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円高を意味しないドルの地位低下(KlugView)
2009/10/04 (日) 11:39
9月30日、国際通貨基金(IMF)は、各国・地域が保有する外貨準備の通貨別構成比(Currency Composition of Official Foreign Exchange Reserves)を発表しました。09年6月末時点での、外貨準備に占める米ドルの比率は62.8%となり、ユーロが導入された1999年以来、最低となっています。
通貨別構成比を含めてIMFが確認している外貨準備は、米ドル換算で約4兆2700億ドルと、全世界の外貨準備の63%占めています。IMFが確認できていない国・地域が、4割近く残っているとはいえ、今回の結果は、世界の外貨準備における米ドルの地位低下を示しているといっていいでしょう。
外貨準備における米ドルの比率が低下した背景には、ドル安の進展があります。
米国の金融緩和策と財政赤字の拡大は、ドルの発行規模の拡大につながり、結果としてドル安の進展につながっています。連邦準備制度理事会(FRB)が発表するドル実質インデックスは、09年6月に92.3、同年9月に89.5と、ジリジリ低下しています。世界の金融市場は落ち着きを見せているだけに、足元でのドル安の進展は、一時的なものではなく慢性的なもののように見えてきます。
これまで、「ドルの地位低下」や「ドル安」といったキーワードを目にすると、日本に長く住む方ほど、「円の地位上昇」や「円高」をイメージされるかもしれません。しかし、実際には、そのイメージは違います。
外貨準備に占める円の比率は、09年6月末時点で3.1%と、ここ1年ほど比率に変わりはありません。また、ユーロ発足当初の1999年末の円の比率は、6.4%ですから、この10年で円の国際的な地位は低下したとすらいえます。一方、09年6月末時点での、外貨準備に占めるユーロの比率は27.5%と、過去最高を更新しています。
先週末、ドル円は、米雇用統計発表後、88円59銭まで下落しましたが、その後、米株の上昇をきっかけに89円92銭まで上昇し、89円70銭台で引けました。この動きを見て、「やれやれ円高が止まってよかった」と思われる方もいたかもしれません。
円高で輸出企業の収益性の低下を懸念する声は、依然として強いようです。しかし、ドルの地位低下ひいてはドル安が進んでいる状況の中、円がドルに対して強くならない(ドル円が下落しない)ことは、円もドルと同じように地位を低下させていることになります。ドルと一緒に円の価値も低下させることが、日本の輸出企業だけでなく、日本全体にとって良いことなのかを、我々は考えるべき時にあるのかもしれません。
村田雅志(むらた・まさし)
●●●●●●●●●●今日のクイズ●●●●●●●●●●
連邦準備制度理事会(FRB)が発表するドル実質インデックスは、
09年9月でどれくらい?
●●●●●●●●●●クイズの答え●●●●●●●●●●
89.5
http://www.gci-klug.jp/klugview/2009/10/04/006903.php
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