★阿修羅♪ > 国家破産64 > 648.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
「ある中学生の素朴な疑問〜そもそも何故財源がないの?」【村野瀬玲奈の秘書課広報室】
http://www.asyura2.com/09/hasan64/msg/648.html
投稿者 こーるてん 日時 2009 年 9 月 23 日 15:37:39: hndh7vd2.ZV/2
 

●Afternoon Cafe
ある中学生の素朴な疑問〜そもそも何故財源がないの?
http://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-entry-356.html

政府は子ども手当などの財源を確保すべく、補正予算の見直しを始めました。
一説では7兆円ほど見込めるとか。

ところで、先日中学生からこのような素朴な質問を受ける機会がありました。
「二言目には財源がない、財源がないというけれど、そもそもどうしてそんなにお金がないの?日本は世界有数の経済大国だしみんなちゃんと税金払ってるんでしょ?なのにこんなにお金がないのは変だ」

ほんとにこの質問はもっともです。
こないだまでGDP世界第二位だったのに、財政は赤字増大の一途。赤字を埋めるのに国債を乱発行して借金し、その処理のためまた国債発行するという悪循環から抜け出せません。その様はまるでサラ金の多重債務者です。
何故こんなに重税感があるのに国にはお金がないのか。私達が納めてる税金はどこに行っちゃったのか。借金まみれるほど一体何にお金を使って来たのでしょう?(社会保障や福祉につぎ込んだのでないことは明らかです。)
不思議です・・・

無駄遣いが多い、いらない所にお金を使いすぎてきたというのも確かに一因です。
ずさんなハコモノ行政、いらない道路、天下り、膨れる軍事費、思いやり予算etc
これについては民主党が宣言どおり無駄遣い削減を実行するものと期待します。(あ、最後の二つについてもよろしくです。)

でもそれだけで世界一の借金大国に転落するとは思えません。
その根本的な理由が、早雲さんのブログ「晴耕雨読」に明快に書かれていましたので、お持ち帰りさせていただきます。とても勉強になりました、ありがとうございます。

晴耕雨読
◆「財政赤字の累積問題は、高額所得者への累進課税と切っても切れない関係にあるのです」


(引用開始)
累進課税が経済成長を押し上げ、逆進税がそれを悪化させるのはなぜでしょうか。
(略)
高額所得者の所得に占める消費の割合は、貧困者に比べてはるかに少ないため、消費支出、すなわち需要はそれほど増加せずに、一般に、需要が生産増に追いつかない結果になります。
言い換えると、貧富の差が拡大しているがために、需要が供給に追いつかなくなってしまうのです。
その結果、生産を需要に合わせて引き下げなければならなくなり、当然、経済成長は鈍化してしまうのです。
(略)
全需要の2/3を占める一般消費者に課税をかけて、消費の能力をうばい、金持ちを優遇して、金持ちの貯蓄を増やし、さらに一般消費者が消費できなくなったがゆえに大きくなってしまった需給ギャップを穴埋めするために政府が赤字国債を発行して、かわりに消費し、ご丁寧にもその赤字国債を金持ちに買ってもらうことにより、金持ちに対して国が利息もはらっているというのが現実なのです。

これが金持ち優遇税制つまり逆進税をした結果なのです。こんな不健全な経済がいつまでも持つと思いますか?

いいですか、もういちど繰り返します。貧困者はわずかな所得しかしないために、すべての所得を使い切ります。
また、中間所得層は、所得のごく一部を貯蓄し、高額所得者はそれよりもはるかに多くの金額を貯蓄に回します。
したがって、高額所得者の貯蓄が銀行に預金されたままであったり、例えそれが使われたとしても、国債などの金融投機を対象としていたならば、資金の循環が止まってしまうのです。
生産者はいくら豊富に資金の出し手があっても、需要がなければ投資をしないからです。

一般の消費者に資金がゆかなければ需要は伸びません。この資金循環の停止こそが、不況や大恐慌の原因になるのです。
累進税は高額所得者の遊休資金を吸い上げ、それを財政支出など公的支出につかうことをねらったものです。
政府の需要が高額所得者の貯蓄や投資の結果生じる需要の減少分を補っているのです。
こうすることによって、わざわざ赤字国債を発行して需要不足を補う必要はなくなるのです。
だから財政赤字の累積問題は、高額所得者への累進課税と切っても切れない関係にあるのです。(引用ここまで)

なるほど、金持ち大企業優遇して低所得者に肩代わりさせるのは、単に「財源がないなら消費税で貧しい人間から搾り取らず、大企業や高額所得者から取らねば不公平だ。」というにとどまらず、国の財政を赤字に転落させた原因でもあったのですね。
自民党はほんの一握りの大金持ち=財界の言いなりになることで、じりじりと日本の財政を長期的に壊していったのです。

また、赤字の原因はこれだけではなく、毎年毎年、膨大に米国債を買っている(買わされている)ことにもあります。
晴耕雨読
◆「日本はなぜ負債大国になったか」 
◆「日本はなぜ負債大国になったか-2」 
◆「日本はなぜ負債大国になったか-3」 
◆「日本はなぜ負債大国になったか-4」 
こちらも参考になりますのでリンクを貼ります。
◆むしられ続ける日本

詳しい説明は上のリンク先を是非読んでいただきたいのですが、せっかくの中学生からの質問なので簡単に言えば、いくら米国債を買っても元金すら返って来ないのです。見返りはゼロに等しい。なぜならそれを売ることも金に変えることも出来ないから。

これは比較的良い風にたとえるとゲームセンターのコインに似てると思います。
換金できないゲームセンターのコインはいくら増やしてもコインのままでしか持つことが出来ません。そしてそのコインを誰かに現金で買って貰うことも出来ないなら、ずっとそのゲームセンターで使うより他に使い道がありません。当然いくらコインが増えても小遣いの足しにはなりません。
そんなコインを毎月毎月大金はたいて買い続けている・・小遣いは赤字になるに決まってます。

コイン(米国債)を金に替えられなくなったのは1971年です。
日本はずっと米国債を買ってアメリカに貢ぎ、アメリカの赤字の肩代わりをしてきましたが、そのお金はほとんど返ってこない仕組みになっています。つまり日本にとってみればずっと1971年からお金を溝に捨てているのと同じです。
『アメリカは、国家予算のうち自由に使える予算の半分を軍事費に充てています。税収だけでは国家予算をとてもまかないきれないので、国債を発行して戦争を続けているのです。その米国債を、日本では今、80兆円も買っています。つまり、米国債を買うことでアメリカの戦争にお金を出しているのです。』 (http://www.magazine9.jp/interv/kikuchi/index.htmlより引用)
自国の財力を積極的にそいで一部の金持ちと外国(アメリカ)に貢ぐという国益に反する政治を行う政権など、世界中探しても自公政権以外見つからないでしょう。もうこれは政治というより、国の私物化に近いと改めて実感します。

そもそも何故こんなにお金がないのかという中学生の質問は、日本の財政は財界とアメリカに蝕まれてるからだ、という根本をつくものでした。

無駄遣い削減だけでは焼け石に水でいつかは限界がくることは、民主党もわかっていると思います。あとはアメリカと財界という聖域に踏み込む勇気があるかどうかです。この二大癌にメスを入れなければ4年後消費税増税しか道はありません。
民主党政権は、天下りや無駄遣いで官僚を叩いてお茶を濁し続けるのでなく、是非諸悪の根源にメスを入れる勇気を持って欲しいと思います。

(転載ここまで)

「晴耕雨読」の記事は長いので一部だけを引用させていただきます。


●晴耕雨読
■「日本はなぜ負債大国になったか」  マクロ経済/経済政策
http://sun.ap.teacup.com/souun/126.html

平和時に政府が借金を増やす理由は、富に対する課税を怠ったことに起因する。

現在の財政政策の悲劇は、生産的な産業投資よりも、非生産的で寄生的な富の方が簡単に税金逃れができる点にある。

過剰の富や、不労所得者の所得へ課税する代わりに、必需品や生産的な直接投資、労働者階級への課税を増加すれば、産業の発展や繁栄は抑制されてしまう。

税制の改正は、金融および不動産投資家に、寄生的かつ投機的な収益を求めることを奨励する。
この新しい財政哲学は、世界競争に向けた生産性や生産高拡大のための再投資に必要な収益を産業界から奪いかねない。

国民はこの「新しい」税制政策がいかに深刻な影響を与えるか理解していない。(後略)

■「日本はなぜ負債大国になったか-2」  マクロ経済/経済政策
http://sun.ap.teacup.com/souun/127.html

日本の国債残高増加の国内の原因

表2は、日本の国債が、雪だるま式に増加した原因を明らかにしている。1980 年以来、日本は国家の歳入を上回る金額を支出し、その差を借金、つまり国債の 発行で補ってきた。

あるいは、政府は歳出の増加に合わせた増税をしなかったとも言える(つまり 日本のトップ10%の富が増加した分だけの税を徴収しなかった)。その代わり何 をしたかというと、FIRE分野に税制上の優遇措置を与えたのである。さらに日本 政府は、優遇措置を与えたそのFIRE分野から借金もしている。日本政府は1980年 以来平均で、支出予算の15%以上を借金で賄っているのだ。

しかし日本の借金の原因は、実際には税率が下げられた裕福なFIRE分野ではな く、公共政策の受益者である残りの国民の責任にされているが、本来の責任は主 に日本のFIRE分野と、さらには米国の経済・軍事プログラムを支援した点にある。(後略)

■「日本はなぜ負債大国になったか-3」  マクロ経済/経済政策
http://sun.ap.teacup.com/souun/128.html

日本の財政ジレンマの原因の中で見落としがちなのは、日本の借金の増加が米国財務省への融資額の増加と歩調を合わせている点である。
(中略)
世界通貨制度の中で米国を資金援助するという役割を果たさなければならないがために、日本は消費税を3%から5%へ増税しなければならないのである。米国のFIRE部門("Finance(金融)"、"Insurance(保険)"、"Real Estate(不動産)"産業の一般的な略称)がキャピタル・ゲインへの課税を削減させることに成功すれば、日本はさらに多くの資金を供出しなければならなくなるであろう。このキャピタル・ゲイン税減税の主な受益者は不動産部門であり、連邦政府に支払う税金はほぼ完全に無税となる。米国の不動産部門から全く税金をとらず、さらに日本でも不動産バブルを引き起こした不動産および金融部門に対する課税を強めなければ、日本の消費税は15%まで引き上げざるを得なくなるであろうと試算されている。

日本の有権者は、大蔵省や与党がなぜ消費税増税を迫っているのか、その理由を理解すべきである。これは極めて重要なことなのだ。日本の歳出を補うために必要な税金を投資家が支払っていないために、消費者が代わって税金を払わなければならないのである。(後略)

■「日本はなぜ負債大国になったか-4」  マクロ経済/経済政策
http://sun.ap.teacup.com/souun/129.html

まとめ

日本の財政問題や国債残高の問題を語るとき、日本政府は国民への課税が少なすぎる、あるいは歳出が多すぎる、という言い方をする。これは金融、保険、不動産部門の税負担が低すぎるという事実から焦点をそらして、日本国民全体がもっと税金を支払うべきだということをほのめかすためである。

日本の財政問題を国際的な場面に置いて検討することが重要である。日本の国債を単に日本国内の問題であると捉えてしまうと、米国政府が米国民や企業に対する課税を避けるためにおこなわれている悪循環を断ち切ることはできない。これでは、大蔵官僚が米国のやり方こそ正しいと洗脳されてしまうことと同じである。日本が抱えている問題と全く同じ問題に米国が苦しんでいることを忘れてはならない。事実、日本が財務省証券を購入して直接的に援助しなければ、また米国の外交政策や海外の軍事費を資金援助することで間接的に米国経済を救済しなければ、米国の財政問題はさらに深刻さを増すのである。

今、日本国民にとって最悪なことは、不労所得に税金を課すのではなく、消費税を5%、ひいては15%にまで引き上げることを大蔵省が主張している点である。この政策をとると、消費財や賃金に課税することによって輸出品に組み込まれる労働コストが上昇し、国内の生活水準が低下してしまう。そしてその一方で、不動産や金融投資家は、生産的なサービスを積極的に提供しなくとも、資産価値が上がるのをただ待っているだけで裕福になっていくという、とんでもない構図ができあがる。

これはまさに米国式のやり方である。先に述べたように、米国の全資産の約3分の2が不動産であるにも拘らず、不動産業界に支持された政治家が税法に書き入れた税制の優遇措置や抜け穴のお陰で、不動産業者は所得税を事実上、全く支払っていない。

これが本当に日本が目指したい方向なのであろうか。この道を辿れば、日本の企業家は、日本国民の幸福や経済的なバランスにつながる財やサービスを生産するよりも、バブル経済を復活させた方が儲かるようになってしまう。

不労所得(地代、賃貸料、金利、キャピタル・ゲイン)にはできるだけ高い税金を課し、資本投資や就労所得からの収益に対してはできるだけ低い税金を課すべきだと経済学者は認めている。固定資産税を引き上げても土地の供給は減らないが、賃金に対して増税すれば、労働力の供給や、純粋な経済的収益、さらに購買力は減少する。消費税を値上げすれば、日本経済を動かす収入と支出の循環は徐々に蝕まれていく。資金は市場から引き上げられ、もっぱら土地や株式市場の投機に回されることになるであろう。(後略)

(引用ここまで)

こういうことを少しずつでもこつこつと学んで知って広めていくことから真の政治改革、財政改革が始まるのだと思います。

民主党が「アメリカと財界という聖域に踏み込む勇気があるかどうか」、「この二大癌にメスを入れ」られるかどうかは、国民が学ぶことと民主党を叱咤激励あるいはきびしく監視できるかどうかにかかっていると思います。暖かく見守っていてはこの構造だけが温存されて消費税だけが上げられることになりそうです。

民主党政権が「天下りや無駄遣いで官僚を叩いてお茶を濁し続けるのでなく、是非諸悪の根源にメスを入れる勇気」を持てるかどうかは、国民の意識と意思にかかっています。

民主党が「天下りや無駄遣い」を精査している間に、民主党(連立与党)への国民からの指摘や投書やはたらきかけで「アメリカと財界という聖域に踏み込む勇気」を民主党に持たせることができるかどうかが大切だと思いました。

(引用おわり)


 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      HOME > 国家破産64掲示板

フォローアップ:

このページに返信するときは、このボタンを押してください。投稿フォームが開きます。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。