★阿修羅♪ > 国家破産64 > 607.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu200.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
--------------------------------------------------------------------------------
『待ったなし!日本経済』 日本人はいくら働いても暮らしはよくならず、
輸入先に富を奪われ、輸出先にコスト増分を押し付けられない。
2009年9月21日 月曜日
日本国内ではパート、派遣労働により労働コストを抑制する構造が定着した
◆「待ったなし!」日本経済 V字回復それともL字回復か!? 田村秀男:著
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032283075&Action_id=121&Sza_id=B0
◆ユー口の支配者はドイツ
ドイツがユー口成立までこぎつけたのは、やはり国富は通貨次第で左右されることを見抜いていたフランスと利害が一致し、連合したからである。フランスもドイツの通貨マルクを母体とすべきというドイツの言い分を受け入れた。
ユー口のひな形になった79年の欧州通貨単位以来、試行錯誤を重ねてきた通貨統合への動きはブラックマンデー前後の米独の亀裂以降、加速し99年に共通通貨ユー口による決済が始まり、ユー口は統一通貨として機能し始めた。そして02年にユー口加盟圏でユー口貨幣が導入された。
ではユー口はどこまで、覇権国通貨であり基軸通貨であるドルに肉薄できたのか。
国際通貨基金(IMF)の調べでは08年3月末時点で、各国金融当局が保有する外貨準備は米ドル換算で合計約4兆3200億ドル(当時の換算レートで約475兆円)。このうち米ドルで保有されているのは約2兆7200億ドルで、その比率は63%、07年末に比べ1ポイント低下した。米ドルの比率は、ユー口が発足した99年当時は70%を超え、01年6月には73%に達し、ユー口を寄せ付けなかったが、73%をピークに下落を続けている。
ユー口の比率は当初の18%前後から徐々に上昇し、08年3月末に27%に達した。円の比率はこの間に6%から3%に半減した。円も国際的な準備通貨に数えられるが、国際金融市場ではみる影もない。中国人民元がIMFのSDR(特別引き出し権)構成通貨にでもなれば、国際準備通貨として認知される。そのときは、人民元が準備資産通貨として円を抜いてしまうのは時問の問題になるだろう。
もちろん、国際的な準備通貨と基軸通貨の違いは大きい。いくらユー口が準備通貨としての存在感を高めても、原油、穀物、鉱物などの1次資源相場はドルで表示され・ドルで取り引きされ、ドルで決済される。国際金融市場の中心はロンドンとニューヨークであり、金融商品の大半はドル建てである。金融面でユー口は公社債市場でシェアを伸ばしているものの、いつでもいくらでも自由に取り引きできる、金融用語で言うと多様性と流動性に富んだドル建ての金融の足下にも及ばない。
この現実があらわになったのが、世界金融危機で、米国で天文学的に創出された信用マネーによる金融商品を欧州の金融機関が大量に抱えていた。ドイツを含む欧州はユー口導入地域であろうとなかろうと、巨大な津波に襲われた。
米国の問題金融商品総額は23兆2100億ドルに比べ、ユー口圏は7兆8300億ドル、英国を含めた欧州合計で8兆9250億ドルに上る。GDP比でみると、ユー口圏GDPの約6割、欧州全体で53%に相当する。これらの金融商品の不良債権化は時問を追うごとに進んでおり、30%の損失になればGDPの18%相当の不良資産償却が必要になる。90年代の日本の金融機関の不良債権処理とほぽ同じ水準の負担がユー口圏に襲いかかることになる。
だが、ドイツの自信は揺るがない。金融危機に対しては08年10月、「金融市場安定化法」を成立させ、金融機関への資本注入・不良債権の買い取りをさっさと決めた。11月には総額500億ユー口(約6兆5000億円一の総合経済対策を発表し、自動車税の期間限定免除、中小企業向け減税、建物の改築・省エネ支援などを打ち出した。
09年4月2日、ロンドンで開かれた主要20カ国首脳による金融サミツトでは米国から強く財政支出の上積みを求められたが、ドイツのメルケル首相は「すでに打った対策で十分」と動じなかった。
対照的に日本の麻生首相は英国のテレビのインタビューでメルケル首相を激しく批判し、米国の要請に合わせて打ち出した15兆円の追加経済対策を誇示した。「日本は米国に依存し過ぎている」「ドイツは米国の圧力に屈しない」という前出のティートマイヤー氏の独立自尊のゲルマン精神は、メルケル首相らドイツの指導者に行き渡っていることを麻生氏は知る由もないだろう(※注2)。
経済危機はユー口圏も深刻で、09年の経済成長率見通しはマイナスだが、日本ほど悪くはない。
ユー口効果でドイツを中心にするユー口圏の経済体質は明らかに強化されてきた。通貨が単一化されると、ユー口加盟国(09年で16カ国)の間で競争意識が高まる。一物一価の法則が加盟圏全域に貫かれるようになるからだ。すると、産業は活性化する。
日本の内閣府の分析によれば、05年の労働生産性は米国を100とすると、日本は71で主要国中最低の水準であるのに対し、ユー口圏は87で、英国も83と高い。ユー口圏は勤勉さでは日本国民と並び称せられるドイツばかりでなく、イタリア、スペインなど生産性に問題があるとみられがちな諸国も含まれるが、飲食、小売り、運送などサービス業を中心に競争が高まり、労働者-人当たりの生産量が大きく改善しているわけである。
ドイツは輸出大国である。GDP比でみると、ドイツの輸出はGDPの45・6%を占める。中国の45.8%と同水準だ。これに比べると、日本の輸出依存度は16・3%で、ドイツや中国をはるかに下回る。ところが主要国中で、08年9月の「リーマン・ショック」に始まる世界大不況の影響を最も深刻にかぶっているのは日本である。ドイツも輸出は減り、GDPもマイナス成長に陥っているが、日本ほどひどくはない。
実は、ドイツの輸出の75%は欧州向け、65%はユー口圏を中心にした欧州連合(EU)向けである。ドイツの対外直接投資の6割近くがEU向けである。つまりドイツはユー口圏を中心に欧州をみずからの経済圏に組み入れている。ユー口非加盟のEU加盟国でも共通通貨ユー口は決済通貨になるので、ドイツは欧州での貿易と投資の大半をユー口で決済できる。
この特徴は、国際的な価格変動に強いことだ。つまり、企業は原材料コストが急騰しても、値上がり分をそのまま輸出価格に転嫁しやすい。輸出先の多くがユー口建ての決済に応じるのだから、自国での販売価格と同じ価格を輸出用にも適用すればよい。要するに、市場経済では常識の一物一価の法則」を貫ける。
日本企業の場合、自社系列企業の多い東南アジア向け貿易は円建て決済できるが、米国向けはドル建て、欧州向けはマルク建てでそれぞれ輸出し、中国向けはやはりドル決済というふうに、円建てにするわけにいかない。現地通貨建てでのビジネスだから、輸入原材料コストが上がってもただちに転嫁できない。中国や韓国製品との競合も激しいから、輸出価格はむしろ引き下げるしかない。
09年になって原油価格は米国のドル垂れ流しの影響で高騰し始めたが、08年前半でもドルの過剰流動性が原油価格を高騰させた。このとき輸出価格を引き上げられない日本は年間で数十兆円の国富を喪失した(※注3)。
ものごとは1枚のグラフで説明できる。」輸出、輸入の単価を示すのが次ぺージのグラフである。
ドイツは輸入単価の上昇分に劣らず、輸出単価を引き上げることに成功している。日本の輸入単価はドイツと同様、急上昇しているが、輸出単価は上げられない。日本国内ではパート、派遣労働により労働コストを抑制する構造が定着、あとは円安で輸出ドライブをかけるしかない。このパターンは一貫して続き、原油価格上昇以降はさらに頼るわけである。つまり、日本人はいくら働いても暮らしはよくならず、輸入先に富を奪われ、輸出先にコスト増分を押し付けられない。
ドイツは、ユー口圏の拡大で、大きく受益しているわけである。円圏を持たない日本は、近隣アジアと同様、莫大な交易損失(輸出入価格の変動の差による損失)に苦しんでいる。日本の交易損失額は、2008年前半で国内総生産の26%、消費税に換算して10数%に相当する。
ドイツにとっては、金融危機に巻き込まれ、息絶え絶えになった周辺国を共通通貨「ユー口」圏に取り込む好機である。旧東欧を経済圏に組み込んでいるドイツの場合、製造業から不動産開発など直接投資を増やしてきた。対象国はユー口に加盟しようと自国通貨を切り上げる。するとドイツの対外資産はユー口換算でかさ上げされる。
たとえば09年にユー口に加盟したスロバキアの通貨はドイツなどからの資本流入を受けて3年間で24%切り上がった。隣国のチェコも加盟に向け通貨切り上げに躍起となっている。ユー口圏に入ればドイツ企業はそこで為替変動リスクに煩わされず、低コストで製品を現地生産し、ドイツ国内と同じ価格で売って高収益を上げられる。さらにユー口圏の実力を背景にドイツ企業はユー口建てで貿易し、日本企業のようにドル相場の下落で巨額の損失を被ることがないし、日本のようにデフレ病にかかることもない。
政府がエコカーへの購入補助など消費者の背中を押すだけで成果を挙げている。オバマ政権にいくら強要されても、無駄な財政支出は一切しないという、ドイツの自信の背景には共通通貨ユー口を安定した強い国際通貨として維持して行けば、ドイツ国民は不当に富を収奪されることなく、国家を発展させられるという確信に基づいている。
残念ながら、日本にはそんな国家戦略はない。また対ドル依存、対米依存で無思考、輸出の回復待ち。当面は赤字国債を大量発行し、一時しのぎにばらまき、あとは消費税増税で財政の帳尻を合わせるという安易さである。
この日独の大きな差はやはりプラザ合意以降の対米関係の過程の中で増幅されてきた。(P181〜P188)
(私のコメント)
読書の秋という事で私が最近読んだ本を紹介していますが、田村秀男著「待ったなし!日本経済」は為替などの日本経済の基本構造から分析して書かれている。しかしこのような社会科学系の本を読む人は少なく、グーグルで探してみても書評のようなものは見つからない。円やドルやユーロといった為替の問題はFXをやっている人しか興味が無いのだろう。
冒頭のグラフを見ても分かるように、日本政府の失政によって日本の富が海外に流出してしまっているのですが、ドイツと日本とを比べて見ればその違いがはっきりする。ドイツが輸出がGDPの45%にも達して輸出大国ですが、日本ほど大きな影響を受けていないと指摘しています。日本は輸出依存度が16%と低いのにドイツ以上の打撃を受けている。
ドイツは755がヨーロッパ向けであり大半をユーロで決済が出来る。世界の為替相場が大変動してもユーロ圏内ではその影響を受けない。それに対して日本は円決済はわずかでありほとんどがドル建てだ。輸入も石油などが上がればコストが上昇し、輸出も韓国や中国との競争で引き上げる事ができない。日本もアジア圏では円経済圏を広げてドルの乱高下の影響を受けないようにすべきですが、日本政府は円経済圏を作るつもりは無いようだ。
アメリカのバーナンキ議長は昨日も書いたようにドルの暴落する危険性を認識していないようだ。だから日本もドイツを見習って円経済圏を作るべきなのでしょうが、ヨーロッパのようなわけには行かない。しかしドル基軸通貨体制はアメリカ経済が危機的状況になって紙切れに成る可能性がある。だからドルを外貨準備として大量に持たされているわけですが、EU諸国は大量のドルを持つ必要が無い。
リーマンショックでユーロに加盟していないヨーロッパ諸国は通貨が暴落して経済危機がおきましたが、ユーロに加盟していた国は通貨の暴落から逃れる事ができた。だから今度の経済危機でもユーロ経済圏を広げるチャンスでもあるのですが、ユーロ経済圏は人口も経済規模もアメリカを上回る規模になっている。問題は石油がロシアや中東に頼っているからロシアや中東をユーロで決済できればドルの影響はより少なくすることが出来る。
日本は輸入も輸出もドル建てが圧倒的であり、ドルの変動の影響をもろに受ける。アメリカよりも多くなった対中国との貿易でもドル決済なのはどうしてだろう。人民元は為替が自由化されていないから中国に輸出して人民元を受け取っても、その人民元でオーストラリアやインドネシアやアメリカとの貿易に使えない。中国も円で受け取っても円の流通量が少ないから使い勝手が悪い。
中国にしてもドルの暴落に備えてSDRを基軸通貨にするようにG20などの会議に持ち出そうとしていますが、アメリカもドルの基軸通貨体制を守るのに必死だ。ドルが基軸通貨である限りバーナンキ議長は安心してドルをばら撒ける。要するに基軸通貨は使い勝手が良いからドルが使われている訳であり、ユーロが外貨準備としての割合を18%から27%に拡大しているのに、円は6%から3%に半減している。
つまり国際通貨として円はますます小さくなり、中国の人民元にとって代わられる日が来るかもしれない。世界経済が拡大を続けているのに日本のGDPは全く停滞してしまっているから割合が小さくなってしまっているのでしょう。世界第二位の経済大国という文句は今年から使えなくなりましたが、国内の消費が伸びないからGDPが停滞してしまっているのだ。
800兆円もの国債を発行して景気対策も打たれましたが、そのカネはどこに消えたのだろう。それは企業も個人も借金の返済などに消えているのだろう。公共事業で建設会社に金が渡っても建設会社は借金の返済で手一杯だ。そこのサラリーマンも住宅ローンなどの返済に追われてる。高度成長時代に借金漬け経済になりバブル崩壊でカネの流れが逆流している。
その事が世界経済が拡大し続けているのに日本だけが停滞した原因なのですが、今度は世界中がバランスシート不況になってしまった。だからアメリカは日本の例を見習って財政で莫大な借金の穴を埋め続けなければならない。しかしアメリカはドルが基軸通貨なので借金の穴を日本の円や中国の人民元で埋めようとしている。ドルは印刷すればいいだけだからバブル崩壊も日本のようにはならないかもしれない。
85年のプラザ合意はドルの借金の踏み倒しですが日本もドイツも踏み倒された。だからドイツはユーロ経済圏を作って防衛しようとしている。中国も第二のプラザ合意に遭わない様にアメリカに対して警告しているのですが、ドイツも中国もアメリカに対しては対抗策を取ったり取ろうとしていますが、日本だけが何もせずアメリカに踏み倒されっぱなしだ。なぜ日本政府は中国のように警告したりSDRを国際通貨にしろとか言わないのだろうか。
90年代から最近までアメリカが刷り散らかしたドルを日本が一手に買ってきましたが、その分だけ日本の富がアメリカに移転してしまう。中国はそのような目に遭わないように通貨の多極化を模索している。鳩山論文ではアジアでも経済圏を作って共通通貨を作ろうと構想しているようですが、日米会談でそのような話ができるのだろうか?
自民党政権ではアメリカの言いなりになる事で政権を維持してきましたが、アメリカの国力の衰退が日本にも政権の交代をもたらしている。アメリカはもはや85年のプラザ合意のような真似をすればG20で叩かれるだろう。ユーロがドルに代わって基軸通貨の座を狙っているからだ。アメリカはそれに対してアメーロのような新たなる通貨を作ってドルを御破算にするのだろうか?
◆北米連邦(North America Union)の発足と3国の新通貨であるAmeroの導入。 2008年12月26日 dabo-gc
http://dabo.dtiblog.com/blog-date-200812.html
北米3国(米国、カナダ、メキシコ)を統合した連邦を作り、新通貨アメーロを発行するという構想をブッシュが持っていたという噂は以前から流れていた。もう新通貨は印刷さえ終わっていると言う情報通もいる。
私には残念ながらヨーロッパにおいてユーロが導入された背景、またその過程はよくわからない。しかし、北米でもそれが起こっても不思議ではないとは思う。またNSU、新通貨アメーロ構想を知る人も多いと言われ、それがいつ導入されるのか、あるいはされないのかは別にして、単なる噂ではないレベルの話の様に思えてくる。ただどうもNSU構想には、国境の撤廃(自由な行き来)という一面もあるようで、これが実現可能なのか私の頭では到底考えられない。
もしアメーロが導入された場合、旧通貨と新通貨がどの様に交換され(10対1とも言われる)、世界の為替市場でどうなるのかも私にはさっぱりわからないけれど今の米ドルは急落するであろうとは言われている。結果として、デフォルト宣言に似たインパクトがあり、その影響は計り知れないものがあるだろうとは思う。
(私のコメント)
要するに新ドル札を発行して旧ドル札は10:1で交換するという事も考えられます。90%も踏み倒すという事ですが中国が承知するだろうか? 日本政府は例によって泣き寝入りでしょう。だから中国では金を買う人が増えているようです。ユーロならそのまま使えるから影響はないのですが、日本の円はドルが踏み倒されて安くなるかもしれません。アメリカ国内では新ドルも旧ドルも1ドルは1ドルで流通すれば問題は無い。それはアメーロとも言われるかもしれませんが、日本も民主党政権が出来たのだからドルは売り飛ばしてユーロに変えておきましょう。