸透していることにあるらしい。
ある国内市場関係者によると、今、香港では日本ブランド・ブームが起きているという。香港在住者から説明を受けたその市場関係者は「衣料品や化粧品などの日本製ブランドが、かつての日本での舶来ブランドのようにもてはやされている」と話す。
さらにそのブームは、1次産品にまで及び始めているという。「果物は糖度が高く、乳製品に農薬が混入している心配もない。高級中華料理に欠かせない干しナマコも、安全性の観点から日本製の人気が非常に高まっている」と先の市場関係者は述べている。
さて、国内に購買力がなく「売れなくて困っている」と言うため息が、内需型産業から漏れている。こうした経営者は、アジアの日本製ブランドブームに気づいているのだろうか。
ビジネスは、情報の収集力と感度が重要な要素になる。今まで外国に目を向けることがほとんどなかった農業は、もっと国内商品の美点に気づいたほうがいい。アジアの消費者を意識したビジネス展開が、日本の産業に活気を与えることになると予測する。楽観的過ぎるとの反論も出てきそうだが、どうだろか。
(写真/ロイター)
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