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IT & Economics
池田信夫 blog 2009-09-09 / IT
【科学技術という名のバラマキ】---- (池田信夫 blog)
麻生政権が死に体になった9月4日、駆け込みで総合科学技術会議が開かれ、「最先端研究開発支援プログラム」30件に2700億円の研究費の配分が決まった。これは4月の補正予算で決まり、565件の応募があった。
1ヶ月半に10回も会議が開かれ、1グループ20分のヒアリングであわただしく配分が決まった。対象はノーベル賞を受賞した田中耕一氏やiPS細胞の山中伸弥氏などの有名人や学界のボスばかりで、関係者によると「配分はボスの交渉で決まっていた。公募は形だけ」とのことだ。
科研費をもらった研究者なら知っていると思うが、こういう研究費の配分は大学の偏差値と学界のボスの権力で決まり、内容はほとんど関係ない。
「IT革命」が騒がれるとITを看板にし、環境が話題になると環境をテーマにしたように見せかけて研究費をとるが、中身は学部のディスカッション・ペーパーのタイトルを付け替えて予算をとるような詐欺まがいのことをやっている(それがばれて研究費を返還させられたケースもあった)。
しかも通常の科研費はたかだか数億円だが、今度は1件平均90億円と桁ちがいだ。14兆円のバラマキ先によほど困ったのだろう。
学術研究というのは、誰にも中身がわからないので、盲目的にばらまくには絶好の対象だ。一般会計がマイナスシーリングだった時期にも、科学技術だけは聖域になっており、1996年に決まった科学技術基本計画は、第1期(1996〜2000)の予算総額は17兆円、第2期(2001〜05)は24兆円、第3期(2006〜10)は25兆円と増額されてきた。特にIT・バイオ・環境・ナノテクノロジーの「重点4分野」には巨額の予算が配分され、たとえば情報通信研究機構(NICT)の今年度予算では施設整備費は8億5000万円だったが、補正予算で突然389億円も増額された。
特に関係者が問題視するのは、NICTに198億円も配分された「無線技術の検証施設」だ。これは地デジ移行とともに空く予定の700MHz帯を使ったITSの車車間通信を開発する施設ということになっているが、「国営マンガ喫茶」と同じく中身の不明なハコモノだ。700MHz帯はもともと通信事業者に配分される予定だったが、トヨタの要求で20MHzがITSに配分されることになった。しかしこれは世界のどこにも売れないガラパゴス技術であり、日立が独占している。要するにこの補助金は、科学技術の看板に隠れて絶滅寸前のITゼネコンを救済するものなのだ。
今回の補正予算は、自民党と官僚機構が結託していかに税金を食い物にしてきたかを解明するには絶好の材料だ。民主党が「駆け込み執行」を許さず、これを凍結して徹底的に解剖し、減額補正を行なえば、政権交代によって日本も変わることを証明できよう。これを機会に、学界ボスの税金山わけ機関となっている総合科学技術会議も見直し、天下り官僚の給料の原資になっている補助金を切るべきだ。
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(コメント)
自民党と官僚のやって来たバラマキは、大企業と天下り先中心のバラマキで産業の勃興や国富を増やすような画期的な発明につながるようなものは非常に少ない。
官僚が口を出すとうまく行かないからとされています。
バラマキ先の大企業の研究者や官僚は所詮はサラリーマンで、ベンチャー企業のように必死には働きません。
サラリーマンは所詮、自分の利益と保身に走ります。天下りするなら大きな会社選びます。
そんな役人が公平な技術評価なんかできる訳ありません。
自動車会社を例に上げれば、お上の作った政策に常にオンブして来たのが、経営不振から欧州系傘下に入った旧財閥系の自動車会社。
元気の良いトヨタやホンダ、スズキなどの会社はむしろ官僚から距離をおいてやって来ています。
ホンダを作った本田宗一郎に至っては常に官僚とケンカばかりしていたのは有名な話です。
民間企業なら、これだけの研究費を使って成果がでないようなら「責任問題」なんですが・・・・・・。
訳の分からないものに補助金をバラまいてお咎めなし・・・・・
研究して何も成果がでないのなら、経済学で言うところの「乗数効果」はゼロでしょう。
その事は良くご存知ですよね・・・・・・お役人さん。