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http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003017&sid=amcSoQ.pTl5M&refer=jp_news_index
【長期的にはむしろ円安の恐れ、少子高齢化で国力低下−平野元日銀理事】---(ブルーム・バーグ)
9月29日(ブルームバーグ): 日本銀行元理事の平野英治トヨタフィナンシャルサービス取締役はブルームバーグ・ニュースのインタビューで、少子高齢化という日本が置かれた厳しい状況を放置し、きちんとした成長戦略を打ち出せなければ、国力の低下に応じて為替は長期的にはむしろ円安に向かう可能性が高いとの見方を示した。
28日の東京外為市場では、円の対ドル相場が一時1ドル=88円台前半と8カ月ぶりの円高となった。
平野氏は25日に行ったインタビューで、「大きく円高に振れて世の中の不安があおられる場合は、介入するケースもないとは言えないだろう」としながらも、「今がどうかと言われれば、輸出企業にとっては結構厳しい面もあるが、それで当局が騒がなければならない状況だとは到底思えない」と語った。
藤井裕久財務相は24日、米ピッツバーグでガイトナー米財務長官との会談後、記者団に対し「市場というのは自由経済の牙城であり、為替、株式市場であろうが安易に介入するのはどうか」と述べ、あらためて介入に慎重な姿勢を示した。
こうした発言を受けて、円売り・ドル買い介入は行われないとの見方が強まり、円高が進行した。
円高を嫌気して28日の日経平均株価は一時2カ月ぶりに1万円台の大台を割り込んだ。
藤井財務相は同日午後、ブルームバーグ東京支局で講演し、為替相場は「やや一方に偏った面がある」と述べるとともに、「円高をそのまま放置しろとはひと言も言っていない」と強調。「通貨は安定するのが望ましい」との考えを示した。
藤井財務相の発言は原則論
平野氏は「そもそも介入で相場をある一定レンジに長期間維持するのは不可能だ」と指摘。
「為替に対して長期間の影響を持つのは介入ではなく、金融政策、つまり金利だ」と述べた。ただ、「金融政策は国内の物価と景気をみて決定する。為替は間接的に景気、物価に影響するが、金融政策は為替それ自体を目標に行うものではない。従って、金融政策を為替に割り当てるということはない」と語った。
藤井財務相の発言が注目されているが、「介入権がある限り、それを放棄するわけではないが、必要最小限にとどめるという原則論を言っているだけの話であり、それ自身が重大な政策的意味を持っているとは思わない」としている。
週末3日にはトルコのイスタンブールで7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が開かれる。
民主党は内需主導型経済への転換を図るとしている。平野氏は「多少円高に振れてもじたばたせず、それによって緩やかな内需主導の成長を実現できれば良いという政策的な含意があるのかもしれないが、財務相がそこまで意識して発言しているのかははっきりしない」と指摘。
「民主党に為替も含め明確なマクロ政策があるようには思えないので、G7でそれを打ち出すには時間がないのではないか」と語った。
成長戦略なければ円安で生活水準が低下
一方で「円を長期的にどう見るのか」という問題もある、と平野氏は言う。日本は資源、食糧の調達を輸入に頼っているため、円に購買力がないと、その分だけ日本の国民の生活水準が低下する。同氏は「長期的には、日本の国力が立ち直り、それを反映して緩やかに円高に進むことは日本の国益にかなう」との見解を示した。
しかし平野氏は「少子高齢化が進む中、きちんとした成長戦略を打ち出せない現状を見るにつけ、残念ながら日本の国力が長期的に高まることは考えにくい」と指摘。
少子高齢化という不利な条件をそのままにして、日本が置かれている厳しい状況にきちんとした対応を打ち出せなければ、「相対的に国力が落ちて、円が安くならざるを得ないという事態もかなりの確率であるのではないか」としている。
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 日高正裕 Masahiro Hidaka mhidaka@bloomberg.net 記事に関する記者への問い合わせ先:東京 乙馬真由美 Mayumi Otsuma motsuma@bloomberg.net
更新日時 : 2009/09/29 06:00 JST