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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-11856120091008
[東京 8日 ロイター]日銀は「異例の措置」として実施している企業金融支援策のうち、コマーシャルペーパー(CP)と社債の買い入れを終了させる方向で検討を本格化させた。13、14日に開かれる金融政策決定会合で議論を深め、場合によっては今回の会合で終了を決める可能性も出てきた。
金融環境や市場動向の改善傾向がこのところはっきりと表れ、2つの措置の利用度が急速に低下し、終了させても金融・経済情勢にマイナスになるリスクがほとんどなくなってきているとの見方が日銀内で多くなっている。一方、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標は0.1%前後に据え置き、引き続き景気回復を下支えしていく見通しだ。
<CP・社債買入、総裁がG7でも市場改善度合いに応じた対応説明>
CPと社債の買い入れオペについては、金融市場が安定化に伴い、使用ひん度が急速に低下しつつある。もともと「異例の措置」は、昨年9月リーマンの破たん以後の流動性ショックに代表される「急性症状」に対応することを目的にしており、足元でそうしたショックは大幅に緩和されたと日銀は判断している。市場でも、「安全弁」として評価する声は減少し、取りやめても市場へのショックはないとの見方が大勢だ。
白川方明総裁は、前週末の7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)会合での会見で「CP・社債の発行環境が大きく改善しており、日本銀行のCP買い入れも大幅な札割れが続き、政策に支えられている面は後退している」と指摘。「CP・社債の買い入れなどの時限措置については、金融市場・企業金融の改善度合いに応じて、適切に対応していくことを説明した」とした上で「こうした点については、各国から、十分な理解や支持が得られたと考えている」と述べた。
<企業金融支援特別オペ、共通担保オペで代替可能か議論へ>
「企業金融支援特別オペ」については、共通担保オペで代替可能か否かが、議論の1つのポイントして浮上しそうだ。日銀内には、特オペと共担オペの金利のかい離が2ベーシス程度まで縮まっていることから代替は可能だとの見方が強まっている。だが、特オペはやや長めの金利の低下を促すというもう1つの役割もあり、解除した場合に必要以上に金利が上昇しないかどうかも見極める必要がありそうだ。
異例の措置をどうするのかは、今回の会合で本格的に議論し、政策委員の見解がまとまった段階で最終判断を下すが、内外の金融情勢によっては11月会合に判断を持ち越す可能性もある。
こうした中、鳩山由紀夫内閣からは、CP・社債の買い取り終了をけん制する声も出てきた。亀井静香郵政・金融担当相は6日の閣議後会見で、出口論を探る段階では「ない」と指摘、藤井裕久財務相も「白川総裁が、そのような経済状況に逆らうことはしないと確信している」と述べた。
日銀内では、CP・社債の買い取り終了はあくまで急性症状に対応したもので、政府が改善策を模索している中小企業金融の悪化とは分けて考えるべきとの声が多い。
<11年度GDP見通しは10年度上回る公算、CPIは3年連続マイナスの可能性>
10月末発表の展望リポートでは、2011年度までの予想が加わるが、シナリオとしては、足元の経済状況が当面は継続するとの前提に立った予測になる可能性が高そうだ。このため、2011年度の成長見通しは、2010年度をやや上回る公算が大きい。
2010年度以降については、新興国の需要増に伴い緩やかな回復が見込まれる外需が、けん引役になるとみられる。また、大幅に落ち込んだ設備投資についても、2010年度以後は、寄与は小さいながらも景気押し上げ要因として期待されているようだ。
しかし、成長率見通しは潜在成長率をわずかに上回る程度とみられるため、大幅な需給ギャップの改善は見込めず、コアCPIはマイナス幅の縮小が大きくは進まず、小幅マイナスのまま推移する見通し。その場合は、コアCPI見通しが3年連続でマイナスになる可能性が高い。
もっとも、日銀では、マイナス見通しであっても、その幅が縮小している限りは、改善のメカニズムは働いているとして、追加の緩和策は必要ないとの立場だ。また民間のインフレ期待が安定していることもあり、日銀ではデフレスパイラルに陥る可能性は低いと判断している。
GDPやコアCPIの見通しの数値については、2010年度予算、暫定税率廃止、公立高校授業料や高速道路の無料化など、民主党の一連の政策の影響を受けるため、今後議論を詰めていくことになる。
<0.1%の政策金利は維持>
こうした金融・経済情勢の下で、政策金利については、米国の家計の過剰債務問題などの「慢性症状」が依然として残存していることもあり、日銀は今回の会合でも0.1%を維持する方針。
日銀内で警戒しているのは、「異例の措置」の廃止・見直しが金融緩和政策の転換と直接結び付けられ、市場がそうした見方を織り込んで金利形成していく動きだ。8月10─11日の決定会合の議事要旨でも、複数の委員が「そうした見方は適切でないことを丁寧に説明する必要がある」と指摘した。
日銀の中には、コアCPIが物価安定の理解で示されている「0─2%」を下回っている間は、利上げが困難との声がある。民間エコノミストの間では、少なくとも2011年1─3月期までコアCPIは、前年比マイナスが続くとの見通しがコンセンサスとなっている。
仮にこうした情勢がそのまま続けば、日銀がかなり長期間にわたって0.1%から利上げできない可能性が出てくることになり、民間エコノミストの一部では、CPIの見通しによっては、米・欧・日の主要国の中で日本の利上げが最も遅くなる可能性を指摘する声も出始めている。
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