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テレビなどを見ていると民主党には金融政策のプロがいないと思っているようですが、実はそれを否定する記事が出ています。
亀井大臣のやっている事は「プロレス」。彼は普通の賢さではないですよ。
嵌められそうなのはマスコミと外資。いずれ分かることでしょう。
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http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20090928-01-0101.html
【 「金融ボーイズ」の血騒ぐ AERA 】
2009年9月28日 AERA
政権をもぎとった民主党で、一大勢力を築くのが、銀行や証券など金融機関や財務官僚出身の議員たちだ。その数49人。彼ら「金融ボーイズ」は、民主党政権の政策に、党内の力関係に、どんな影響を与えるのか。
まずは、表を見てほしい。金融3業界と言われる銀行・証券・生損保出身の民主党国会議員は33人。日本銀行やUFJ総研など銀行系シンクタンクを含めると39人に上る。このうち、19人が今総選挙の初当選組で、民主の新顔当選者の実に1割強。しかも全員、男性である。
特に多いのが銀行で、25人(新顔12人)になる。最多は旧富士銀の5人、次いで日銀の4人、旧興銀、東京銀の各3人。
それだけではない。
金融機関とタッグを組んできた財務省・旧大蔵省出身者も10人(新顔2人)いる。
庶民目線では、大手の金融機関と言えば、マネーゲームの中で「バブル経済をつくった張本人」であり、バブル崩壊後は「ノーパンシャブシャブ」「金持ちには損失補填」であり、最近では「公的資金で生き延び、低金利政策で過去最高益」「貸し渋り」であり、「不正な保険金不払い」であり、外資は「ハゲタカ」であり、また日銀や財務(大蔵)省は、それらを放置してきた共犯者だろう。
そういうところでエリート街道を歩んでいた人たちが世直しに目覚め、「国民の生活が第一」という公約の下、今や党内では、「人権」や「弱者救済」にこだわり、「けしからん」型の追及をしてきた旧社民グループをしのぐ勢力だが、彼らの登場には必然性もある。
M&AプロにFXのプロ
実は、民主政権が長持ちするかどうかは、財政・経済政策にかかっている。まず第一は、子ども手当などの財源確保と財政再建。資金調達と借金を片付けるのは銀行マンの本業である。
天下国家を語るために信託銀行を辞めてエコノミストに転じた森木亮氏は、
「国や特殊法人の決算や経営は穴だらけ。時価会計や連結決算を通じて取引先の急所を見抜ける銀行マンこそ、債務まみれの日本を立て直す役割を担える」
と言う。「民間の会計基準とは違う」などと言って巧妙に情報操作する官僚をやり込めるには、やはり海千山千の金融マンは役に立つらしい。
有名どころの新顔では、企業合併・買収のプロと言われる網屋信介氏(51)。モルガン・スタンレーに入社後、さらにメリルリンチ日本で副会長にまで上り詰めた後、経営手腕を買われて消費者金融会社に転じて社長になった。
総選挙では地元・鹿児島の小選挙区では敗れたものの比例で復活した。有名人だけに議員会館内の事務所は「あいさつ」の行列ができるほどで、東京にいるときは懇親会や勉強会などで、てんやわんやの日々だ。焦点の日本航空再生など、経済官僚の手に負えない企業問題では知恵袋になるかもしれない。
新顔と言えば、民主の経済ブレーン・榊原英資元財務官と親しく、ポスト「ミスター円」との呼び声も高い旧三和銀出身の今井雅人氏(41)もその世界では超有名な為替ディーラーで、FX(外国為替証拠金取引)にもめっぽう詳しい。
金融庁は新政権発足前から、一般投資家保護のためにFX取引の規制に動き出している。今井氏のFXブログは一時、1日5万人の閲覧者を誇っただけに、投資家はこの問題で今井氏の政治的な出方にも注目しているが、経済対策の鍵になる通貨政策で活躍できるプロ中のプロの存在は党には心強いに違いない。
デフレ音痴の党変える
もう一つは、鳩山政権の経済政策の中で最大の難所となるデフレ対策。バブル崩壊後、自民党はデフレを克服できず、選挙や構造改革の足を引っ張り続けた。この間、物価や所得の減少によるデフレの痛みと、構造改革による痛みを政治もメディアもあえて混同し、既得権を持つ人たちが「痛み!」を連呼。冷静な経済議論をかき消してしまい、デフレの処方箋は、迷走し続けている。
2007年の名目GDPは515兆円、10年前の1997年も同じ515兆円で、「成長」の跡は見られない。
夫が「給料は3万円減ったが、物価下落の影響を除いた実質値は5000円アップになる。昇給したのと同じだからお祝いをしてくれ」と言って喜ぶ妻はいない。やはり、給与の3万円ダウンは深刻に受け止められるが、それがデフレのせいなのか、構造改革が原因なのかを追究する夫婦もいない。
同じような状況が経済全体で起きているのだ。
そこで、鳩山首相の側近であり、旧東京銀出身の小沢鋭仁環境相は昨年、「リフレ研究会」なるものを党内にひっそりと立ち上げた。「リフレ」とはマイルドなインフレで物価下落をとめる金融政策で、持ちかけたのは意外なことに道路問題の追及で忙しいはずの馬淵澄夫氏。元財務官僚の大串博志氏らも参加した。
だが「日銀にインフレターゲット政策をのませ、2%程度の物価上昇を起こすのが民主政権の課題です」と刺激的に話す識者の勉強会に招かれた当時代表代行の菅直人氏は一言、「非常に面白いが、民主党の言っていることとすべて逆じゃないか。急に逆はできないよね」
野党時代の民主党にありがちだったデフレ観は「物価が下がることは暮らしやすくてよいこと」「金利生活者のお年寄りのために金利は上げるべきだ」といった感じで、国民にはわかりやすいが、人気取りを狙った素人感覚の域を出なかった。
デフレで不良債権処理にのた打ち回った銀行ボーイズから見れば、「噛みつきたくなるような問答」だったという。
「財政と金融は一体なので政府にマクロ経済がわかるプロが増えることは不可欠。デフレもすべてが悪いわけではないが、行き過ぎは問題で、金融緩和を日銀と一体となって進めるべきです。無駄削りは必要だが、必要な財政投資もあります」(今井氏)
「エコも証券化」に出番
彼らの「出番」は、エコ政策にもある。実は金融業界はCO2の排出権の証券化など昨今、排出権取引ビジネスに力を入れている。最も熱心だった証券会社こそが昨年サブプライムローンで破綻した米リーマン・ブラザーズだったと言われているが、背景には、ビジネス化しないことにはCO2削減が遅々として進まない世界の現実もある。
民主党の場合、意欲的な削減目標を掲げた鳩山政権の環境政策のキーマンと見られているのが大和証券出身の参院議員福山哲郎氏。岡田克也外相に近く、すでに各国の大使の訪問を受けている。政策調査会長代理、党地球温暖化対策本部事務総長などを歴任してマニフェスト作成にも携わった。
このほか、経済政策通と言えば、元経産官僚も新たに3人が加わり10人になったほか、衆院に限っても松下政経塾の出身者が自民党の4倍の25人にまで膨らんだ。松下電器産業(現パナソニック)創業者の松下幸之助の遺訓を政治に生かすのが信条で、無駄遣いにはシビアだ。
また、海外の大学院修了者とMBA(経営学修士)の取得者も合わせて20人を超える。「できる官僚が外国で政治意識を先鋭化して民主党に流れ込む」というパターンができており、自民の人材不足にも拍車をかけている。
小沢流で流木拾いから
とはいえ、「経済通」や「金融通」の判断が正しいとは限らないのは、ボーイズたちの古巣の数々の失敗を見ての通り。
また、いくら「金融・財政政策」に血が騒ぐと言っても、ボーイズの多くはこの世界では1年生だ。初登院の際には、小沢一郎幹事長から、
「新人の唯一の仕事は次回も勝つことだ。特に比例復活組は本当は落選議員。褌を締めなおしてこい」
と一喝され、前出の網屋氏も、地元・鹿児島の種子島や屋久島など選挙区の離島へ飛んだ。
「ちょうど台風直後で、流木の回収を関係機関に働きかけました」
まずは腰を低くし、雑巾がけから、ということだろう。
編集部 山下 努
※各媒体に掲載された記事を原文のまま掲載しています。
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