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(回答先: イラン大統領の演説に欧米外交団が一斉退席、イスラエル批判で 投稿者 gikou89 日時 2009 年 9 月 25 日 11:57:18)
http://www.business-i.jp/news/flash-page/news/200909220053a.nwc
ペルシャ湾に面したサウジアラビア東部の石油都市、アルコバールを舞台に、同国有数の資産家マーン・アルサニア氏が運営する企業グループと、同都市きっての有力同族企業、アルゴサイビ家との間で100億ドルの資産流用をめぐる事業紛争が勃発した。
サウジアラビア通貨庁(中央銀行)は5月末にアルサニア氏の銀行口座凍結を通達。ペルシャ湾岸地域全体に信用不安が広がる事態となっている。アルサニア氏側はアルゴサイビ家の申し立てを「事実無根」とし、時機を見てしかるべき法的措置を採るとしている。
アルサニア、アルゴサイビ両グループは、世界的な大手銀行を含む80行に対し157億ドルを上回る未払いがある。訴訟が相次ぐ中、経理の実態に透明性を欠く湾岸地域の企業形態は批判にさらされている。地元の同族企業が債務の危機に陥るという、通常では考えられない事態に関係者は困惑し、湾岸諸国の各銀行への影響を懸念している。
今年のフォーブズ誌による富豪番付で62位に位置するアルサニア氏は、結婚を通じてアルゴサイビ家の同族企業に参加。各種施設の建設を扱う自身の会社、サードグループを創設すると、不動産などに事業を拡大し、欧州の銀行最大手、HSBCと取引するまでに成長させた。現在は高級複合居住施設などを展開し、アルゴサイビ家と並ぶアルコバールの2大勢力となっている。
湾岸地域の同族企業に関する著書もある作家、マイケル・フィールド氏が指摘するように、「会員制クラブ」のような性格を持つアラビア半島内で、身内にあたるアラブ系企業同士がお互いを公に非難するのは極めて珍しい。
各種金融グループの分析によると、同族企業の債務リスクに対する懸念から、サードグループとアルゴサイビ家の紛争が続く間、地域全体での融資は抑制され、今年度のサウジ経済も1%縮小する見込み。一方で地元のメディアや市民は、今回の確執を「実態の見えにくい内輪もめ」と位置づけ、静観を決め込んでいる。
7月にアルゴサイビ家側がニューヨーク州最高裁判所に提出した訴状によると、アルサニア氏はアルゴサイビ家の金融事業を運営し、第三者金融機関との極めて不自然な為替取引を通じて100億ドルを詐取したとされる。
この取引にかかわったドバイのマシュレック銀行は、今回の不当な訴えが、同行に対する4億ドルのデフォルト(債務不履行)から目をそらせようとするアルゴサイビ家側のパフォーマンスに過ぎない、との声明を発表した。
サウジアラビアの内外の銀行で構成するグループがサードグループの再融資に合意したとも伝えられるが、同族企業で長年続いてきた非効率的な財務形態を理由に、複数の専門家がこれらの企業グループの再建について懐疑的な見方を示している。
アルサニア氏は英住宅建設3位、バークリー・グループと同国の公共事業投資ファンド、スリーアイの株を売却。規制当局への提出資料が示すところによると、同氏は英銀HSBCへの出資比率も3.24%から2.97%に引き下げている。
バンク・サウジ・フランシ(BSF)のエコノミスト、ジョン・スファキアナキス氏は「借入資本に頼って業容を拡大する氏のようなやり方は、信用が失われてしまえば必ず行き詰まる。簡単に融資を受けられていたときでさえも、いずれ危機的状況を迎えることは明らかだった」と指摘した。
(ブルームバーグ Camilla Hall、Glen Carey)