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短期市場:金利上昇圧力を警戒、日銀の企業支援策の見直し観測で 9月30日
(ブルームバーグ):
短期金融市場では、日本銀行が企業金融支援策の停止を含めた見直しを行うとの観測報道を受けて、金利上昇圧力が警戒されている。日銀の資金供給量の減少や、次の政策変更につながる「出口戦略」が現実味を帯びてくる可能性もあるためだ。
30日午前のブルームバーグ・ニュースは、日銀が12月末に期限を迎える企業金融支援策のうち、コマーシャルペーパー(CP)と社債の買い入れを年明け以降停止し、企業金融支援特別オペについても期間や供給額の見直しを行う可能性が高まっていると報じた。
企業金融支援策のうち、CPや社債の買い入れオペはここ数カ月、応札する金融機関が極めて少なく、既に形骸化している。ただ、企業金融支援特別オペの見直しについて、市場関係者の間で現状のまま延長との見方もあった。
東短リサーチの関弘研究員は「刺激的なニュースだった」と語る。民間企業債務を担保に0.1%で無制限の資金を貸し出す企業金融支援特別オペの残高は7兆円前後あり、証書貸付債権やCPを抱えるメガバンクや地方金融機関にとってオペ見直しは影響が大きいためだ。
日銀の企業金融支援特別オペによってCPレートが短期国債利回りを下回る「官民逆転」現象が生じるなど、市場金利はゆがんでいる。ただ、国内大手銀行の資金担当者は、市場のへい害を是正する以上に、中小企業向けの資金繰り支援策を検討する亀井静香金融・郵政問題担当相ら政府関係者との摩擦が市場の混乱を招く懸念があるという。
資金供給量の維持
仮に、企業金融支援特別オペの供給期間や資金供給量が見直された場合、東短の関氏は、「企業オペで資金を調達している金融機関が不安にならないよう、減らした分は他の資金供給オペなどで十分補う配慮が必要」と指摘する。
0.1%の固定金利で無制限に借り入れられる特別オペは、市場原理を重視した競争入札への変更、供給期間の多様化、担保対象からのCP除外、などが予想されている。これまで3カ月物一本だった供給期間を最短で1カ月物まで短期化した場合、低下を促していた3カ月物TIBOR(東京銀行間貸出金利)の上昇圧力になる。
国内証券のトレーダーによると、増発が続く国庫短期証券(TB)の需給悪化も懸念されるという。CPとの金利逆転でTBに流入していた投資信託の運用資金がCPレートの上昇によって流出するためだ。また、特別オペの減少で銀行の余剰資金が減れば、運用対象となる5年以下の国債利回りにも上昇圧力がかかる可能性があるという。
先読みリスク
三菱東京UFJ銀行金融市場部戦略トレーディンググループの木下英明次長は、「先読みする市場が次の変更を連想して動き始める方が怖い」という。急激に増やした国債買い切りオペの減額や、当初の想定より利上げ時期が早まるなど、「出口戦略」につながるリスクもあるとみているためだ。
米連邦準備制度理事会(FRB)は前週、企業の資金調達が以前に比べて容易になったことを理由に、商業銀行と債券ディーラーを対象とした2つの緊急融資プログラムを縮小した。日銀も企業金融環境の改善を指摘しており、異例の措置の見直し議論が高まっている。
しかし、三菱東京UFJ銀の木下氏は、「使われなくなったオペでも、セーフティーネット(安全網)が存在することの安心感で市場が落ち着いている面もある」と指摘する。年末にかけては景気が再び落ち込むとの見方もあり、財政・金融政策の協調は重要という。
FRBが過剰流動性の修正を行った際には、市場の影響はほとんど見られなかった。しかし、これまでの金融緩和を弱める「一歩」には細心の注意が必要との声もあり、東短の関氏は「激変緩和措置は不可欠」という。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003017&sid=a6And952U4f8&refer=jp_japan