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(回答先: 米経済はまだ上向かず=著名投資家バフェット氏 投稿者 gikou89 日時 2009 年 9 月 16 日 12:51:27)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2009091502000060.html
米西海岸サンフランシスコ南東約百四十キロのパターソン市。あんず畑と牧場の間にサブプライムローンが生んだ新興住宅地がある。約七十軒が並ぶ一画にほとんど人影はなく、荒れ果てた庭先で銀行が差し押さえたことを告げる看板が揺れる。
シリコンバレーに車で約一時間半。トヨタ自動車とゼネラル・モーターズ(GM)の合弁工場「NUMMI」も通勤圏内だ。サブプライムローンがもたらした空前の住宅ブームで同市はサンフランシスコ近郊のベッドタウンとして急成長した。
高価で狭い沿岸部の賃貸住宅に住む中低所得者層が殺到。地元不動産仲介協会のハイディ・ベント会長は「売り出せば即売り切れ、一月ごとに価格が一万ドルずつ上がった」と、二〇〇四年当時の活況を振り返る。
だが、経済危機で状況は一変。市内で販売される住宅のうち95%は差し押さえられた中古物件で、販売不振に歯止めはかからない。今年に入って近郊のIT大手シーゲート社が全世界で数千人規模の人員削減に着手したことも打撃となり、同市一帯の八月の失業率は15・4%と一年間で5・6ポイント悪化した。
◇ ◇
危機震源地の米国。政府はこの一年間、なりふり構わない行動を続けた。ブッシュ政権は介入を決断し、金融機関に公的資金を資本注入。オバマ政権は総額七千八百七十億ドルの財政出動による景気刺激に着手した。米連邦準備制度理事会(FRB)は事実上のゼロ金利と長期国債買い入れ、資産査定で大手金融機関に合計七百四十六億ドルの資本増強を強制した。
就業者数の減少が止まり、消費も回復の兆しが見えたことを受けてオバマ大統領は八月に「最悪期を脱した」と表明。危機対応を解除する「出口戦略」の模索も始まった。
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だが、危機の根源となったサブプライムローン問題は片づいていない。米抵当銀行協会(MBA)によると、今年四〜六月期の住宅ローン延滞率と差し押さえ率の合計は過去最悪の13・16%(季節調整前)。米財務省も「今後、数百万世帯の差し押さえが出そうだ」(マイケル・バー財務次官補)と認める。
パシフィック大学のジェフ・マイケル教授は、パターソン市のように職がない土地の住宅が各地に残っていることに注目。「住宅価格はさらに平均60%、一部では70%下落する」と予測する。
住宅市場が安定しなければ、金融機関の不良資産が膨らむ恐れがある。「銀行は損失を正確に把握できない」(マイケル教授)状態で、金融危機再燃懸念はくすぶる。
パターソン市では、経費削減のため小学校の統合が始まった。地域一帯の雇用の受け皿となってきたNUMMIも、トヨタ自動車が来年三月の閉鎖を明らかにしている。
「これでも危機が終わったって言うの?」。ベント会長は政府が強調する「景気底入れ宣言」に、大きな違和感を感じている。 (米カリフォルニア州パターソンで、古川雅和、写真も)