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http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920016&sid=aBhdssIW5IIM
【コラム】金は語る、まだはじけていないバブルの存在−シュローダー
10月1日(ブルームバーグ):株式と金を保有していて、どちらかを売らなければならないとしたら、どちらを売るだろうか。
S&P500種株価指数は3月9日に安値を付けてから60%近く上昇。金相場は過去最高値付近にある。
かなりの人が金の保有を続けることは理解できる。わたし自身は、金の熱心な投資家であったことはこれまで一度もない。
彼らは尊敬されない。彼らは絶対に来ないハイパーインフレを常に探し求めている。金貨や銀貨に対してその金属の価値以上のプレミアムを払う。
金と金融危機の結び付きは数世紀前にさかのぼる。信用バブルがはじけた後、われわれは多額のレバレッジ(借り入れ)に加え、現在がインフレまたはデフレなのかという疑問にも直面している。
だから、金相場がわれわれに示していることを検討する価値がある。
レバレッジは金融史全体をカバーする幅広い用語だ。債務が資産に担保されるのと基本的に同じ仕組みだ。牛を受け取れば、紙1枚を渡す。その後の革新は、資産で担保された債務の変形にすぎない。
バブルを簡単に説明すると、資産や債務の形態にかかわらず、資産で正当化される水準を過度に上回る水準に債務を増やす理由付けが出てきた時に生じるものだ。
オランダのチューリップバブル
チューリップ投資に熱中した人を考えてみよう。すべてのバブルと同様、この時もレバレッジが特徴的だった。通常の債務だけでなく、レバレッジされたチューリップ取引がバブルに火を付けた。バブルが終わった時、チューリップの球根を買うため住宅や事業を抵当に入れた人に対してオランダ政府は救済を拒み、その後、数年にわたって不況が続いた。
最近の不動産バブルはチューリップバブルのケースとは似ていない。今回は資産価値の上昇とその後の経済との関係は薄かった。不動産バブルは、将来の見通しや収入への消費者の純粋な確信を基に膨らんだ。
不動産バブルがはじけたのは、クレジットカード依存者が使える最後の資金を使い果たし、資産価値を上回る住宅ローンを契約しかねない人たちが発覚した時だった。人々の見通しや収入と、負担できる債務の関係が希薄ながらも存在したために、不動産価格はラスベガスなど非常に打撃が大きかった都市でも5割の下落にとどまった。株式市場での損失も同じような結果だった。これらはひどい数字のように報じられているが、多くのバブルと比べると小さい。
ドルの流出
われわれはデフレ的なトレンドの最中にある。ただ、それは在庫補充や自動車買い替え奨励策といった措置に一時的に隠されている。
米財務省は深刻なデフレ阻止に向けた資金供給に成功するだろう。だとしても、貿易赤字が拡大するなかで、ドルは米国から外国へ流出し続ける見通しだ。こうした流れを変えられるのは、雇用創出が始まり、企業収益が拡大した時だけだ。問題は、それがいつになるのかということだ。
もう一度、金投資家に話を戻そう。彼らは社会通念として、ただ単にインフレに賭けているのではない。金が当てならないインフレヘッジだったことが過去にもある。ただ、突然の通貨下落に対する安全策だったことも何度かあった。
インフレに関する議論でめったに話題にならないタイプのインフレがある。突然の通貨安によって引き起こされるメガインフレだ。通貨は資産に担保された債務だ。その債務(通貨)が、資産(この場合はその国の経済)で正当化できる水準を上回って膨らんだと認識されれば、バブルが形成される。
どんなバブルでも、それに気付く人はかなり事前に行動する必要がある。これまで各国政府は、過大評価された通貨が大量に売られ始め、相場への圧力が強まった際に、通貨の流出を阻止する措置を講じてきた。私的な金取引を違法とし、通貨の交換に課税した。
現在、米経済は市場が示唆するその債務よりも低い価値しかない。どの程度低いかは誰にも分からない。ただ、金投資家はひそかにあなたにこう言うだろう。だから金を買うのだ。金が規制対象となる前に買いだめしておいた方が良いと。
私は今のところまだそうしてはいないが、その気持ちは日増しに強まっている。(アリス・シュローダー)
(アリス・シュローダー氏はブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。コラムの内容は同氏自身の見解です)
更新日時: 2009/10/02 15:46 JST