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http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003001&sid=agtmFNR7w9yo&refer=commentary
【コラム】藤井さんは正しかった、為替で一喜一憂するな−Wペセック
9月28日(ブルームバーグ):藤井裕久財務相は就任後2週間にも満たないうちに日本株式会社の眉をひそめさせた。これは良いことだ。
日本の新財務相が円安を支持しないというのだ。
ウインクや首の振り方、机の下での握手などが幅を利かせる外国為替市場で、この発言はルービン元米財務長官の「強いドル」発言並みのインパクトを持つ。
さらに、藤井財務相の見解は日本とアジアの未来にとって正しいものだ。
短期的には大打撃かもしれない。
日本はリセッション(景気後退)から抜け出そうとする世界の中で純輸出国だ。
自国通貨相場の押し下げこそは最優先課題だと思われるだろう。しかし、藤井氏の円に対する姿勢で、世界2位の経済大国である日本はこれまですがりついてきた開発途上国のような政策から抜け出せるかもしれない。
中国は、経済成長と株式相場上昇にもかかわらず、いざとなれば国内の貧困を訴えて人民元を押し下げることができる。
一方、いくら今回の危機で格差が拡大しているからと言って、日本が貧困を持ち出すのは難しい。
日本の円安政策はアジアの隣人に影響を与えるということにそろそろ気付くべきときだ。
域内最大の経済大国が自国通貨安を目指すなら、韓国やシンガポールがそれを控える理由は何もない。
中国や韓国、タイの当局は今までに、日本が円高を容認すれば各国も為替管理を緩やかにすることが政治的に容易になると主張してきた。
圧 力
アジアはこのような転機を迎えようとしているかもしれない。問題は藤井財務相が圧力に耐えられればだが。
野党に転じた自民党ばかりか政権を握った民主党からも、輸出企業を支えようという声が上がるだろう。
円高が競争力低下を招いて収益の足かせになれば日本が世界の回復から取り残されかねないという議論が出るだろう。
8月の日本の輸出は前年同月比36%減と11カ月連続の減少。円高がパナソニックやトヨタ自動車など超有名企業にも影響を与える一方で、韓国のサムスン電子などはウォン安を追い風に利益を拡大している。
しかし世界を見れば、2008年に世界最大の輸出国だったドイツでは、企業はユーロ高に文句を言うことにそれほどエネルギーを使わない。
オニール元米財務長官の02年の発言は日本にとって参考になるかもしれない。
ブッシュ政権の初代財務長官だったオニール氏は、優れた最高経営責任者(CEO)は為替相場に一喜一憂しないと発言した。
バブル崩壊から20年がたっても日本はまだこれを認められずにいる。
信 任 票
ドル安は、その動きが秩序だったものである限り、米資産を大量に保有するアジアの中央銀行も含めて、投資家に大きな打撃を与えるということはない。
一方、ドル高は資本をアジアから米国へと引き戻すためアジアにとって問題だろう。
しかし米国にとっては、インフレを抑制して長期金利を低位安定させて株価にも好材料となる上に、米経済への究極の信任票でもある。
自国通貨高の力学はアジアにも有効なはずだ。日本経済の約3分の2はサービス業が占めているにもかかわらず、自民党政権は製造業の支援にばかり腐心してきた。
これは企業重視の政策でもある。円安は言わば、日本株式会社への補助金だ。一方、民主党新政権は消費者の購買力増大を目指すとしている。
もっとも、企業重視は今や世界のトレンドだ。自由市場信奉のとりでだった米国ですらあの調子だし、日本の新政権も日本航空を支える方針だ。このような時代だからこそ、藤井氏の発言は新鮮だったのだが。
使い過ぎ
為替相場は経済への衝撃を吸収するための重要な道具ではある。しかし、この道具は使われ過ぎるリスクがある。日本は長く、経済の弱みを修正する代わりに、この道具を使って隠してきた。このような戦略に終止符が打たれるとしたら、日本とアジアにとって明るいニュースだ。
日本は金融システム運営で地域のお手本になることが、まだ可能だ。円を放任することは、その第一歩だろう。(ウィリアム・ペセック)
(ウィリアム・ペセック氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です)
更新日時 : 2009/09/28 16:45 JST
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(コメント)
金融のプロのお墨付きがある事を日本のマスコミはどう見ますかね・・・・
政治では散々海外からの評判が悪いとぶち上げているようですが・・・・