★阿修羅♪ > 国家破産64 > 602.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu200.htm
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
--------------------------------------------------------------------------------
バーナンキという人物が、これまでアメリカのトップが共有してきた危機感
や発想を持っていないかがよく分かる。石油のドル表示も気にしない。
2009年9月20日 日曜日
◆世界同時バランスシート不況 金融資本主義に未来はあるか リチャード・クー/著村山昇作/著
http://books.yahoo.co.jp/book_detail/AAY62320/
◆中央銀行のバランスシートを毀損させるのはきわめて危険
しかもその一方で、中央銀行のバランスシートが急速に劣化していることを見逃してはならない。中央銀行が民間のリスクアセットを購入した後にそれらのアセットの価値が下がれば当然中央銀行の財務内容も悪化するからだ。ところがこれまでは中央銀行のバランスシートの健全性はほとんど話題にならなかった。中央銀行が民間のリスクアセットを購入することはなかったし、また以前にそのような購入が必要になったときは、中央銀行ではなく政府(=財務省)が購入していたからだ。つまり民間のリスクアセットを購入するのは本来財政政策の一部であり、金融政策の一部ではないのである。バーナンキたちはそれを承知の上でやっていると思うが、彼らの議論を見ていると、「どうせ中央銀行と財務省は同じ政府なのだから、どちらがやっても同じだ」というところで話を進めているように見える。
しかし私は、中央銀行がバランスシートを使うのと、財務省がバランスシートを使うのとでは、全く意味が違うと考えている。中央銀行がバランスシートを使うと直接、通貨の信認につながるリスクがあるが、財務省のバランスシートを使う場合はそのリスクが大幅に減少するからだ。いまの通貨というのは金でバックされているわけでも、銀でバックされているわけでもない。人々が中央銀行を信用しているからという信用によって支えられているのである。
そういうなかで、「どうも中央銀行は債務超過じゃないか」とか、「FRBはシティバンクよりもひどい不良債権を抱えてるようだ」とか、そういうことが民間で言われ始めたときに、何が起きるかは誰にも予測できない。世界中の投資家がドルから逃げ出し、ドルが暴落するかもしれない一方で、FRBのバランスシートとFRBの金融政策は関係ないということで何も起きないかもしれない。しかし人類が一九七一年まで何千年も貴金属のバックのある通貨しか信用してこなかったという歴史を見ると、全く何も起きないと考えるのは危険だろう。
本来、民間のリスクアセットを買うというのは財政政策であって金融政策ではない。したがってトマトケチャップを買う、あるいはCP(コマーシャルペーパー)を買うのだったら財務省が買うべきなのである。それでバランスシートが膨らんだ財務省を中央銀行が国債の購入増などでサポートするというのなら、まだ一つクッションがあって、購入したリスクアセットが発行体の破綻などで不良債権化しても中央銀行のバランスシート自体は段損されない。
レーガン時代のアメリカや九〇年代以降の日本が膨大な財政赤字を出しながらも通貨の信用を失わずに、これまでやってこられたのは、金融政策と財政政策が分離されていたことで、どんなに政府が財政赤字を出しても、中央銀行が国民の信認に値する行動をとってきたからである。つまり中央銀行さえしっかりしていれば財政赤字はそれ以上の問題にはならない。ところが両者が一体で運営されてしまったら、中央銀行は国民の信認に応えられないこともやらされることになりかねず、そうなると第一次世界大戦後のドイツとかオーストリアが経験した悲惨な状態になってしまう可能性が高いのである。
中央銀行の独立というのは、人類の知恵の産物である。三権分立ということはよく言われるが、私は実は四権分立だと思っている。司法・立法・行政に加えて四つ目が中央銀行なのである。立法・行政府と司法は同じ政府といえば同じ政府に違いないが、分かれているから人々は信用しているのであって、分かれていることにこそ意味がある。同様に財務省と中央銀行が分かれているから、中央銀行は国民の信認が得られているのである。
ところが実際に財務省のバランスシートで民間のリスクアセットを購入しようとすれば、すぐにその財源をどこから持ってくるかという政治問題が起こる。つまりこれは本来、財源がいる話であり、そこにはどうしても政治という時間のかかるプロセスが不可欠となる。ところがいまの金融危機は一分一秒を争う世界であり、何週間も何か月も与野党が救済策を立法化するまで待ってくれない。つまり財務省のバランスシートには機動性がないのである。その一方で、中央銀行はやろうと思えばすぐにできるから、いまのような局面ではどうしても機動性ということで中央銀行のバランスシートを使わざるを得ないところがあるのである。
もしこの問題が短期的に片付く問題ならば中央銀行がやつても目をつぶれる。しかし、今回のバブル崩壊でダメージを受けた銀行のバランスシートをきれいにするためには何年もかかる、下手をすると十何年かかるかもしれない。ということは緊急避難的に中央銀行のバランスシートを使うだけでは不充分であり、できるだけ早い時点でこれらのリスクアセットを政府のバランスシートに移すか、または政府の保障をこれらのリスクアセットにつけるという処置が必要だろう。
バーナンキに代表される学界の金融政策万能論者には四権分立という発想は全くなく、中央銀行のバランスシートは無限に拡大してもそれで景気が回復すればよいと考えている人たちが多い。しかしこの考え方は、それこそ一つ間違えて国民の信用を失ったら通貨が大暴落に陥る恐れがあるのである。
私はバーナンキがこのような政策をとり始めた○八年秋から直近まで、アラブ、ヨーロッパ、アメリカ、中国の大手投資家を多数回ってきたが、彼らのドル大暴落に対する懸念はものすごく大きいものがあった。
バーナンキの実験は、いまのところみんな「実」の部分ばかり見ているから、まずまずいい方向に向かっているという印象を持っているようである。だが、同時に「虚」の部分も一緒に積み上げているのであって、FRBの抱える不良債権がある水準を超えた時点で、みんなの目が一気に「虚」の部分に向いたら、それこそ考えるのも恐ろしい事態になりかねないのである。
◆ドル暴落の危険性に無神経なバーナンキFRB議長
もう一つわれわれが認識しておくべきことは、よくヨーロッパやアジアではアメリカは基軸通貨国だという言い方がされるが、アメリカ人にはこれらの地域で言われているほど、自分たちのドルが基軸通貨だという認識はないということである。確かに一九七一年まではドルが金とつながっていて、ドルを買うと間接的に金につながっているという意味で基軸通貨と呼べたかもしれない。しかし、それ以降については、アメリカの金融当局者からすると、「ドルがずっと使い勝手のいい通貨であった結果としてみんなが使っているだけであって、われわれがお願いしてドルを使ってくださいと一言ったことは一度もない」ということになる。自然にそういう形になったから人はそれを基軸通貨と呼んでいるが、「ドルだってワン・オブ.ゼムの通貨にすぎない」と彼らは言うのである。
彼らは、もしも日本人が円を基軸通貨にしたければ円をもっと使い勝手のいい、税制も分かりやすいものにしていけば、みんなが円を使い始めるわけで、それでいいじゃないかと考えているのである。
ただアメリカが唯一気にしているのは石油である。それまでのアメリカのトップは石油のドル表示だけは、絶対に守っていきたいという強固な意志を持っていた。イラン革命に端を発した一九七九年の第二次オイルショックのとき、アメリカ経済は深刻な二桁のインフレーションに直面して、まったく行き詰まっていた。そのときにアラブの人たちは、「なぜわれわれはイスラエルを支持している敵国の通貨で石油を売らなければいけないのか」と声をあげたことがある。
当時は米国内のインフレが原因でドルが急落しており、それが石油産出国の不満を募らせたのである。そこで彼らが考えたのが、SDR(IMF加盟国が利用できる通貨バスケット。日本語では特別引出権と訳されている)建てで石油を売ろうということであった。果たして彼らがどれだけ本気でそうしたことを考えたか分からないが、実際にそういう研究会を立ち上げたのは確かであった。
それを察知したアメリカは真っ青になった。慌てたカーター政権はポール・ボルカーをFRBの議長に据え、短期金利を一気に二二%まで引き上げてドル防衛に回った。表向きはインフレ対策だったが、実際はドル防衛も重要な政策目標だった。もし石油とドルの関係が切れたら、アメリカはあの時点ですでに巨額の貿易赤字国だったから、石油を買うのに別の通貨で買わなければならなくなる。
SDRで決済するということになろうものなら、あの当時はSDRの半分ぐらいをドルが占めていたから半分はなんとかなるけれど、残りの半分は外貨を調達しなければならない。ということは、各国の石油購入のために世界中からとてつもないドル売り、他通貨買いが発生して、ドル暴落のシナリオにつながりかねなかった。そこでボルカー議長はアメリカの不動産業界が大きな打撃を被ることを承知で短期金利を二二%まで持っていき、インフレ率を落として、アラブに石油価格のSDR建てを思いとどまらせたのである。
いまのアメリカの貿易赤字はあの当時の何百倍もある。いまは石油はドルで買えるから、アメリカにとって石油の購入は一種の国内取引みたいなものだが、これが円で買わなければならない、ユー口で買わなければならないとなったら、その分だけドルを為替市場で売って、円なりユー口なりを買わなければならなくなる。ということは、ドルが急落する。したがってアメリカの国益という観点から見れば、とにかく石油のドル建てだけはなんとしてでも守らなければいけないのである。
ところが、あのバーナンキFRB議長は○八年二月の議会の公聴会で、ドル安を心配する議員から「石油がドル建てでなくなったらどうするのか」という質問に対して、彼は「どんな表示だって関係ない。あれはシンボリックなものだ」と答えている。
この返答だけを聞いても、いかにバーナンキという人物が、これまでアメリカのトップが共有してきた危機感や発想を持っていないかがよく分かる。石油のドル表示も気にしない。FRBのパランスシートが民間のリスクアセット購入で劣化することも気にしない、とにかくそれらの手段で景気が回復すればすべてが正当化されるというのが彼の発想の根底にあるのである。しかし、いくらバランスシートを拡大しても、いいものが入っているのなら心配ないが、これからとんでもないものがたくさん入ってくる。それが不良債権化したときにどうなるかというのは、まことにもって予測がっかないほど怖い話なのである。(P102〜P109)
(私のコメント)
秋晴れになって5連休真っ盛りですが、読書の秋でもあります。しかし若者の読書離れは酷くなる一方であり雑誌の休刊廃刊が相次いでいる。単行本でも10万部売れればベストセラーであり、多くの本は2,3万部出ればいいほうなのでしょう。出版される単行本は多くなっても買う読者は減ってきているようだ。小さな町の本屋は廃業が相次いで本屋の無い商店街が出来ている。電車の中を見ても以前は本を読んでいた人たちが今では携帯電話を見ている。
原因としては若者が貧しくなって本が買えなくなってきているのだろう。携帯料金だけでも5000円かかるしネットだけでも3000円かかる。だからニュースなどは新聞は取らずにネットや携帯で見る若者が多くなっている。これでは月に何冊もの本を買う金は無いだろう。しかしネットだけではレベルの高い知識が限られているから、専門的な知識は本を読まないと手に入らない。
このように普段から本を読まないと時代の流れが読めなくなり、ネット情報に振り回されるようなことが起きる。だからこの本は読んだ方がいいと思える本を「株式日記」で紹介しているのですが、経済や金融の事はリチャードクー氏の本が一番おもしろい。経済学者の中には彼を地底人と呼んで馬鹿にする人がいるが、彼の言い続けてきた「バランスシート不況」は世界でもスタンダードな見方になりつつある。
つまり金融をいくら緩和しても借り手が現れず、金利が低下してしまう現象だ。あるいは過剰な債務を解消する為に返済を最優先するようになる現象を「バランスシート不況」と呼ぶ。日本は90年代から世界に先駆けてバランスシート不況に突入してしまったわけであり、世界はどのようにして日本がバランスシート不況に対処してきたかを注目している。
個人も企業も過剰な債務を背負っている状態では、消費は停滞してGDPは伸び悩むだろう。アメリカも消費が極端に落ち込んでしまって、その穴を政府の財政が支えている。G20の会議でも世界的な公共投資の増大が打ち出されて景気は何とか踏みとどまっていますが、日本の経験では消費減少の穴を政府の財政で支えないとGDPそのものが落ち込んでしまう。
アメリカ政府はなりふり構わずAIGやフレディマックなどの金融機関を救済して、政府とFRBがリスクを直接引き受ける事でパニックを防いだ。そうしなければ金融機能そのものがストップしてしまって世界経済そのものがショック死する寸前だったのだ。もし日本の経験が無ければアメリカもヨーロッパも大規模な財政出動をためらって世界経済はショック死していたかもしれない。
残念ながら日本の経験を世界に話せる経済学者はリチャード・クー氏しかいないのであり、日本の経済学者は全員落第だ。特に小泉竹中内閣では財政再建が最優先されて景気対策を行なおうとはしなかった。公共投資は悪とされて公共投資を善とするリチャード・クー氏は悪の黒幕としてテレビにも出られなくなり、ライバルの竹中平蔵氏が金融大臣となって構造改革こそ景気対策として進められた。
確かに経済は年々変化しているから日本の構造も変えて行く必要がありますが、基本認識が間違っているととんでもない結果をもたらす。小泉竹中構造改革ではアメリカ流の市場原理主義を取り入れて規制をどんどん撤廃していった。そのために利益を受けたのは大企業であり輸出企業だ。しかし地方への公共投資は減らされて地方交付税も減らされて地方は切り捨てられてしまった。
アメリカも消費が激減して輸出頼みの日本経済も大打撃を負ってしまった。おかげで自民党の失政が選挙での大敗北に繋がったのですが、自民党政府がリチャード・クー氏を切り捨てて竹中氏を重用した事が野党転落の引き金になった。ようやく麻生内閣になって15兆円の景気対策が打たれるようになりましたが、民主党政権ではその補正予算の執行を止めている。
民主党政権では経済ブレーンとしては榊原英資氏がいますが、元大蔵財務官でありビックバンの中心となった人だ。とんでもない最悪の時期に金融ビックバンを強行した事で日本の金融は大混乱して三洋証券や山一證券や北拓銀行などがバタバタと倒産して混乱をもたらした人物だ。竹中氏も榊原氏も日本を金融立国にしようとしたのだろう。
「世界同時バランスシート不況」においてリチャード・クー氏は、竹中氏が天下を取っている時はマスコミに出る時がなかったと書いていますが、このようなパージは学者のすることではない。誰が正しい事を言っているかは時間が経てばわかることだ。そして小泉竹中構造改革が間違っていると国民が判断したから自民党は選挙で大敗北したのだ。
ブログなどを読んでもリチャード・クー氏を高く評価してきたのは「株式日記」ぐらいであり、日本中が小泉改革を支持して熱狂していた。最近になってようやく政府の財政出動の正しさを理解する人が増えましたが、テレビによる田原総一郎などによる扇動は酷いものだった。
◆市場原理主義者は金融テロリストだ 2001年11月11日 株式日記
http://1234tora.fc2web.com/kabu29.htm
小泉首相の「構造改革なくして景気回復なし」は日本経済を破壊しようとする市場原理主義者達に吹き込まれたスローガンだ。銀行やゼネコンや流通を潰すことが構造改革を進めることだというとんでもない論理を言う学者がいても、だれも疑問に思わず聞いている。日本国民の思考が停止状態になってしまったのだろう。リチャード・クー氏は「日本経済生か死かの選択」で次のように言っている。
日本に関する英文報道を書いている人たちの多くは、日本人を含めてアングロサクソンの市場原理に基づくやり方が正しくて、アジアの日本は変なことをやってきたのだろうという先入観を持っている。しかも、日本は構造改革が必要という文章を書く人は、一種の優越感に浸ることになる。相手の構造を非難すると言うことは、相手の全てを否定しているのに近いからだ。この傾向は、それ以前の日本やアジアの躍進を好ましく思っていなかった人々の中に特に強い。
これまでの10年間、全世界が日本の構造改革の必要性に洗脳されていたのである。日本でも一部、竹中氏みたいに何が何でも構造改革という人がいて、話を複雑にしてしまっている。
(私のコメント)
「世界同時バランスシート不況」という本によれば、アメリカの政財界や学会においても、今回の世界同時不況がバランスシート不況である事を理解していない人が沢山いるようだ。ノーベル賞をもらったポールクルーグマン教授も最近になってその誤りを認めましたが、90年代から日本経済が直面してきた事は現在の全世界で起きていることであり、それを説明できる日本の経済学者はいない。
リチャード・クー氏を地底人と貶すぐらいだから意地でも彼を認める訳にはいかないのだろう。日本の経済学者の多くはアメリカの経済学者たちの受け売りであり、竹中平蔵氏や野口悠紀雄氏などが典型だろう。日本経済の現状を研究する事こそ世界が直面している事の解決策を見出すチャンスなのですが、日本の経済学者の馬鹿さ加減は救いようがない。
ベン・バーナンキFRB議長もアメリカの経済学会の最高権威ですが、彼が今行なっている金融政策も適切なのだろうか? ドルが基軸通貨なのだからドル札をいくらでも印刷してばら撒けば景気が回復するという学説の持ち主ですが、ドルが暴落する危険性を認識しているのだろうか?
リーマンショック以降アメリカの消費は急速に落ち込んでいる。金融立国戦略も破綻してアメリカ経済は空洞化が進み、財政赤字と経常赤字でドルの信認が落ち込んでも不思議ではない。ドルが基軸通貨でいられるのは石油とリンクしているからですが、バーナンキ議長はそれを認識していない。中国ですら外貨準備をドルからユーロに切り替えている事にアメリカ政府は気がついているのだろうか?
◆中国の急速なユーロ買いは望ましくない=欧州委員 9月18日 ロイター
http://jp.reuters.com/article/wtBusinessNews/idJPJAPAN-11581420090918?feedType=RSS&feedName=wtBusinessNews
[マドリード 18日 ロイター] 欧州連合(EU)欧州委員会のアルムニア委員(経済・通貨問題担当)は18日、外貨準備を分散するために中国が急速にユーロ購入に動けばユーロ高につながり、欧州にマイナスの結果をもたらすとの認識を示した。
同委員は会合で、ドルに代わる主要準備通貨として、国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)を採用する中国の案は実現不可能だとの認識も示した。
その上で、世界では外貨準備をドルから通貨バスケットに分散する緩やかな動きが出てくるとみていると話した。
「時間がかかるプロセスだが、そういう方向に進んでいると思う」と述べ、主要準備通貨としてのドルの役割に終止符を打つのは政府ではなく市場だろうと続けた。
ロシアのプーチン首相はこの日、将来の金融安定を確保するためには、世界にとってさらなる準備通貨か、経済的行動に関する国際ルールが必要と指摘。「米国で全世界に向けてドル紙幣が刷られた場合、誰もそれをコントロールできず、問題が生じる」と述べた。
しかしアルムニア委員は、ドル資産が大半を占めている2兆ドル規模の中国の外貨準備について、同国が分散に向け大量かつ急速にユーロを購入した場合、欧州の利益に反する結果がもたらされる可能性があるとの見方を示した。
「中国が外貨準備の急速な分散化を望んだ場合、それを助ける第一候補となるのはユーロであり、ユーロ高につながってわれわれの利益に完全に反する。われわれの利益は中国の利益と一致しない」と述べた。